278 / 1,273
第5章
278話 シルヴィたちと合流
しおりを挟む
「……うぅ……。ひっく……。ううう……」
事後。
エメラダは嗚咽していた。
「泣くことはないじゃないか。気持ちよかったんだろう?」
「ひ、ひどいです……。どうしてこんなことをするんですか?」
「言ったろう。俺の所有物となった以上、俺の相手をするのが義務だと」
「そんなぁ……」
「だがまあ、処女をもらったことだし、一応は満足した。これからは優しくしてやるさ」
「えっ? ……本当ですか?」
「嘘は言わないさ」
俺は苦笑しながら答える。
今回、エメラダに対して強引に迫ったのは、理由がある。
とあるジョブの取得のためだ。
特殊な取得方法なので、俺と既に仲良くなっているシルヴィやユヅキたちが条件を満たすことは難しい。
せっかくなので、エメラダに取得してもらった。
無事に取得できた今、過度にいじめる必要はない。
「ありがとうございます……」
エメラダがほっとした表情を見せる。
「さて……。じゃあ、服を買いに行くとするか」
俺は立ち上がって服を着る。
「あ、あの……。あたしはこの格好のままでいいですよ」
「ダメだ。俺の所有物になった以上、みっともない格好はさせられん」
「でも……。お金がないのでは?」
「服を買うぐらいの金はある」
俺たちは服屋に行き、適当な服を見繕った。
ついでに下着も買った。
エメラダには新しい服を着せる。
「ほら、これで見違えるようになっただろう」
俺はエメラダの姿を眺めながら言う。
「はい。ありがとうございます」
何とかエメラダも落ち着いてきたか。
彼女の奴隷紋は下腹部にあるし、もう傍目には奴隷ということはわからないだろう。
と、そんなことを考えているときだった。
「ご主人様! こちらにおられましたか」
「もうっ! あちこちに動くから、探すの大変だったよ!」
俺を探していたらしいシルヴィとユヅキがやってきた。
グレイス、ミナ、リンもいっしょだ。
「あの女の子は、無事に保護して送り届けておいたぜ」
グレイスがそう言う。
「ありがとう。助かる」
俺の『パーティメンバー設定』によりパーティを組んでいる者同士は、お互いの位置をざっくりと把握できる。
また、念話という遠隔で会話できる便利なスキルもある。
こうして別行動を取っていても、合流することは容易だ。
「コウタくん!? え? その子は……?」
「エメラダっちじゃねえか。なんでこんなところでいっしょなんだよ?」
ミナとリンが不思議そうな顔をする。
念話によってシルヴィやユヅキには事情を説明していたが、ミナやリンへの説明はまだだったな。
念話には多少の使用制約があり、パーティメンバー全員との詳細な情報共有には向いていないのだ。
「その話はあとだ。とりあえず、宿に戻るぞ。ティータとローズが待っているからな」
「承知致しました!」
「りょーかい! 行くぜ、エメラダさん!」
「は、はい!」
俺、シルヴィ、リン、エメラダ。
それにユヅキとミナで、宿屋に戻り始める。
「おい、待てって。置いていくなよ」
グレイスが慌てた様子で追いかけてくる。
宿屋で、みんなと情報共有しないとな。
事後。
エメラダは嗚咽していた。
「泣くことはないじゃないか。気持ちよかったんだろう?」
「ひ、ひどいです……。どうしてこんなことをするんですか?」
「言ったろう。俺の所有物となった以上、俺の相手をするのが義務だと」
「そんなぁ……」
「だがまあ、処女をもらったことだし、一応は満足した。これからは優しくしてやるさ」
「えっ? ……本当ですか?」
「嘘は言わないさ」
俺は苦笑しながら答える。
今回、エメラダに対して強引に迫ったのは、理由がある。
とあるジョブの取得のためだ。
特殊な取得方法なので、俺と既に仲良くなっているシルヴィやユヅキたちが条件を満たすことは難しい。
せっかくなので、エメラダに取得してもらった。
無事に取得できた今、過度にいじめる必要はない。
「ありがとうございます……」
エメラダがほっとした表情を見せる。
「さて……。じゃあ、服を買いに行くとするか」
俺は立ち上がって服を着る。
「あ、あの……。あたしはこの格好のままでいいですよ」
「ダメだ。俺の所有物になった以上、みっともない格好はさせられん」
「でも……。お金がないのでは?」
「服を買うぐらいの金はある」
俺たちは服屋に行き、適当な服を見繕った。
ついでに下着も買った。
エメラダには新しい服を着せる。
「ほら、これで見違えるようになっただろう」
俺はエメラダの姿を眺めながら言う。
「はい。ありがとうございます」
何とかエメラダも落ち着いてきたか。
彼女の奴隷紋は下腹部にあるし、もう傍目には奴隷ということはわからないだろう。
と、そんなことを考えているときだった。
「ご主人様! こちらにおられましたか」
「もうっ! あちこちに動くから、探すの大変だったよ!」
俺を探していたらしいシルヴィとユヅキがやってきた。
グレイス、ミナ、リンもいっしょだ。
「あの女の子は、無事に保護して送り届けておいたぜ」
グレイスがそう言う。
「ありがとう。助かる」
俺の『パーティメンバー設定』によりパーティを組んでいる者同士は、お互いの位置をざっくりと把握できる。
また、念話という遠隔で会話できる便利なスキルもある。
こうして別行動を取っていても、合流することは容易だ。
「コウタくん!? え? その子は……?」
「エメラダっちじゃねえか。なんでこんなところでいっしょなんだよ?」
ミナとリンが不思議そうな顔をする。
念話によってシルヴィやユヅキには事情を説明していたが、ミナやリンへの説明はまだだったな。
念話には多少の使用制約があり、パーティメンバー全員との詳細な情報共有には向いていないのだ。
「その話はあとだ。とりあえず、宿に戻るぞ。ティータとローズが待っているからな」
「承知致しました!」
「りょーかい! 行くぜ、エメラダさん!」
「は、はい!」
俺、シルヴィ、リン、エメラダ。
それにユヅキとミナで、宿屋に戻り始める。
「おい、待てって。置いていくなよ」
グレイスが慌てた様子で追いかけてくる。
宿屋で、みんなと情報共有しないとな。
26
お気に入りに追加
1,089
あなたにおすすめの小説
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる