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55話 楓vs桜
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戦闘試験にて、桜と戦うことになった。
「行くでござる、楓殿」
「ああ、来い」
俺と桜はお互いに構えて対峙する。
両者とも、木刀を構えている。
「ふっ!」
先に仕掛けたのは桜だった。
踏み込んで、木刀を振り下ろしてくる。
俺はその攻撃を後ろに下がって回避した。
「はぁっ!!」
そこから更に距離を詰めてきて、横薙ぎに攻撃してくる。
俺は上体を反らして避けつつ、カウンターで腹を狙って突きを放つ。
「甘いでござる!」
だが、読まれていたようで避けられる。
その後も、桜の攻撃は止まらない。
激しい連撃を浴びせかけてきた。
「なかなかの速さだぜ!」
桜の力量は、先ほど戦った男とは比べ物にならない。
このCランク昇格試験の参加者全体の平均レベルと比較しても、抜きん出ている。
「まだまだこれからでござるよ!」
「そうだな! 俺もこの程度じゃ終われない!」
俺は楽しくなってきた。
少しだけ本気で戦ってみることにする。
「はっ!」
俺は一瞬で姿を消した。
桜の背後に高速で移動したのだ。
「なにっ!?」
桜が驚きの声を上げる。
俺はそのまま、強力な一撃を背中に向かって放つ。
「はああっ!!!」
ドゴォンッ!!
凄まじい衝撃音が周囲に響き渡る。
「…………」
俺は手応えを感じなかった。
まるで空気を殴ったかのような感覚だ。
「はははははは!!!」
後方から笑い声が聞こえる。
桜だ。
だが、彼女は俺の前にもいる。
「どういうことだ?」
俺は思わず呟いていた。
「これぞ、秘伝忍法・分身の術!」
桜はそう叫び、両手でニンニンのポーズを取っている。
「なに? それは一体どんな……」
俺は動揺していた。
「教えぬ! はぁっ!」
桜は今度は前方から斬りかかってくる。
速いが、避けられないスピードではない。
「ふん!」
ガキンッ!!
俺はその攻撃を受け止めた。
「ほう……受け止めるでござるか」
桜はニヤリと笑う。
「隙有りでござる!!」
もう1人の桜が俺の背後から斬りつけてくる。
なるほど。
分身体を使った波状攻撃か。
普通の冒険者なら、これに対処するのは難しいだろう。
だが俺なら……。
「見切った」
「「何っ!?」」
俺は身をひねり、2人目の桜の剣を紙一重で躱す。
そして1人目の桜の木刀を力で押し返し、体勢が崩れたところで胴に一撃を入れる。
ドゴッ!!!
確かな手応えが手に伝わってきた。
「ぐぅっ!」
1人目の桜はそのまま地面に倒れ込む。
そして、2人目の桜が霧散し消えた。
どうやら、本体に一定以上のダメージを与えると分身体は消えるようだな。
「そこまでです! 勝者、カエデ様!」
女性職員が大きな声でそう宣言する。
おおおーっと周囲から歓声が上がる。
「楓殿、見事な腕前でござった」
桜が笑顔でそう言ってくる。
「いや、俺も楽しかったよ。また勝負しようぜ」
俺と桜はがっちりと握手を交わした。
エリスが俺たちのところまで駆け寄ってきた。
「桜さん、それにカエデさん。お疲れさまです。いい勝負でしたわ」
エリスは桜に労いの言葉をかける。
「うむ。しかし、楓殿はまだまだ力を隠している様子。強さの底が見えぬ」
桜がそう言った。
「そうかもしれませんわね」
エリスが神妙な顔つきになる。
「それほどでもねえって」
俺はとりあえず謙遜してそう言っておく。
まあ、実際には桜の言う通りまだまだ余裕だったけどな。
猫耳装備は本当に最強だ。
さて。
これで、戦闘試験に関する俺の評価は最高クラスになったのではなかろうか。
