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義弟は怒ってるようです
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「・・・えぇと、何で居るの?」
「はぁ?何で?」
生徒大半が帰宅して静まり返った頃、乱暴に保健室のドアが開かれてそこに突っ立ってる人物を確認した途端、最初に出た言葉はそれだった。その人物、ユーリは私の言葉を聞くと眉を吊り上げて怒りを露わにしていた。
「いつも早く来いとか言ってる奴は何処のどいつだよ。」
嗚呼、そうだった。ディーリアは毎日の様にユーリを呼んで荷物持ちさせてたんだった。でも今日はそんな事させない。いつもの様に私のバッグを持とうとしてるユーリの手を掴んで止めた。
「っ、なに。」
「あっ、ごめんなさい・・・。今日は持たなくて良いわ。」
私が手に触れた瞬間、ユーリの身体が震えた気がした。
もしかして、殴られると思った?
「あぁ、そう。だったら早く行くよ。」
そう、素っ気なく返すユーリだけどさっきから私が触れた部分を気にする様に擦っていた。その理由を私は知っている。
ユーリは真夏でも長袖を着ている。絶対に肌を見せようとはしない。だって、ユーリの手首にはくっきりと跡があるから。それはユーリがメイデン公爵家に来て間もない頃にディーリアに付けられたもの。奴隷の証らしい。それを付けられてからはディーリアに従うしかなかった。従わなければお前の大切な者を全てお前から奪うと脅されていたから。気味の悪いマークを付けられて今まで醜い自分が大嫌いだったユーリだけどエミリに出会ってそれもまた自分の個性だと思えるくらい成長を遂げるのだ。
つまり、彼を助けられるのはヒロインである彼女だけだ。悪役令嬢であり、直接トラウマを与えた私じゃ無理だろう。だからお願い、エミリ。
一刻も早く、彼を助けてあげて。
*****
「ディーリア!!」
家のドアを開けた途端、光り輝く金髪が目に写り込んだ。私のお母様だ。お母様は私を見た瞬間、目にも留まらぬ速さで私に抱き着いてきた。
「貴女、階段から落ちたらしいじゃない。もう大丈夫なの?」
一体、何処から聞き付けたのだろう。思い当たる節はひとつしかないけど。
私の脳内には爽やかな笑みを浮かべたまま今回の事の発端を詳しくお母様に話す婚約者の姿が写った。
「・・・どうして、見てくれなかったの?」
お母様から発せられたさっきとは打って変わる低い声。それをもろに受けたユーリが息を呑むのが分かった。
「ディーリアを死ぬまで守る事・・・。それが無能な貴方に出来る唯一の事なのよ!?」
「っ、ごめんなさっ・・・。」
ユーリは目に涙を溜め、必死にお母様に謝っていた。
ユーリは悪くないのに。だってあの場には、ユーリの姿はなかったのだから。全ては私の不注意で起きたことなのに。
・・・・・思い出した。ゲームでも同じ様な事が起きた事がある。学園で女子生徒を不注意で怪我させて、学園中から責められて。心に深い傷を負ったユーリは暴走するのだ。あの時はエミリが居たから何とかなったけど、今彼を助けてくれる者は誰も居ない。このままほっとけば彼は暴走して、この家を去らなくてはならなくなるだろう。
「お母様、ユーリは悪くないの。全部、私が悪いの。」
「ふふっ、ディーリアは私に似てとても優しいわね。こんな無能を庇うだなんて。」
お母様には私がユーリを庇ってる様に見えたのだろう。私は本当の事を言ってるだけなのに。
もっと早く私が行動に移していればどうにかなったのかな?
