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第5章
369話 毒蛇団
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ギルドマスターにエルカ迷宮討伐の件を報告している。
「迷宮討伐は以前から狙っていたことだ。さすがにこれほど早く達成したのは予定外だがな。早いか遅いかの違いだけだ」
俺はそう言う。
既に十分な成果は上げているし、過剰に功を誇るつもりもない。
「そう言ってくれるとありがたい。財宝の隠し部屋を見つけたとは聞いているが、それとは別に報酬も用意している。期待していてくれ」
「ありがとう。恩に着るよ」
「なぁに。礼を言うのはこっちの方だよ。コウタたちがいなければ、いつまで攻略が遅れていたかわからない。スタンピードの兆候は出ていなかったが、エルカディア侯爵領内には他にも迷宮がある。心配の芽は事前に潰しておくに越したことがないからな」
「ふむ。そういうものか。それでだ。俺たちが次に取り組む仕事の話なんだが……」
俺は話を切り替える。
「この町に巣食う闇ギルドを壊滅させる話だ。陛下直々の指令だし、最優先で取り組まねばならん」
「その通りだ。当ギルドとしても全面的に協力する。闇ギルドにはさんざん煮え湯を飲ませられているからな……。特に『毒蛇団』だ。頭目の『毒霧』のアルヴィンは、Aランクに匹敵する力を持つ。今までは迂闊に手を出せなかった」
ギルドマスターは苦虫を噛みつぶすような表情になる。
「毒蛇団か。そいつらには、俺も借りがある」
「そうだったな。そっちの嬢ちゃんは、あいつらの被害にあったのだったか。当ギルドも警戒し、掃討作戦を練ってはいたのだがな。奴らの活動は法的にグレーゾーンギリギリのものばかりで、なかなか尻尾を掴めなかったのだ」
ギルドマスターがエメラダに視線を向け、そう言う。
エメラダは将来有望な調合士としてそれなりに有名だった。
だが、店舗経営の才能はあまりなかった。
そこを毒蛇団に付け込まれ、法外な利息を請求されて奴隷に堕とされたのだ。
「……えっと。はい。主様に救っていただけなければ、今ごろどうなっていたことか……」
エメラダは少し困った顔をしつつ、小さく首肯してそう答える。
「冒険者ギルドの力が足りず、怖い思いをさせてしまったな。俺が言えた義理じゃないかもしれんが、今は幸せそうだしよかったよ」
「はい! とても幸せな毎日です!」
エメラダが満面の笑みを浮かべてそう言い切る。
奴隷身分とはいえ、俺は彼女を虐げるつもりはない。
俺は将来有望な冒険者だ。
現時点での戦闘能力だけならまだ上はいるだろうが、将来性だけを見るなら俺以上の者はなかなかいない。
何と言っても、俺には各種のチートスキルがあるからな。
その効力の一部は、パーティメンバーにも適応される。
ただの一般市民として生きるよりも、俺の奴隷として生きた方が幸せとすら言えるだろう。
「エメラダは俺の大切な仲間だよ。そして、仲間と言えばだが……」
俺はそう言って、さらに話を切り出していくのだった。
「迷宮討伐は以前から狙っていたことだ。さすがにこれほど早く達成したのは予定外だがな。早いか遅いかの違いだけだ」
俺はそう言う。
既に十分な成果は上げているし、過剰に功を誇るつもりもない。
「そう言ってくれるとありがたい。財宝の隠し部屋を見つけたとは聞いているが、それとは別に報酬も用意している。期待していてくれ」
「ありがとう。恩に着るよ」
「なぁに。礼を言うのはこっちの方だよ。コウタたちがいなければ、いつまで攻略が遅れていたかわからない。スタンピードの兆候は出ていなかったが、エルカディア侯爵領内には他にも迷宮がある。心配の芽は事前に潰しておくに越したことがないからな」
「ふむ。そういうものか。それでだ。俺たちが次に取り組む仕事の話なんだが……」
俺は話を切り替える。
「この町に巣食う闇ギルドを壊滅させる話だ。陛下直々の指令だし、最優先で取り組まねばならん」
「その通りだ。当ギルドとしても全面的に協力する。闇ギルドにはさんざん煮え湯を飲ませられているからな……。特に『毒蛇団』だ。頭目の『毒霧』のアルヴィンは、Aランクに匹敵する力を持つ。今までは迂闊に手を出せなかった」
ギルドマスターは苦虫を噛みつぶすような表情になる。
「毒蛇団か。そいつらには、俺も借りがある」
「そうだったな。そっちの嬢ちゃんは、あいつらの被害にあったのだったか。当ギルドも警戒し、掃討作戦を練ってはいたのだがな。奴らの活動は法的にグレーゾーンギリギリのものばかりで、なかなか尻尾を掴めなかったのだ」
ギルドマスターがエメラダに視線を向け、そう言う。
エメラダは将来有望な調合士としてそれなりに有名だった。
だが、店舗経営の才能はあまりなかった。
そこを毒蛇団に付け込まれ、法外な利息を請求されて奴隷に堕とされたのだ。
「……えっと。はい。主様に救っていただけなければ、今ごろどうなっていたことか……」
エメラダは少し困った顔をしつつ、小さく首肯してそう答える。
「冒険者ギルドの力が足りず、怖い思いをさせてしまったな。俺が言えた義理じゃないかもしれんが、今は幸せそうだしよかったよ」
「はい! とても幸せな毎日です!」
エメラダが満面の笑みを浮かべてそう言い切る。
奴隷身分とはいえ、俺は彼女を虐げるつもりはない。
俺は将来有望な冒険者だ。
現時点での戦闘能力だけならまだ上はいるだろうが、将来性だけを見るなら俺以上の者はなかなかいない。
何と言っても、俺には各種のチートスキルがあるからな。
その効力の一部は、パーティメンバーにも適応される。
ただの一般市民として生きるよりも、俺の奴隷として生きた方が幸せとすら言えるだろう。
「エメラダは俺の大切な仲間だよ。そして、仲間と言えばだが……」
俺はそう言って、さらに話を切り出していくのだった。
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