社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

４８３話 セリアの救出

「こ、コウタさん！　無理してはダメですにゃ！　私はいいですから、早く脱出するのですにゃ！」

「何を言ってるんだ！？　お前を置いていけるかよっ！」

「でもっ！」

「でもじゃないっ！」

「……っ！」

「セリア、よく聞いてくれ。俺を信じてくれないか？」

「えっ？」

「必ず助けると約束しただろう？」

「で、でも。もう時間が……」

「大丈夫だ。任せておいてくれ」

「……コウタさん」

「大丈夫だ。信じてくれ」

「……わかりましたにゃ。信じますにゃ」

「ありがとう」

　俺はセリアの信頼を得ることに成功した。
　そして、俺は再び瓦礫を持ち上げる作業に戻る。

「よしっ！　これなら持ち上げられそうだ！」

　俺はセリアの足を挟んだままの瓦礫をゆっくりと持ち上げていく。

「ふ、ふうううううう……！」

　全身の力を使って、なんとか瓦礫を押し上げることができた。

「大丈夫か？」

「は、はいですにゃ！　――って、ああ！　瓦礫が落ちてくるにゃ！」

「セリア、危ないっ！」

　瓦礫がセリアの頭上に落ちてきた。
　ゴンッ！
　俺は咄嗟に彼女を庇い、代わりに瓦礫を頭部に受ける。

「コウタさん、血が……」

「この程度、大したことはないさ。大切なセリアを守れたのだからな」

　実際、いつもの俺なら大したダメージを負わなかったはずだ。
　今日はいろいろあって闘気と魔力をかなり消耗しているから、ダメージが少し貫通してきたイメージである。

「さぁ、地上に戻ろう」

「は、はいですにゃ」

　セリアが俺の手をギュっと握ってくる。
　その手には、かすかに震えがあった。

「怖かったのか？」

「いえ、そういうわけでは……。ただ、コウタさんのことが心配で……。本当にごめんなさいにゃ」

「謝ることなんてない。全てはパーティリーダーの俺に責任がある。セリアが無事で良かった」

　俺はそう声を掛けつつ、セリアと共に地上に向けて戻り始めたのだった。