ついに私が恐れていた事が起きてしまった。
ユーリが喘息を起こして倒れたのだ。
*****
ユーリが倒れて早三日が経った。
私はユーリが倒れた日からずっとユーリが目を覚ますのを待ち望んでいた。
そして今日、私の部屋を訪れてきたメイドにユーリが目を覚ましたと言うのを聞いた。
「ねぇ、リン。私をユーリに会わせて欲しいの。」
ユーリの部屋の前に佇む私専属メイドのリンにユーリに会わせて欲しいと頼んだ。けれどリンは首を振って受け入れてはくれなかった。
「なりません。ユーリ様のお部屋にお嬢様を通してはならないと奥様に言われましたので。」
「あ、貴女の主はこの私よっ!?」
「・・・奥様に言われましたので。」
無表情でNOしか言わないリンに半分苛つきながらもどうにかして部屋に入れないかと頭を働かせて考える。『お願い、リン♡』だなんて上目遣いで頼んだらすごく引いていたし、『あっ!空飛ぶ猫!』と、咄嗟に叫んだら『巫山戯てるんですか?』と言われた。
少しくらい隙を見せてくれたって良いじゃない。
「はぁ、今までユーリ様の事などどうでも良かったと言うのにどうしたのですか?急に。」
「・・・別に。今までの事を謝りたいのと、そろそろ自由にさせてあげようかなって。」
「?・・・よく、分かりませんが。」
謝っても許して貰えないかもしれないけど今までの事をちゃんと謝りたい。謝ったうえで彼をこの呪縛から解き放ってあげたい。
「・・・奥様には内緒ですよ?」
「っ、リ~ンっ!!」
リンは人差し指を口元に持っていき、ユーリの部屋のドアをゆっくりと開けた。ドアを開けた時、『誰?』と弱々しいユーリの声が聞こえた。その声が凄く辛そうで胸の奥がギュッと締まった。中に足を踏み入れると、パジャマ姿のユーリが大きな瞳を瞬きさせながらこちらを見つめていた。
なんだ、結構元気そうじゃない。
この前より断然元気そうで安心した私はホッと息を吐いた。だけどユーリは部屋に入って来た人物が私だと知った瞬間、明るい表情から一変、悲痛な表情を浮かべた。
「な、なんでアンタが居るんだよ。」
「・・・ユーリと話したくて。」
そう言うとユーリはそっぽを向いた。まるで、『お前と話すことなんかない』と言われてるみたいだ。だけど私はお構い無しに口を開く。
「ユーリ、私今まで貴方に甘えてたみたい。ごめんなさい、倒れるくらいストレスを抱えてたなんて知らなくて・・・。こんな事になるのならもっと早く実行に移せば良かった。・・・ユーリ、貴方を自由にさせてあげる。勿論、奴隷も解雇する。今まで奴隷扱いしてきた事を許して?だって、学力も魔力も高い貴方が此処に居る理由なんてないものね。」
これで貴方と私は赤の他人よ。もう関わることもないし、面倒事に巻き込まれる心配もないわ。エミリやエスティル様達とこれからも幸せに暮らしてね?
・・・悪役、ディーリア・メイデンの居ない世界で。
それなのに、どうしてそんな顔してるの?嗚呼、もしかして手首の紋章が気になるのかしら。やったことないけど消せるか試して見ようかな。ずっと残っていたらそれを見る度に私の事を思い出して良い気しないものね。
でもユーリの手首に触れたらまた嫌な思いさせちゃうかな。
どうして良いのか分からずに私の手はユーリの身体周辺を彷徨っていた。
しかし次の瞬間、手首に温もりを感じて何事かと自身の手を確認した。
「・・・ユーリ?」
なんと、ユーリの方から私の手に触れてきたのだ。
「・・・・・。」
「ど、どうしたの?」
ユーリは私の手首を握り締めたまま、無言で俯いていた。
本当にどうしたのか。私はまた、無意識にユーリを傷付けたのだろうか。ユーリが黙ってる分、私の不安は募る一方だ。
「・・・僕はもう、用済みって事?」
「え、」
ユーリが言った言葉は予想だにしていなかった事だった。
「あんなにずっと側に居させておいて、自分が必要なくなったらすぐに捨てるんだ。」
「ちがっ!」
「・・・何が違うんだよ。結局アンタは使えるものなら何だって良いんだろ?」
「わ、私はユーリの為を思って!」
「・・・僕の?僕の幸せってなに?」
「そ、れは・・・。」
すぐに答えられなかった。普通に言えば良かったのに。両親が優しい普通の家で過ごして、友達や好きな人と毎日楽しい日々を生きる事って。それが誰にとっても幸せな事でしょ?勿論、ユーリにとっても・・・・・。
ちらりとユーリを見るとベットの上で悲しそうにこちらを見上げていた。
久々に真っ直ぐ見てくれたかもしれない。だけど、どうせ見てくれるなら笑顔が良かったな。
・・・嗚呼、私はまた未来を変えられなかったんだとユーリの顔が物語っていた。前世の記憶を思い出してもまた、誰かを傷付ける事しか出来ない。
それが、悪役令嬢の宿命なんだ。
何も答えない私に痺れを切らしたのか、ユーリは自傷気味に笑った後、部屋を出て行ってしまった。
「お嬢様、ユーリ様がお外にっ、」
どうやらユーリは本当にこの家を出て行ってしまったようだ。
これで、良かったんだよね?
