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第5章

942話 交渉-1【セリアside】

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「私が気付いていにゃいとでも? あの日の夜――タニアちゃんとコウタさんは……ふふっ」

「うっ……! そ、それは……!!」

 タニアの目が泳いだ。
 やましいことがある証拠だ。
 そんな彼女に対して、セリアは追い打ちをかけるように続ける。

「あの日に何があったか、王都中にぶちまけてもいいんですにゃ。あの日の夜、タニアちゃんとコウタさんが……」

「やめてっ!!」

 セリアの言葉を遮って、タニアが叫んだ。
 一言で言えば、彼女はコウタと一夜を共にしたのだ。

「あ、あれはあの人が強引に……」

 タニアが言い訳をする。
 SSSSSランクのステーキをやや強引にご馳走になり、高級酒を飲まされ、その会食相手はコウタという貴族……。
 タニアを責めるのは酷かもしれない。
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