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第1章

122話 次の拠点

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「ふむ。次はここか……」

 最初の拠点を潰した際に、俺は男たちから情報を引き出した。
 かなりの末端だったようで、大した情報は持っていなかった。
 しかし他の拠点の情報は聞き出せたので、順番に潰しているところだ。
 アイシャは途中まで付き従っていたが、今は後処理のため別行動中だ。
 ギルドとしてもさほど有益な情報は持っていなかったようだし、いっしょに行動する意味は特にない。

「まぁ、この調子で潰していけば、いつかは元締めに当たるだろう」

 それぞれの拠点でも、また新たな情報は得られる。
 そうして芋づる式に全てを潰せば、いずれはボスにぶち当たるはずだ。

「よし。突入するか。……いや、待てよ?」

 俺は一考する。
 ここまでの拠点は、俺が乱入して潰してきた。
 単身で踏み込んできた俺を数人のチンピラが馬鹿にし、俺がそれをボコボコにするという流れだ。
 それを繰り返すのも悪くはない。
 だが――

「正直なところ、少し飽きてきたんだよなぁ……」

 例えるなら、アリの巣を無理やりこじ開けて乱入し、アリを好き放題に踏み潰しているようなものか。
 つまらないとまでは言わないが、繰り返しているとマンネリ感はどうしても生まれてくる。
 やはり物事には刺激が必要なものだ。

「よしっ! ここは違う方法でやってみよう! ええと、念のため気配を探っておくか……」

 俺は目の前の建物に視線を向ける。
 2階建てだ。
 スラムにある建物にしては、やや大きく頑丈そうだ。

 1階には、チンピラらしき気配が4つほどある。
 これは今までに潰してきた拠点と同じ感じだな。
 1階に受付兼用心棒として末端構成員を何人か配置しておくのが奴らの流儀のようだ。

 2階には気配なし。
 そして地下には、数人のチンピラらしき気配に加えて、弱りきった女の気配もある。

「これはひょっとして、当たりかな?」

 元気な女であれば、女性構成員の可能性もある。
 だが、弱りきった女性なら、奴らが抱える女奴隷の可能性が高い。
 場所も地下だしな。
 面白そうな拠点の潰し方を考えてみよう。
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