・・・良かった筈なのにどうしてもやもやするんだろう。
結局ユーリはこの日、最後まで家に戻って来ることはなかった。
「はぁ?何で?」
生徒大半が帰宅して静まり返った頃、乱暴に保健室のドアが開かれてそこに突っ立ってる人物を確認した途端、最初に出た言葉はそれだった。その人物、ユーリは私の言葉を聞くと眉を吊り上げて怒りを露わにしていた。
「いつも早く来いとか言ってる奴は何処のどいつだよ。」
嗚呼、そうだった。ディーリアは毎日の様にユーリを呼んで荷物持ちさせてたんだった。でも今日はそんな事させない。いつもの様に私のバッグを持とうとしてるユーリの手を掴んで止めた。
「っ、なに。」
「あっ、ごめんなさい・・・。今日は持たなくて良いわ。」
私が手に触れた瞬間、ユーリの身体が震えた気がした。
もしかして、殴られると思った?
「あぁ、そう。だったら早く行くよ。」
そう、素っ気なく返すユーリだけどさっきから私が触れた部分を気にする様に擦っていた。その理由を私は知っている。
ユーリは真夏でも長袖を着ている。絶対に肌を見せようとはしない。だって、ユーリの手首にはくっきりと跡があるから。それはユーリがメイデン公爵家に来て間もない頃にディーリアに付けられたもの。奴隷の証らしい。それを付けられてからはディーリアに従うしかなかった。従わなければお前の大切な者を全てお前から奪うと脅されていたから。気味の悪いマークを付けられて今まで醜い自分が大嫌いだったユーリだけどエミリに出会ってそれもまた自分の個性だと思えるくらい成長を遂げるのだ。
つまり、彼を助けられるのはヒロインである彼女だけだ。悪役令嬢であり、直接トラウマを与えた私じゃ無理だろう。だからお願い、エミリ。
一刻も早く、彼を助けてあげて。
*****
「ディーリア!!」
家のドアを開けた途端、光り輝く金髪が目に写り込んだ。私のお母様だ。お母様は私を見た瞬間、目にも留まらぬ速さで私に抱き着いてきた。
「貴女、階段から落ちたらしいじゃない。もう大丈夫なの?」
一体、何処から聞き付けたのだろう。思い当たる節はひとつしかないけど。
私の脳内には爽やかな笑みを浮かべたまま今回の事の発端を詳しくお母様に話す婚約者の姿が写った。
「・・・どうして、見てくれなかったの?」
お母様から発せられたさっきとは打って変わる低い声。それをもろに受けたユーリが息を呑むのが分かった。
「ディーリアを死ぬまで守る事・・・。それが無能な貴方に出来る唯一の事なのよ!?」
「っ、ごめんなさっ・・・。」
ユーリは目に涙を溜め、必死にお母様に謝っていた。
ユーリは悪くないのに。だってあの場には、ユーリの姿はなかったのだから。全ては私の不注意で起きたことなのに。
・・・・・思い出した。ゲームでも同じ様な事が起きた事がある。学園で女子生徒を不注意で怪我させて、学園中から責められて。心に深い傷を負ったユーリは暴走するのだ。あの時はエミリが居たから何とかなったけど、今彼を助けてくれる者は誰も居ない。このままほっとけば彼は暴走して、この家を去らなくてはならなくなるだろう。
「お母様、ユーリは悪くないの。全部、私が悪いの。」
「ふふっ、ディーリアは私に似てとても優しいわね。こんな無能を庇うだなんて。」
お母様には私がユーリを庇ってる様に見えたのだろう。私は本当の事を言ってるだけなのに。
もっと早く私が行動に移していればどうにかなったのかな?