筆記試験次第ではあるが、Cランク昇格もかなり現実的だろう。
期待したいところだ。
「行くでござる、楓殿」
「ああ、来い」
俺と桜はお互いに構えて対峙する。
両者とも、木刀を構えている。
「ふっ!」
先に仕掛けたのは桜だった。
踏み込んで、木刀を振り下ろしてくる。
俺はその攻撃を後ろに下がって回避した。
「はぁっ!!」
そこから更に距離を詰めてきて、横薙ぎに攻撃してくる。
俺は上体を反らして避けつつ、カウンターで腹を狙って突きを放つ。
「甘いでござる!」
だが、読まれていたようで避けられる。
その後も、桜の攻撃は止まらない。
激しい連撃を浴びせかけてきた。
「なかなかの速さだぜ!」
桜の力量は、先ほど戦った男とは比べ物にならない。
このCランク昇格試験の参加者全体の平均レベルと比較しても、抜きん出ている。
「まだまだこれからでござるよ!」
「そうだな! 俺もこの程度じゃ終われない!」
俺は楽しくなってきた。
少しだけ本気で戦ってみることにする。
「はっ!」
俺は一瞬で姿を消した。
桜の背後に高速で移動したのだ。
「なにっ!?」
桜が驚きの声を上げる。
俺はそのまま、強力な一撃を背中に向かって放つ。
「はああっ!!!」
ドゴォンッ!!
凄まじい衝撃音が周囲に響き渡る。
「…………」
俺は手応えを感じなかった。
まるで空気を殴ったかのような感覚だ。
「はははははは!!!」
後方から笑い声が聞こえる。
桜だ。
だが、彼女は俺の前にもいる。
「どういうことだ?」
俺は思わず呟いていた。
「これぞ、秘伝忍法・分身の術!」
桜はそう叫び、両手でニンニンのポーズを取っている。
「なに? それは一体どんな……」
俺は動揺していた。
「教えぬ! はぁっ!」
桜は今度は前方から斬りかかってくる。
速いが、避けられないスピードではない。
「ふん!」
ガキンッ!!
俺はその攻撃を受け止めた。
「ほう……受け止めるでござるか」
桜はニヤリと笑う。
「隙有りでござる!!」
もう1人の桜が俺の背後から斬りつけてくる。
なるほど。
分身体を使った波状攻撃か。
普通の冒険者なら、これに対処するのは難しいだろう。
だが俺なら……。
「見切った」
「「何っ!?」」
俺は身をひねり、2人目の桜の剣を紙一重で躱す。
そして1人目の桜の木刀を力で押し返し、体勢が崩れたところで胴に一撃を入れる。
ドゴッ!!!
確かな手応えが手に伝わってきた。
「ぐぅっ!」
1人目の桜はそのまま地面に倒れ込む。
そして、2人目の桜が霧散し消えた。
どうやら、本体に一定以上のダメージを与えると分身体は消えるようだな。
「そこまでです! 勝者、カエデ様!」
女性職員が大きな声でそう宣言する。
おおおーっと周囲から歓声が上がる。
「楓殿、見事な腕前でござった」
桜が笑顔でそう言ってくる。
「いや、俺も楽しかったよ。また勝負しようぜ」
俺と桜はがっちりと握手を交わした。
エリスが俺たちのところまで駆け寄ってきた。
「桜さん、それにカエデさん。お疲れさまです。いい勝負でしたわ」
エリスは桜に労いの言葉をかける。
「うむ。しかし、楓殿はまだまだ力を隠している様子。強さの底が見えぬ」
桜がそう言った。
「そうかもしれませんわね」
エリスが神妙な顔つきになる。
「それほどでもねえって」
俺はとりあえず謙遜してそう言っておく。
まあ、実際には桜の言う通りまだまだ余裕だったけどな。
猫耳装備は本当に最強だ。
さて。
これで、戦闘試験に関する俺の評価は最高クラスになったのではなかろうか。
筆記試験次第ではあるが、Cランク昇格もかなり現実的だろう。
期待したいところだ。
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