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46話 冒険者ギルドに報告
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猫まるに乗って、サンライトの町まで戻ってきた。
宿屋で一夜を明かしてから、冒険者ギルドに向かう。
「おいっすー」
「あら、カエデちゃん。お帰りなさい」
受付嬢が出迎えてくれる。
「お早いお帰りだけど……。食料の運搬はうまくいったの?」
「ばっちりだぜ! というか、そんなに早かったか?」
食料の運搬依頼を達成後、ビッグ・ジョーを討伐し、さらには数日間ゆっくりしていた。
あまり早いという感覚がない。
「ええっと。カエデちゃんが出発してから、まだ10日ぐらいしか経っていないわよね。この日数だと、行って帰ってくるだけでも相当なハードスケジュールだと思うんだけど……」
受付嬢が何やら驚いている。
「行って帰ってくるだけで10日? どういうことだ?」
俺たちの移動時間は、行きは半日、帰りは数時間といったところだ。
どう考えても、計算が合わない。
もしかして、別の町に行ってしまっていたのか?
「えっと。運搬先って、港町『セイレーン』で合ってるよな?」
「そうね。合っているけど」
「この町からまっすぐ向かったら、1日あれば着かないか?」
俺はアイテムボックスに荷物を入れているという点で、やや身軽という好条件がある。
帰りは、猫まるに騎乗するという素晴らしい移動手段があった。
そのあたりを差し引いても、1日あれば余裕で着くはずである。
「まっすぐ? 冗談はやめてよ、カエデちゃん」
「冗談?」
「まっすぐ行ったら『死の渓谷』があるじゃない。あんな道、通れるはずがないわ。冒険者どころか、町の人々も知っていることよ」
「へっ? だって、普通に通ったぞ? 谷も飛び越えたし」
「……」
「……」
「「嘘!?」」
俺と受付嬢は、思わずハモった。
いや、マジかよ。
「あの道って、危険だから普通は通らない道だったのか? それならそうと、教えてくれよ……」
ドラゴンもいたし……。
タイミング次第では、相当にヤバかったかもしれないんだぞ。
「ごめんなさい……。言うまでもないことだと思って……。カエデちゃんは、このあたりの地理に疎いのだったわね……。今度から気をつけるわ」
「ああ……頼む……」
受付嬢には呆れられてしまった。
俺は被害者だと思うのだが……。
まあ、無事に帰ってこられたのだしいいだろう。
「それにしても、飛び越えたってどういうこと? いくらカエデちゃんが身軽だからといって、ジャンプで超えられるような谷じゃないはずだけど……」
「行きはユーリの飛行魔法のお世話なった。なあ? ユーリ」
「うむ。我にかかれば、あの程度の谷を超えることなど造作もない」
「飛行魔法ですって……?」
受付嬢が目を丸くする。
「カエデちゃんだけじゃなくて、ユーリさんも規格外よね……。はぁ……よくわからないわ……」
彼女は頭を抱えているようだった。
「そういえば、『行きは』って言った? 帰りはどうしたの?」
「帰りは……この子に乗せてもらったんだ」
俺はそう言って、猫まるを召喚する。
「にゃおん」
猫まるが可愛く鳴く。
しかし、体長は人間よりも大きいので、建物内だと結構圧迫感があるな……。
「か……」
「か?」
「可愛いぃ~!」
猫まるを見た途端、受付嬢が猫まるに飛びついた。
そのまま猫まるを抱きしめて頬ずりしている。
「はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ」
怖い……。
受付嬢の息遣いが荒すぎる。
猫まるは怯えて後ずさる。
「はあっ。はあっ。はあっ。はあっ。はあっ」
受付嬢は興奮しすぎである。
「ちょっと落ち着け」
俺は彼女の頭を軽く叩いた。
「あっ! ……し、失礼しました」
彼女は正気に戻ったようだ。
「帰りはこの子に乗って谷を超えたのね……。カエデちゃんの召喚獣ってことよね?」
「ああ、そうだな」
「なるほど……。この子なら、確かにあの谷も超えられるかもしれないわね。納得したわ」
受付嬢がうんうんと首肯する。
よしよし、わかってくれたか。
「それにしても、この子の毛並み、フサフサしていてとても気持ちいいわねえ! はあはあはあはあ……」
やっぱりダメだコイツ。
早く何とかしないと……。
俺は、受付嬢を落ち着かせるのに、しばらく時間がかかったのだった。
宿屋で一夜を明かしてから、冒険者ギルドに向かう。
「おいっすー」
「あら、カエデちゃん。お帰りなさい」
受付嬢が出迎えてくれる。
「お早いお帰りだけど……。食料の運搬はうまくいったの?」
「ばっちりだぜ! というか、そんなに早かったか?」
食料の運搬依頼を達成後、ビッグ・ジョーを討伐し、さらには数日間ゆっくりしていた。
あまり早いという感覚がない。
「ええっと。カエデちゃんが出発してから、まだ10日ぐらいしか経っていないわよね。この日数だと、行って帰ってくるだけでも相当なハードスケジュールだと思うんだけど……」
受付嬢が何やら驚いている。
「行って帰ってくるだけで10日? どういうことだ?」
俺たちの移動時間は、行きは半日、帰りは数時間といったところだ。
どう考えても、計算が合わない。
もしかして、別の町に行ってしまっていたのか?
「えっと。運搬先って、港町『セイレーン』で合ってるよな?」
「そうね。合っているけど」
「この町からまっすぐ向かったら、1日あれば着かないか?」
俺はアイテムボックスに荷物を入れているという点で、やや身軽という好条件がある。
帰りは、猫まるに騎乗するという素晴らしい移動手段があった。
そのあたりを差し引いても、1日あれば余裕で着くはずである。
「まっすぐ? 冗談はやめてよ、カエデちゃん」
「冗談?」
「まっすぐ行ったら『死の渓谷』があるじゃない。あんな道、通れるはずがないわ。冒険者どころか、町の人々も知っていることよ」
「へっ? だって、普通に通ったぞ? 谷も飛び越えたし」
「……」
「……」
「「嘘!?」」
俺と受付嬢は、思わずハモった。
いや、マジかよ。
「あの道って、危険だから普通は通らない道だったのか? それならそうと、教えてくれよ……」
ドラゴンもいたし……。
タイミング次第では、相当にヤバかったかもしれないんだぞ。
「ごめんなさい……。言うまでもないことだと思って……。カエデちゃんは、このあたりの地理に疎いのだったわね……。今度から気をつけるわ」
「ああ……頼む……」
受付嬢には呆れられてしまった。
俺は被害者だと思うのだが……。
まあ、無事に帰ってこられたのだしいいだろう。
「それにしても、飛び越えたってどういうこと? いくらカエデちゃんが身軽だからといって、ジャンプで超えられるような谷じゃないはずだけど……」
「行きはユーリの飛行魔法のお世話なった。なあ? ユーリ」
「うむ。我にかかれば、あの程度の谷を超えることなど造作もない」
「飛行魔法ですって……?」
受付嬢が目を丸くする。
「カエデちゃんだけじゃなくて、ユーリさんも規格外よね……。はぁ……よくわからないわ……」
彼女は頭を抱えているようだった。
「そういえば、『行きは』って言った? 帰りはどうしたの?」
「帰りは……この子に乗せてもらったんだ」
俺はそう言って、猫まるを召喚する。
「にゃおん」
猫まるが可愛く鳴く。
しかし、体長は人間よりも大きいので、建物内だと結構圧迫感があるな……。
「か……」
「か?」
「可愛いぃ~!」
猫まるを見た途端、受付嬢が猫まるに飛びついた。
そのまま猫まるを抱きしめて頬ずりしている。
「はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ」
怖い……。
受付嬢の息遣いが荒すぎる。
猫まるは怯えて後ずさる。
「はあっ。はあっ。はあっ。はあっ。はあっ」
受付嬢は興奮しすぎである。
「ちょっと落ち着け」
俺は彼女の頭を軽く叩いた。
「あっ! ……し、失礼しました」
彼女は正気に戻ったようだ。
「帰りはこの子に乗って谷を超えたのね……。カエデちゃんの召喚獣ってことよね?」
「ああ、そうだな」
「なるほど……。この子なら、確かにあの谷も超えられるかもしれないわね。納得したわ」
受付嬢がうんうんと首肯する。
よしよし、わかってくれたか。
「それにしても、この子の毛並み、フサフサしていてとても気持ちいいわねえ! はあはあはあはあ……」
やっぱりダメだコイツ。
早く何とかしないと……。
俺は、受付嬢を落ち着かせるのに、しばらく時間がかかったのだった。
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