6 / 32
5.初めての婚約者との夕食
しおりを挟む
庭を案内した後夕食の時間まで別れた
少し思い悩んでいるように見えた為1人にしていた方が良いと思ったのである
(そう簡単に心を開いてくれるとは思ってなかったけど…思ったより私の事ちゃんと婚約者として扱ってくれてるみたいだし案外家族になるのも時間かからないかも)
「イヴァ様嬉しそうですね!」
「ええそうね私に彼のような素敵な婚約者ができるなんて思ってなかったから
その…経緯はどうあれ、ね」
「そ、そうですね」
こんな経緯で婚約なんてそうそういない…いや創作の中ならいくらでもありそうだ
夕食の時間の為に改めて身支度する
「折角ですから赤い髪飾りにしましょうか?」「えっ…今回はやめておくわ流石にあからさま過ぎるでしょ」
婚約者の目の色のものを身に着ける事は割とよくある事だ
ただ私と彼の場合は特殊だからそう簡単に身に着けていいのか分からない
「ヒューゴ様は間違いなくイヴァ様に好意的ですよ!絶対喜んでもらえますって!」「そっそもそも今回はただ夕食を共にするだけなんだから!そういうのは社交界とかパーティーとかで…」
赤い髪飾りを着けようとするミラを何とか丸め込み食堂へ向かう
「あっ申し訳ありませんお待たせしまして」「いや俺はお2人に呼ばれて早く来ただけだ」食堂に入ると両親とヒューゴ様がもう席に着いていた
「呼ばれて…」「どうしても彼と話してみたくってな」「思っていたよりずっと良い人で安心したわ」
両親は優しげに笑い合っている
ヒューゴ様も穏やかな表情をしていた
どうやら別に何か嫌な事を聞いた訳ではなさそうである
(まぁお父様とお母様だからそんな事言うとは思わないけど…仲良くやれそうで本当に良かった)
席に着き夕食が始まった
ヒューゴ様が1口食べた瞬間
「っ…美味い」そう言って目を輝かせる
「野菜はほとんど我が領地で取れた新鮮な物なんですよ…お口に合ったようで良かったです」
幼い子供のような反応に微笑ましくなった
初めての婚約者との夕食は思った以上に和やかに進み最後のデザートが出てくる
「ブルーベリーのケーキです」
「この領地の特産品の?」
「ええ!そうです!」
このブルーベリーは我が領地の特産品である品種だ
ヒューゴ様は何故か身構えながらケーキを1口食べる
「…あぁ!そうだこの味だ美味い」
感極まったような声を出した
「ヒューゴ様そんなにブルーベリーがお好きだったんですね」
「そこまで美味しそうに食べてもらえるとコック達も喜ぶわ」
私とお母様がそう言ったらお父様が少し考え込み言う
「ヒューゴ様、もしや家のブルーベリーに特別な思い入れでも?」
「…亡くなった母が用意してくれたスイーツがいつもこの品種のブルーベリーを使っていて」
「まぁ…そうだったのですか」
ヒューゴ様のお母様が亡くなられているのは知っていたがその思い出が家のブルーベリーだったとは
「母…ソフィア様の事ね」
「っ!?母をご存知なのですか!?」
お母様の言葉にヒューゴ様は驚きの声を上げた
「ええ、よく知っていますわ彼女は有名でしたから」
お母様の表情が曇る
「ソフィア様はとても聡明な方でしたそれと同時に自分が思った事をはっきりとおっしゃる方で」
「母上は強い人でしたから物理的な意味ではない部分が」
亡くなったお母様を思い出しているのか俯くヒューゴ様
少し思い悩んでいるように見えた為1人にしていた方が良いと思ったのである
(そう簡単に心を開いてくれるとは思ってなかったけど…思ったより私の事ちゃんと婚約者として扱ってくれてるみたいだし案外家族になるのも時間かからないかも)
「イヴァ様嬉しそうですね!」
「ええそうね私に彼のような素敵な婚約者ができるなんて思ってなかったから
その…経緯はどうあれ、ね」
「そ、そうですね」
こんな経緯で婚約なんてそうそういない…いや創作の中ならいくらでもありそうだ
夕食の時間の為に改めて身支度する
「折角ですから赤い髪飾りにしましょうか?」「えっ…今回はやめておくわ流石にあからさま過ぎるでしょ」
婚約者の目の色のものを身に着ける事は割とよくある事だ
ただ私と彼の場合は特殊だからそう簡単に身に着けていいのか分からない
「ヒューゴ様は間違いなくイヴァ様に好意的ですよ!絶対喜んでもらえますって!」「そっそもそも今回はただ夕食を共にするだけなんだから!そういうのは社交界とかパーティーとかで…」
赤い髪飾りを着けようとするミラを何とか丸め込み食堂へ向かう
「あっ申し訳ありませんお待たせしまして」「いや俺はお2人に呼ばれて早く来ただけだ」食堂に入ると両親とヒューゴ様がもう席に着いていた
「呼ばれて…」「どうしても彼と話してみたくってな」「思っていたよりずっと良い人で安心したわ」
両親は優しげに笑い合っている
ヒューゴ様も穏やかな表情をしていた
どうやら別に何か嫌な事を聞いた訳ではなさそうである
(まぁお父様とお母様だからそんな事言うとは思わないけど…仲良くやれそうで本当に良かった)
席に着き夕食が始まった
ヒューゴ様が1口食べた瞬間
「っ…美味い」そう言って目を輝かせる
「野菜はほとんど我が領地で取れた新鮮な物なんですよ…お口に合ったようで良かったです」
幼い子供のような反応に微笑ましくなった
初めての婚約者との夕食は思った以上に和やかに進み最後のデザートが出てくる
「ブルーベリーのケーキです」
「この領地の特産品の?」
「ええ!そうです!」
このブルーベリーは我が領地の特産品である品種だ
ヒューゴ様は何故か身構えながらケーキを1口食べる
「…あぁ!そうだこの味だ美味い」
