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第1章

47話 全裸で特攻

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 俺たちは二手に分かれた。
 リリアとアイシャはアジトの裏口方面へ。
 そして俺とミルカは、正面からアジトへ向かう。

「よし。お前が前を歩け」

「は、はい……」

 俺はミルカにそう命令する。

「くくく。盗賊団の殲滅が無事に終われば、たっぷりと褒美をくれてやる。そう、たっぷりととな」

 竜の加護を与えてやれば、こいつにも利がある。

「ひっ! あ、ありがとうございます……」

 ミルカはそう言って俺の前に出た。
 そして、そのまま歩き出す。
 もちろん、全裸のままだ。

「…………」

 その尻を見ながら、俺は小さく笑う。
 森の中で全裸で歩く彼女の姿は、なかなか哀愁を誘う。
 これはこれで興奮するな。
 そうしてしばらく歩いていくと、開けた場所に出た。

「ん? これは?」

「こ、これがアジトのようです」

 洞窟がある。
 その入口にはガラの悪そうな男が二人。
 盗賊団のメンバーで間違いないだろう。
 俺が先制攻撃でぶち殺してやってもいいが……。

「奴らが盗賊だという確証がほしいな……。よし、ミルカ。あそこまで歩いていけ」

「……え?」

「いいから行け! もちろん全裸のままでな」

「ひぃ! わ、わかりました……」

 ミルカがよろめきながら、ゆっくりと進んでいく。
 しばらく進んだところで、男二人がミルカに気づく。

「なんだ、ありゃ?」

「おい、どうしたんだあいつ。裸じゃねえか」

 森の中にあるアジトに近づいてくる全裸の少女。
 不審なんてものじゃないはずだが……。

「げへへ。お嬢ちゃん、そんな格好でどうしたんだ?」

「魔物に襲われた冒険者ってところか? 俺たちが助けてやんぜ?」

 そう言いつつ、男たちはミルカに近づいていく。

「あ、ありがとうございます。助かります……」

 ミルカがそう答える。
 無難な受け答えだ。
 だが、ここまでのやり取りでは、男二人が盗賊だという確証が持てない。

「げへへ。もちろん、対価は払ってもらうぜ!」

 男が下卑た笑いを浮かべる。

「た、対価ですか? いったい何を……?」

「そんなの、決まっているだろうがよぉ! 全裸を見せつけやがって! こうしてやらぁ!」

 男がミルカを地面に押し倒した。

「あ、ああっ! お許しを、お許しを!! だれか助けてぇ!」

「へへっ! こんな森の奥じゃ、助けなんて来るわけがねえだろうが!!」

「俺たち二人でたっぷりと可愛がってやるぜ! その後は、他の奴らにも味あわせてやるか! 共用の肉便器にしてやろう!」

「そ、それだけはやめてください~!」

 ミルカが悲鳴を上げる。

「ふむ」

 俺はその様子を見て、ニヤリと笑った。
 作戦通りだ。
 あの男たちが盗賊だということは、半ば確定した。
 だが、面白いのでもう少し眺めることにするか。
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