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152話 フレッドのファン達

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「あ、あの~。フレッド様?」

「こちらへいらっしゃいませんか? 美味しいクッキーがありますの」

「お茶の準備ができていますのよ」

「毎日、鍛錬と勉学でお疲れでしょう。たまにはお休みされてはいかがでしょうか?」

 彼女達が丁寧な口調でそう告げる。
 フレッドは第一学年生だ。
 女生徒達から見て、フレッドは後輩あるいは同級生である。
 にも関わらず彼女達が丁寧な言葉を遣っている理由は何か。
 貴族令嬢としての常識もあるが、最大の理由はフレッドの放つオーラだ。
 第三学年の総合主席はエドワード王子であり、それに剣術主席のカインが続く。
 第二学年の総合主席はイザベラであり、氷魔法のオスカーや光魔法のアリシアがそれに続く。
 そして、第一学年の総合主席はフレッドなのだ。
 ポーション作成や毒物の取り扱いにおいて、ぶっちぎりのトップ。
 座学や護身術などでも安定して高い成績を収めている。
 しかも、顔立ちも非常に整っている上、血筋もアディントン侯爵家の養子であり、申し分ない。
 そんな彼が放つオーラは、普通の学生とは比べものにならないほどに強烈なのだ。
 女生徒達は、彼に対して自然に敬語を使うようになっていた。

「……すみません。僕は遠慮しておきます。これから用事があるので」

 フレッドは爽やかな笑みを顔に貼り付け、そう答えた。

「そ、そうなんですの……?」

「残念ですわ……」

 女生徒達は、その笑顔に見惚れると同時に、ガッカリとした様子で肩を落としたのだった。
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