感極まったような声を出した
「ヒューゴ様そんなにブルーベリーがお好きだったんですね」
「そこまで美味しそうに食べてもらえるとコック達も喜ぶわ」
私とお母様がそう言ったらお父様が少し考え込み言う
「ヒューゴ様、もしや家のブルーベリーに特別な思い入れでも?」
「…亡くなった母が用意してくれたスイーツがいつもこの品種のブルーベリーを使っていて」
「まぁ…そうだったのですか」
ヒューゴ様のお母様が亡くなられているのは知っていたがその思い出が家のブルーベリーだったとは
「母…ソフィア様の事ね」
「っ!?母をご存知なのですか!?」
お母様の言葉にヒューゴ様は驚きの声を上げた
「ええ、よく知っていますわ彼女は有名でしたから」
お母様の表情が曇る
「ソフィア様はとても聡明な方でしたそれと同時に自分が思った事をはっきりとおっしゃる方で」
「母上は強い人でしたから物理的な意味ではない部分が」
亡くなったお母様を思い出しているのか俯くヒューゴ様
67
お気に入りに追加
260
あなたにおすすめの小説
もう一度7歳からやりなおし!王太子妃にはなりません
片桐葵
恋愛
いわゆる悪役令嬢・セシルは19歳で死亡した。
皇太子のユリウス殿下の婚約者で高慢で尊大に振る舞い、義理の妹アリシアとユリウスの恋愛に嫉妬し最終的に殺害しようとした罪で断罪され、修道院送りとなった末の死亡だった。しかし死んだ後に女神が現れ7歳からやり直せるようにしてくれた。
もう一度7歳から人生をやり直せる事になったセシル。
その婚約破棄本当に大丈夫ですか?後で頼ってこられても知りませんよ~~~第三者から見たとある国では~~~
りりん
恋愛
近年いくつかの国で王族を含む高位貴族達による婚約破棄劇が横行していた。後にその国々は廃れ衰退していったが、婚約破棄劇は止まらない。これはとある国の現状を、第三者達からの目線で目撃された物語
子供の言い分 大人の領分
ひおむし
恋愛
第二王子は、苛立っていた。身分を超えて絆を結んだ、元平民の子爵令嬢を苛む悪辣な婚約者に。気持ちを同じくする宰相子息、騎士団長子息は、ともに正義の鉄槌をくださんと立ち上がろうーーーとしたら、何故か即効で生徒指導室に放り込まれた。
「はーい、全員揃ってるかなー」
王道婚約破棄VSダウナー系教師。
いつも学園モノの婚約破棄見るたびに『いや教師何やってんの、学校なのに』と思っていた作者の鬱憤をつめた作品です。
悪妃の愛娘
りーさん
恋愛
私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。
その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。
そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!
いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!
こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。
あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!
余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?
日々埋没。
恋愛
昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。
しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。
そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。
彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?
妹と婚約者を交換したので、私は屋敷を出ていきます。後のこと? 知りません!
夢草 蝶
恋愛
伯爵令嬢・ジゼルは婚約者であるロウと共に伯爵家を守っていく筈だった。
しかし、周囲から溺愛されている妹・リーファの一言で婚約者を交換することに。
翌日、ジゼルは新たな婚約者・オウルの屋敷へ引っ越すことに。
みんながまるくおさまった
しゃーりん
恋愛
カレンは侯爵家の次女でもうすぐ婚約が結ばれるはずだった。
婚約者となるネイドを姉ナタリーに会わせなければ。
姉は侯爵家の跡継ぎで婚約者のアーサーもいる。
それなのに、姉はネイドに一目惚れをしてしまった。そしてネイドも。
もう好きにして。投げやりな気持ちで父が正しい判断をしてくれるのを期待した。
カレン、ナタリー、アーサー、ネイドがみんな満足する結果となったお話です。
妹がいるからお前は用済みだ、と婚約破棄されたので、婚約の見直しをさせていただきます。
あお
恋愛
「やっと来たか、リリア。お前との婚約は破棄する。エリーゼがいれば、お前などいらない」
セシル・ベイリー侯爵令息は、リリアの家に居候しているエリーゼを片手に抱きながらそう告げた。
え? その子、うちの子じゃないけど大丈夫?
いや。私が心配する事じゃないけど。
多分、ご愁傷様なことになるけど、頑張ってね。
伯爵令嬢のリリアはそんな風には思わなかったが、オーガス家に利はないとして婚約を破棄する事にした。
リリアに新しい恋は訪れるのか?!
※内容とテイストが違います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる