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第5章
579話 王都に到着
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山岳地帯にあった村を出発して数日後――。
俺たち『悠久の風』は、ついに王都に到着した。
「おおー! すごいのです! 人がたくさんいるのです!!」
「へへっ。そこら中から良い食べ物の匂いが漂ってきやがるぜ」
「デカい建物も多いな」
「……えっと。人混みは少し苦手です……」
ミナ、リン、グレイス、エメラダがそれぞれの反応を示す。
ミルキー、ルン、セリア、チセあたりも似たような反応だ。
お上りさん丸出しである。
「……ティータは一度だけ来たことがある。相変わらず立派な風景……」
「わたくしは数回ありますわ。お父様の仕事についていったことが……」
ティータとローズは落ち着いていた。
このあたりは、さすが良い生まれのお嬢様といったところか。
「まるで人がゴミみたいです!」
「シルヴィ、言い方が……」
ユヅキが突っ込む。
彼女は冒険者だ。
いろいろな町を訪れた経験があるはず。
見慣れない光景を見ても冷静を保っているな。
「はわわ。ぼく、こんなにたくさんの人族を見るのは初めてだよ……」
「変に意識する必要はありませんわ。ただの人の群れ。それだけのこと」
緊張している様子のヒナタをネリスが諭す。
彼女たちは『毒蛇団』の被害者と元構成員の関係だ。
普通に考えればギクシャクして当然の間柄なのだが、意外に仲は良好である。
ネリスがアレコレ面倒を見てくれている。
ひょっとしたら、かつての自分の行いを反省しているのかもしれない。
「さて、無事に王都に来たわけだが……。まずは何をしたらいいか?」
「はい! ご主人様の名声を高めましょう! 偉大なるコウタ・エウロス男爵が王都に来たと喧伝するのです!!」
「僕は王都見物をしたい!」
シルヴィとユヅキが手を上げる。
俺たち『悠久の風』は、ついに王都に到着した。
「おおー! すごいのです! 人がたくさんいるのです!!」
「へへっ。そこら中から良い食べ物の匂いが漂ってきやがるぜ」
「デカい建物も多いな」
「……えっと。人混みは少し苦手です……」
ミナ、リン、グレイス、エメラダがそれぞれの反応を示す。
ミルキー、ルン、セリア、チセあたりも似たような反応だ。
お上りさん丸出しである。
「……ティータは一度だけ来たことがある。相変わらず立派な風景……」
「わたくしは数回ありますわ。お父様の仕事についていったことが……」
ティータとローズは落ち着いていた。
このあたりは、さすが良い生まれのお嬢様といったところか。
「まるで人がゴミみたいです!」
「シルヴィ、言い方が……」
ユヅキが突っ込む。
彼女は冒険者だ。
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見慣れない光景を見ても冷静を保っているな。
「はわわ。ぼく、こんなにたくさんの人族を見るのは初めてだよ……」
「変に意識する必要はありませんわ。ただの人の群れ。それだけのこと」
緊張している様子のヒナタをネリスが諭す。
彼女たちは『毒蛇団』の被害者と元構成員の関係だ。
普通に考えればギクシャクして当然の間柄なのだが、意外に仲は良好である。
ネリスがアレコレ面倒を見てくれている。
ひょっとしたら、かつての自分の行いを反省しているのかもしれない。
「さて、無事に王都に来たわけだが……。まずは何をしたらいいか?」
「はい! ご主人様の名声を高めましょう! 偉大なるコウタ・エウロス男爵が王都に来たと喧伝するのです!!」
「僕は王都見物をしたい!」
シルヴィとユヅキが手を上げる。
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