73 / 1,255
第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン
73話 オリハルコンの武器の作成
しおりを挟む
エルカ迷宮で追加のオリハルコンを入手してから、数日が経過した。
この数日間、俺、シルヴィ、ユヅキはエルカ草原で軽く狩りをしている。
リンは、料亭ハーゼでコンテストに向けた練習や研究をしつつ、たまに俺たちの狩りに同行している。
そして、ミナだがーー。
「みなさん、ありがとうなのです。無事に、領主さんにオリハルコンの武器を納品できたのです」
ミナがそう言う。
俺たち『悠久の風』は、ミナの鍛冶場に集まっているところだ。
「それはよかった。あのオリハルコンで足りたんだな」
ミナがオリハルコンを得たのは、合計3回。
領主から提供されたもの。
俺のミッション報酬から渡されたもの。
そして、つい数日前にゴーレムからドロップしたものである。
「よっしゃ! 次は、あたいのリトルブラックタイガーの番だな!」
リンがそう言う。
「ボクももちろん手伝うのです。ですが、その前に……」
「その前に?」
「いくらか余ったオリハルコンがあるので、みんなの武器をつくらせてもらいたいのです」
ミナがそう言う。
「それはいいね。ミナさんの腕なら、きっと素敵な武器になりそう」
「ご主人様の名声を高めるため、わたしにもより強い武器をいただけるとありがたいです!」
ユヅキとシルヴィがそう言う。
「期待したいところだな。武器の作成費についてだが……」
「お代は、今回は要らないのです。オリハルコンを融通してもらったお礼です」
『悠久の風』における報酬分配は、基本は等分だ。
オリハルコンを得た際には、ミナにオリハルコンを提供する代わりに、彼女へ分配する金銭報酬は差し引いておいた。
しかしそれを考慮しても、ややミナの取り分が多めだったという事実はある。
俺たちはあまり細かいことをうるさく言わなかったが、ミナとしてはしっかりと自覚していたらしい。
「それはありがたい。しかし、ムリしていないか?」
「問題ないのです。領主さんからもらった報酬で潤っているのです」
領主からの指名依頼だけあって、報酬もよかったわけか。
「へへっ。ミナっちがつくってくれた武器があれば、リトルブラックタイガー狩りも効率が上がりそうだな!」
「任せてなのです。腕によりをかけます。あと数日だけ待ってほしいのです」
鍛冶にはそこそこの時間がかかる。
武器ができるまでは、またエルカ草原あたりで軽く狩りをしておくことにするか。
今の俺たちなら、俺、シルヴィ、ユヅキ、リンの4人でもリトルブラックタイガーを狩れるかもしれないが。
しかし、やはりリスクのある迷宮探索は万全の状態で臨みたい。
リンの料理コンテストまではまだ少し日があるし、ここは武器の完成を待つことにしよう。
この数日間、俺、シルヴィ、ユヅキはエルカ草原で軽く狩りをしている。
リンは、料亭ハーゼでコンテストに向けた練習や研究をしつつ、たまに俺たちの狩りに同行している。
そして、ミナだがーー。
「みなさん、ありがとうなのです。無事に、領主さんにオリハルコンの武器を納品できたのです」
ミナがそう言う。
俺たち『悠久の風』は、ミナの鍛冶場に集まっているところだ。
「それはよかった。あのオリハルコンで足りたんだな」
ミナがオリハルコンを得たのは、合計3回。
領主から提供されたもの。
俺のミッション報酬から渡されたもの。
そして、つい数日前にゴーレムからドロップしたものである。
「よっしゃ! 次は、あたいのリトルブラックタイガーの番だな!」
リンがそう言う。
「ボクももちろん手伝うのです。ですが、その前に……」
「その前に?」
「いくらか余ったオリハルコンがあるので、みんなの武器をつくらせてもらいたいのです」
ミナがそう言う。
「それはいいね。ミナさんの腕なら、きっと素敵な武器になりそう」
「ご主人様の名声を高めるため、わたしにもより強い武器をいただけるとありがたいです!」
ユヅキとシルヴィがそう言う。
「期待したいところだな。武器の作成費についてだが……」
「お代は、今回は要らないのです。オリハルコンを融通してもらったお礼です」
『悠久の風』における報酬分配は、基本は等分だ。
オリハルコンを得た際には、ミナにオリハルコンを提供する代わりに、彼女へ分配する金銭報酬は差し引いておいた。
しかしそれを考慮しても、ややミナの取り分が多めだったという事実はある。
俺たちはあまり細かいことをうるさく言わなかったが、ミナとしてはしっかりと自覚していたらしい。
「それはありがたい。しかし、ムリしていないか?」
「問題ないのです。領主さんからもらった報酬で潤っているのです」
領主からの指名依頼だけあって、報酬もよかったわけか。
「へへっ。ミナっちがつくってくれた武器があれば、リトルブラックタイガー狩りも効率が上がりそうだな!」
「任せてなのです。腕によりをかけます。あと数日だけ待ってほしいのです」
鍛冶にはそこそこの時間がかかる。
武器ができるまでは、またエルカ草原あたりで軽く狩りをしておくことにするか。
今の俺たちなら、俺、シルヴィ、ユヅキ、リンの4人でもリトルブラックタイガーを狩れるかもしれないが。
しかし、やはりリスクのある迷宮探索は万全の状態で臨みたい。
リンの料理コンテストまではまだ少し日があるし、ここは武器の完成を待つことにしよう。
56
お気に入りに追加
1,089
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる