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第1章

245話 ルーシーの容態-4

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「こいつはガルドだ。いろいろあって女体化しているけどな」

「あ……ああ……」

 ルーシーは怯えた表情を浮かべると、ガタガタと震える。
 そして、涙目になった。

「や……いや……」

 彼女はそう呟くと、両手で自分の顔を覆う。
 そして、小さくしゃくりあげた。

「お……おいっ!?」

 ガルドが困惑しながら言う。
 俺は肩を竦めた。

「やっぱり、駄目みたいだな」

「なっ……!?」

 ガルドが驚愕する。
 彼女は慌ててルーシーに声をかけた。

「そんなに怖がらないでくれよ! 俺は反省してるんだ! なぁ、おい!! お前が許してくれねぇと、俺はお兄ちゃんに――ぐげっ!?」

「大きな声を出すな。ルーシーが怯えているだろ」

 俺はガルドの脇腹に拳を叩き込む。
 彼女は苦しそうな表情を浮かべて、その場に跪いた。

「げほっ……」

「ルーシーが怯えている以上、やはりお前の存在は消し去った方が良さそうだな」

 俺は少しばかり残念に思う。
 クソみたいな弟だったが、これでも家族として多少の情は残っていたのかもしれん。
 それに、ブリケード王国の支配において便利な駒だったし、一戦力としても優秀だった。
 奉仕の技術も向上中。
 決して使い勝手の悪い奴ではなかったのだが……まあ、仕方がないことだ。

「ま、待ってくれぇ! 俺に時間をくれ! この平民娘に、何とか俺の無害さをアピールするからぁっ!!!」

 ガルドが必死の形相で叫ぶ。
 自分の命が懸かっているのだから当然か。
 ルーシーに悪影響を与えない範囲でなら、少しぐらいの猶予を与えてやってもいいが……。
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