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第5章
721話 マデリン侯爵の提案
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エルカの町に縁を持ち女騎士ナディアを気に入っている俺が子爵に叙されたことは、エルカディア派にとって非常に都合が良い。
現に、無派閥であったアスター騎士爵もエルカディア派に鞍替えしそうだ。
逆に、マデリン侯爵にとっては非常に痛手のはずだが――
「いやぁ、実に素晴らしい! エウロス子爵殿、おめでとうございます!!」
彼も、負けじと祝福の言葉を口にしていた。
俺は、彼の言葉に愛想笑いを浮かべて答える。
「ありがとう」
「エウロス卿のように優秀な方には、是非とも王国のために尽くしていただきたいものです」
「あぁ、もちろん。王国の繁栄のために尽力するとも」
「そう言っていただけると安心ですな」
マデリン侯爵が笑顔で言った。
だが、どこか胡散臭い印象を受ける。
ウルゴ陛下の手前、下手な動きはできないだろうが……。
彼は何を考えているんだろうな。
「陛下! 私から提案がございます!!」
ここで、マデリン侯爵が声を上げた。
また俺のことで物言いか?
敵対派閥のエルカディア派が力を付けることを避けたいのだろうが……。
あまりにもしつこいと、ウルゴ陛下の覚えも悪くなっていくぞ。
それでは本末転倒だ。
現に、無派閥であったアスター騎士爵もエルカディア派に鞍替えしそうだ。
逆に、マデリン侯爵にとっては非常に痛手のはずだが――
「いやぁ、実に素晴らしい! エウロス子爵殿、おめでとうございます!!」
彼も、負けじと祝福の言葉を口にしていた。
俺は、彼の言葉に愛想笑いを浮かべて答える。
「ありがとう」
「エウロス卿のように優秀な方には、是非とも王国のために尽くしていただきたいものです」
「あぁ、もちろん。王国の繁栄のために尽力するとも」
「そう言っていただけると安心ですな」
マデリン侯爵が笑顔で言った。
だが、どこか胡散臭い印象を受ける。
ウルゴ陛下の手前、下手な動きはできないだろうが……。
彼は何を考えているんだろうな。
「陛下! 私から提案がございます!!」
ここで、マデリン侯爵が声を上げた。
また俺のことで物言いか?
敵対派閥のエルカディア派が力を付けることを避けたいのだろうが……。
あまりにもしつこいと、ウルゴ陛下の覚えも悪くなっていくぞ。
それでは本末転倒だ。
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