骸骨

双華 シンジ

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骸骨

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 気付かない内に痩せていた、まるで骸骨お化けの様だ。姿見に写る上半裸の自分を見て驚いた、僕は何故だか虚しくなり、自分の身体を手で触れてみた。冷たい肌を冷たい手が触る、温もりなど無く、虚しさも消えなかった。今からお風呂に入ろうと思い服を脱ぐ中途でタオルを忘れたことに気付き部屋に戻った。そのせいで僕は骸骨になった、気付きたくなかった。こんな自分に、こんな不正解の様な正解に。僕は泣いた、泣き崩れた。そしてタオルを取ってお風呂に入った。
 お風呂は温かい。これが温もり、これが僕に無いもの。シャワーを浴びるだけでも僕にとっては大切な瞬間で、真実が紛れる瞬間だ。ぼくのいえの僕の家のお風呂に鏡は無い。それが本当に救いだった。僕はお風呂から上がると歯磨きをして就寝準備をした。ベッドに入って目を瞑る、お風呂とは違う温もりに僕はまた嬉しくなって、ついつい眠れなくなってしまう。それでも僕は目を瞑って、気が付けば僕は眠っていた。僕は鼻のむず痒さをこらえて、近くで聞こえるパチパチという音に少しの癒しを感じて、いつもなら寒いはずの夜を温もりに包まれて過ごした。ああ、いつまでもこうしていたい。
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