社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

１１２９話 ヴァイス村の異変－４

（どうする……？）

　俺は思考を巡らせる。
　同じ相手であっても、『悠久の風』のフルメンバーで戦うならば限りなくリスクがゼロになる。
　アクティブスキル『致命の一撃』が発動する前に怒涛の先制攻撃で壊滅状態に追い込むことができるからだ。
　それに、もし致命傷レベルのダメージを受けてしまってもお互いに庇い合うことができるし、その間に『名門治療魔導師』のローズによって全回復してもらえる。
　だが、今ここにいるのは俺とシルヴィのみ。
　ここは戦闘を避けるのも手だ。
　そんなことを考える俺の耳に、村人たちの悲鳴が聞こえてきた。

「うああっ！！」

「ひいいっ！　お婆ちゃん！」

「逃げろ！　逃げるんじゃ！」

「いやあっ！　お父さーん！！」

　目の前の５人とは別の黒尽くめたちが、村人たちに襲い掛かっている。
　村人たちは抵抗しているようだが……明らかに劣勢だ。

（これは……）

　戦闘を行うのはリスクが高い。
　だが、他の選択肢はなかった。

「シルヴィ」

「はい」

「村を救おう。手始めに、目の前の５人を蹴散らすぞ」

「……分かりました！」

　シルヴィは頷く。
　そして……俺たちは剣を構えたのだった。