社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

８９４話 下卑た男たち－２【リン・ルンside】

（ど、どうして借金があるのでしょうかぁ？　とても美味しい料理ですけどぉ……）

（詳しくは知らねぇ。だが、ここは宿屋だからな……。料理だけじゃ上手くいかねぇこともあるんだろ）

　ルンの疑問に、リンが答える。
　女将は見事な肉料理を作る腕前を持つが、ここは料理屋ではなく宿屋だ。
　食事の旨さだけでなく、寝泊まりする場所としての質も求められる。
　料理の腕と宿屋経営の相性は別問題だ。
　女将の作る肉料理が絶品でも、それだけで客足が増えるわけではない。

「くくっ！　もーらいっ！！」

「あっ！？」

　男たちのうち１人が、女将が作ったばかりの料理を奪った。
　彼女は驚きの表情を浮かべる。

「うんめー！！　ほらよ！　もう１皿くれ！！」

「俺も欲しいぜー！　ぎゃははは！！」

「俺にもくれよ～！」

　男たちは奪った料理を口にし、ゲラゲラと笑っていた。
　そんな男たちの様子を、女将は悔しそうに見つめている。