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第1章
41話 ぼ、僕なんかじゃダメだよ……
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イリスの魔眼により、フレアとシンカに催眠を施した。
「では、催眠状態を解きます……。しかし、それでも刷り込まれた暗示は今夜中は残り続けることになります……。いいですね? 3、2、1……」
0になった瞬間、シンカとフレアはハッとする。
「あれ? 僕は一体何をしていたんだ? 確か……イリスさんにドラゴンの姿を見せつけられて……」
「ええっと……私、今まで何か変なことを口にしなかったかしら?」
シンカとフレアが慌てる。
「うむ。特に何も言ってなかったと思うが……」
余は適当にはぐらかす。
「そ、そうよね……? うん、きっと気のせいね!」
「う、うん! そうだよ! 気のせい気のせい……」
シンカとフレアはそう言いつつ、少し動揺しているようだ。
魔法抵抗力が高い彼女たちのことだし、イリスの魔眼で催眠状態に陥っている間の記憶も少しだけは残っているのかもな。
「まあよい。とりあえず、お前たちに聞きたいことがある。答えてくれるか?」
「え、ああ。それはいいけど……」
「私たち、本当に無事で済むのかしら? なんだか不安になってきちゃった」
シンカとフレアがそんなことを言う。
「ふむ……心配しなくても大丈夫だ。さっきも言ったが、悪いようにはしない」
この2人は有望な配下候補兼、伴侶候補だ。
殺すなどもってのほかである。
「余からお前たちに問おう。体に異変は感じないか?」
「体……? 別になんともないけど……」
「私もよ」
「そうか。ならよかった」
余は安堵する。
どうやら、イリスの魔眼の効果はちゃんと効いているようだ。
彼女たちの体には明確に異変が生じているのだが、それを自覚できていないとはな。
「それで、僕らは何をすればいいんだい?」
シンカが尋ねてくる。
「ふむ。実は、余は今、恋人を探しておるのだ」
「「こ、恋人!?」」
シンカとフレアが驚く。
「うむ。そこで、2人が相手としてどうかと思ってな」
「ど、どういうこと? それってつまり……」
「うむ……余の恋人になれと言っている」
「「……!!」」
余の言葉に、シンカとフレアが硬直する。
2人とも顔を真っ赤にして、視線を泳がせている。
「さあ、返事を聞かせてもらおう」
「うっ……」
シンカは目を伏せながら言う。
「ぼ、僕なんかじゃダメだよ……」
「ほう。どうしてだ?」
「だって、僕は男っぽいだから。ディノス君の彼女になる資格なんてないよ……」
「確かにお前は男っぽいな。初めて見たときからしばらくの間は、余もお前のことを男だと勘違いしていた」
シンカの髪型はショートカットで、男子用の制服を着ている。
胸も小さめの上、口調は男のものだ。
「やっぱり、そうだよね。なら……」
「だが、今は違うぞ」
「え?」
余は言う。
「今のお前は可愛い」
「かわっ……! あぅ……」
シンカがさらに赤くなってうつむく。
この様子なら、彼女は落とせそうだな。
しかし一方で、その様子を面白くなさそうな目で見る少女がいる。
こちらの相手もしてやる必要があるだろう。
「では、催眠状態を解きます……。しかし、それでも刷り込まれた暗示は今夜中は残り続けることになります……。いいですね? 3、2、1……」
0になった瞬間、シンカとフレアはハッとする。
「あれ? 僕は一体何をしていたんだ? 確か……イリスさんにドラゴンの姿を見せつけられて……」
「ええっと……私、今まで何か変なことを口にしなかったかしら?」
シンカとフレアが慌てる。
「うむ。特に何も言ってなかったと思うが……」
余は適当にはぐらかす。
「そ、そうよね……? うん、きっと気のせいね!」
「う、うん! そうだよ! 気のせい気のせい……」
シンカとフレアはそう言いつつ、少し動揺しているようだ。
魔法抵抗力が高い彼女たちのことだし、イリスの魔眼で催眠状態に陥っている間の記憶も少しだけは残っているのかもな。
「まあよい。とりあえず、お前たちに聞きたいことがある。答えてくれるか?」
「え、ああ。それはいいけど……」
「私たち、本当に無事で済むのかしら? なんだか不安になってきちゃった」
シンカとフレアがそんなことを言う。
「ふむ……心配しなくても大丈夫だ。さっきも言ったが、悪いようにはしない」
この2人は有望な配下候補兼、伴侶候補だ。
殺すなどもってのほかである。
「余からお前たちに問おう。体に異変は感じないか?」
「体……? 別になんともないけど……」
「私もよ」
「そうか。ならよかった」
余は安堵する。
どうやら、イリスの魔眼の効果はちゃんと効いているようだ。
彼女たちの体には明確に異変が生じているのだが、それを自覚できていないとはな。
「それで、僕らは何をすればいいんだい?」
シンカが尋ねてくる。
「ふむ。実は、余は今、恋人を探しておるのだ」
「「こ、恋人!?」」
シンカとフレアが驚く。
「うむ。そこで、2人が相手としてどうかと思ってな」
「ど、どういうこと? それってつまり……」
「うむ……余の恋人になれと言っている」
「「……!!」」
余の言葉に、シンカとフレアが硬直する。
2人とも顔を真っ赤にして、視線を泳がせている。
「さあ、返事を聞かせてもらおう」
「うっ……」
シンカは目を伏せながら言う。
「ぼ、僕なんかじゃダメだよ……」
「ほう。どうしてだ?」
「だって、僕は男っぽいだから。ディノス君の彼女になる資格なんてないよ……」
「確かにお前は男っぽいな。初めて見たときからしばらくの間は、余もお前のことを男だと勘違いしていた」
シンカの髪型はショートカットで、男子用の制服を着ている。
胸も小さめの上、口調は男のものだ。
「やっぱり、そうだよね。なら……」
「だが、今は違うぞ」
「え?」
余は言う。
「今のお前は可愛い」
「かわっ……! あぅ……」
シンカがさらに赤くなってうつむく。
この様子なら、彼女は落とせそうだな。
しかし一方で、その様子を面白くなさそうな目で見る少女がいる。
こちらの相手もしてやる必要があるだろう。
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