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第5章

1229話 リリアナへの敵意-2

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「なっ!? お前たち、ちょっと待て!」

 俺は慌てて制止する。
 事前の根回しが足りなかったかもしれない。
 確かに、『黄昏の月』の元幹部で『地母神』の二つ名を持つリリアナは油断できない存在だ。
 だが、ヴァイス村からここまでの長旅で、彼女はすっかり俺に恭順している。
 口は悪くとも、夜の運動会では可愛いところもある奴なのだ。
 ちゃんと話し合えば、仲良しこよし……までは難しいかもしれないが、それなりに良好な関係を築けるはずなのに……。

「なんだ? グレイス様たち、妙な雰囲気だぞ?」

「よく聞こえねぇが……どうやら、領主様の馬車に敵が紛れ込んでいたみたいだ」

「何? そいつは一大事だ!」

 グレイスたちからリリアナに対する敵意が、民衆たちにも伝わり始めた。
 これは……
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