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第5章

818話 素朴なベージュ

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「むぅ……! あの一瞬で、10を超える下着を静かに剥ぎ取るなど……! セカンドジョブに『時魔法使い』を設定していたのか……? いや、あれは相当なレアジョブじゃ……。それに、セカンドジョブが『時魔法使い』なら、その後の風魔法の説明がつかん……!!」

 老婆はブツブツと呟く。
 長く生きている彼女にとっても、俺がセブンスジョブまで持っていることは想像の範囲外らしい。

「くっくっく。そろそろ休憩時間は終わりにするぜ。さぁ、覚悟しな」

 完全に優位な状況に立った俺は、思わずゲスな笑みを浮かべてしまう。
 追い詰めたはずが、実は追い詰められたのは自分たちだった。
 それがどれだけ恐ろしいことなのかを、彼女たちに教えてやらねばなるまい。

「覚悟……。――はっ!? ま、まさかあなたは……!!」

 老婆が突然、自分の股間部を守るように手を置いた。
 そして、俺を警戒するような目で見てくる。

「儂の下着まで狙っとるのか!? この変態めっ!!」

「…………は? ……ふ、ふざけるなっ! 何を言いだすんだよ、お前は!?」

 老婆の発言に、思わず声を荒げてしまう。
 誰がお前のパンツなんて狙うかよ!

「くっ……! 儂の下着は素朴なベージュじゃぞ? もし儂の下着を手にしたら――大変なことになるぞ!?」

 老婆が真剣な表情を作る。
 ……な、なんだ?
 何を心配してるんだ、こいつ……?
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