社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

８７７話 ６番通りの鍛冶師で５番目の腕利き－４【ミナ・ミルキーside】

「よし……加工完了だ！　これが俺の実力だ！　簡易的な炉を使って、この短時間でここまで仕上げたぞ！？」

　男が得意気に胸を張る。
　彼の手には、小さなナイフが握られていた。
　ものすごい業物というわけではないが、加工環境を考えれば悪くない部類だろう。

「へぇ……なかなかやるのです」

「ああ。流石は王都の鍛冶師ってところだな。６番通りの鍛冶師で５番目の腕利きってのは、伊達じゃねぇらしい」

　ミナとミルキーが男の腕前を称賛する。
　その言葉に男は満足したようだった。

「そうだろう、そうだろう！」

　得意気に笑う男。
　だが、上機嫌なのもそこまでだった。

「これなら、開拓地での簡単な仕事は任せられそうなのです」

「ああ。結婚なんてあり得ねぇが、一人前の鍛冶師として連れて行く分には悪くねぇよな」

「なっ……！？」

　男はショックを受けた。
　確かな腕前を見せたはずなのに、２人からの評価がぼちぼち程度に留まっていたからだ。

「ふ、ふざけるなっ！　俺の腕前を本当に理解しているのか！？　お前ら、何様のつもりだ！」

「「……」」

「鍛冶がどれだけ大変で難しい作業なのか、お前ら分かってないだろ！？　まったく、これだから素人は！！」

「「……」」

　男の暴言に、ミナとミルキーは閉口する。
　だが、２人は男の言い分に納得もしていた。
　実際、鍛冶は大変な作業だ。
　それを侮られているように感じたのなら、怒るのも無理はない。
　激高する男に対して、２人は――