君との思い出を胸に

ゆき

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思い出を胸に

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 僕は紅葉が綺麗な時期に君をおいて空に帰った。少し早く君をおいて行ってしまった。後悔してる。けど、僕は君との思い出を大切にしているよ。
 僕と君が出会ったのは、紅葉が綺麗な時期だった。僕は近くの公園で読者をしていた。いきなり、目の前で紙袋を持った女の人が転けた。急いでその人の所に行った。
紙袋から多くの本が雪崩のように出てきていた。女の人は立ち上がって本を拾っていた。それを僕も手伝った。その時、手が当たって思わず手を引いた。
「すみません。」
と謝り顔を見ると女の人は顔を赤くして
「こちらこそすみません。」
と謝った。
それが僕と君の出会いだった。
 それからまた君に出会った。君は僕を見かけると近くに来た。
「この前はありがとうございました。」
君はお礼を言った。
「どうも。」 
僕はどう返事をしたらいいか分からず簡単な返事を返した。
「あの、本を読まれるのですか?」
君は僕の本を指さしながら言った。
「はい、休みの日は大体ここに来て本を読んでます。」
そう答えると
「あの嫌じゃなかったらまたここに来てもいいですか?」
君は尋ねてきた。
「いいですよ。」
僕が言うと君は嬉しそうな顔をして
「じゃあまた来ます!ではまた!」
そう言って君は帰っていった。
 次の休み
僕がいつもの場所に行くと君は座って本を読んでいた。君は僕に気づくと
「こんにちは。」
とだけ言ってまた本を読み始めた。僕は君の横に座って本を読み始めた。そして、時間が来たら帰るということを繰り返していくうちに僕は君のことが好きになっていた。
 ある日、僕は花束と指輪を持って行った。いつもの場所に君は座って本を読んでいた。
「あの。」
僕は君に声をかけて花束と指輪を君の目の前に持って行き
「君のことが大好きです。僕が君を幸せにします。だから、僕と結婚してください。」
僕が言うと君は花束と指輪を受け取りながら
「お願いします。」
と言った。これが僕と君が結ばれた時だった。それから、結婚してからもいつもの場所で二人で本を読んで、笑って過ごした。
 けど、僕は君をおいて空に帰ってしまった。空から君の姿を見たときに君はいつもの場所で一人泣いていた。僕はとても後悔をした。
「君をおいて空に帰ってごめん。」
と思った。
「これまでありがとう。僕の分まで生きて。」
君に届かないと分かっていても言った。
君は何かを探すかのように周りを見渡した。そして、
「こちらこそありがとう。あなたとの思い出を大切にするよ。」
君はそう言って帰って行った。
よかった。君はもう大丈夫みたいだね。僕は君との思い出を胸に、君を待ってるからゆっくり来てね。
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