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20話 vsビッグ・ジョー

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 翌日になった。
 俺、ユーリ、猫まるで、海辺にやって来た。

「ふぅ……そろそろ行くとするかな」

「うむ。気をつけるのじゃぞ」

 ユーリがそう言う。
 昨日は彼女もいっしょに猫まるに乗った。
 しかし、今日の本番は俺と猫まるだけで行う。
 ユーリは陸上でお留守番だ。

「わかってる。猫まる、準備はいいか?」

「にゃあ!」

 猫まるはやる気十分といった様子だ。

「よし。それなら行くぞ!」

「にゃあ~!」

 俺は猫まるの背中に乗る。
 そして、猫まるは海へと飛び込み、泳ぎ始めた。

「そう言えば、ビッグ・ジョーはどこにいるんだろう?」

「にゃ~?」

 俺たちは巨大ザメを探し始める。
 ………………。
 10分ほど探すと、大きな背びれが見えた。
 海面からは数メートルくらいの高さがあるだろうか?

「あれか? 猫まる、戦闘の準備だ」

「にゃあ!」

 俺は魔力を高めながら、戦闘体勢を整える。

『シャー!』

 やはりこいつがビッグ・ジョーだ。
 奴がこちらに気づいて襲いかかってきた!

「猫まる! 行くぞ!」

「にゃあああ!!」

 猫まるがビッグ・ジョーの正面から立ち向かっていく。

『シャー!!』

 ビッグ・ジョーは猫まるに向かって大口を開けて噛みつこうとする。

「させねえぜ!」

 俺はその口に魔力弾を撃ち込む。
 ドカーンッ!!
 爆発が起こり、ビッグ・ジョーの体が吹っ飛ぶ。
 反動でこちらも吹っ飛ぶが……

「にゃにゃ!!」

 猫まるは空中で回転しながら華麗に着水した。

「よし、ナイスだ猫まる! さらに追撃してやるぜ!」

 俺は魔力を集中させる。

「炎の槍よ、敵を貫け《フレイムランス》」

 炎の槍を放つ。
 すると、今度は魔法障壁が展開されて防がれてしまった。

「ちっ! サメの癖に魔法を使えるのか? やるじゃねえか。なら……」

「にゃん!」

 猫まるが水面を走り、ビッグ・ジョーの背後を取る。

「くらえ! ネコパンチ!!」

 俺は勢いよく拳を繰り出した。
 凄まじい威力のパンチで、ビッグ・ジョーの巨体が凹む。

『シャァア!?』

「よし、今だ!」

 俺は猫まるから飛び立ち、ビッグ・ジョーに接近していく。

「これで終わりだ! ……むっ!?」

 その時、強烈な殺気が襲い掛かってきた。
 これはまずいと思った時には、すでに遅かった。

「ぐわぁあっ!!」

 俺は下から伸びてきた巨大な水柱に襲われた。

「にゃあ……」

 猫まるが俺をキャッチし、心配そうに声をかけてくれる。

「だ、大丈夫だ。それよりも早く態勢を立て直さないと」

「にゃあ」

 俺たちは急いでビッグ・ジョーから距離をとった。

「くそ……まさか水魔法が使えるとはな」

「にゃにゃ」

 俺と猫まるは、少し離れたところからビッグ・ジョーの様子をうかがう。
 奴は口を大きく開き、水を吸い込んでいる。

「大技を使うつもりのようだな」

「にゃあ……」

「だが、来るとわかっていればどうということはない」

「にゃにゃ」

 どうやら、猫まるも同じことを考えているらしい。

『シャァア!!!』

 ビッグ・ジョーの口から巨大な水流が発生し、こちらに向かってくる。

「にゃあん!」

「いくぞ!」

 俺たちも迎え撃つことにした。

「ネコウォーター!」

『シャー!』

 俺とビッグ・ジョー。
 それぞれの攻撃が衝突する。
 ドォーンッ!
 激しい衝撃音が辺りに鳴り響いた。
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