ついに私が恐れていた事が起きてしまった。
ユーリが喘息を起こして倒れたのだ。
*****
ユーリが倒れて早三日が経った。
私はユーリが倒れた日からずっとユーリが目を覚ますのを待ち望んでいた。
そして今日、私の部屋を訪れてきたメイドにユーリが目を覚ましたと言うのを聞いた。
「ねぇ、リン。私をユーリに会わせて欲しいの。」
ユーリの部屋の前に佇む私専属メイドのリンにユーリに会わせて欲しいと頼んだ。けれどリンは首を振って受け入れてはくれなかった。
「なりません。ユーリ様のお部屋にお嬢様を通してはならないと奥様に言われましたので。」
「あ、貴女の主はこの私よっ!?」
「・・・奥様に言われましたので。」
無表情でNOしか言わないリンに半分苛つきながらもどうにかして部屋に入れないかと頭を働かせて考える。『お願い、リン♡』だなんて上目遣いで頼んだらすごく引いていたし、『あっ!空飛ぶ猫!』と、咄嗟に叫んだら『巫山戯てるんですか?』と言われた。
少しくらい隙を見せてくれたって良いじゃない。
「はぁ、今までユーリ様の事などどうでも良かったと言うのにどうしたのですか?急に。」
「・・・別に。今までの事を謝りたいのと、そろそろ自由にさせてあげようかなって。」
「?・・・よく、分かりませんが。」
謝っても許して貰えないかもしれないけど今までの事をちゃんと謝りたい。謝ったうえで彼をこの呪縛から解き放ってあげたい。
「・・・奥様には内緒ですよ?」
「っ、リ~ンっ!!」
リンは人差し指を口元に持っていき、ユーリの部屋のドアをゆっくりと開けた。ドアを開けた時、『誰?』と弱々しいユーリの声が聞こえた。その声が凄く辛そうで胸の奥がギュッと締まった。中に足を踏み入れると、パジャマ姿のユーリが大きな瞳を瞬きさせながらこちらを見つめていた。
なんだ、結構元気そうじゃない。
この前より断然元気そうで安心した私はホッと息を吐いた。だけどユーリは部屋に入って来た人物が私だと知った瞬間、明るい表情から一変、悲痛な表情を浮かべた。
「な、なんでアンタが居るんだよ。」
「・・・ユーリと話したくて。」
そう言うとユーリはそっぽを向いた。まるで、『お前と話すことなんかない』と言われてるみたいだ。だけど私はお構い無しに口を開く。
「ユーリ、私今まで貴方に甘えてたみたい。ごめんなさい、倒れるくらいストレスを抱えてたなんて知らなくて・・・。こんな事になるのならもっと早く実行に移せば良かった。・・・ユーリ、貴方を自由にさせてあげる。勿論、奴隷も解雇する。今まで奴隷扱いしてきた事を許して?だって、学力も魔力も高い貴方が此処に居る理由なんてないものね。」
これで貴方と私は赤の他人よ。もう関わることもないし、面倒事に巻き込まれる心配もないわ。エミリやエスティル様達とこれからも幸せに暮らしてね?
・・・悪役、ディーリア・メイデンの居ない世界で。
それなのに、どうしてそんな顔してるの?嗚呼、もしかして手首の紋章が気になるのかしら。やったことないけど消せるか試して見ようかな。ずっと残っていたらそれを見る度に私の事を思い出して良い気しないものね。
でもユーリの手首に触れたらまた嫌な思いさせちゃうかな。
どうして良いのか分からずに私の手はユーリの身体周辺を彷徨っていた。
しかし次の瞬間、手首に温もりを感じて何事かと自身の手を確認した。
「・・・ユーリ?」
なんと、ユーリの方から私の手に触れてきたのだ。
「・・・・・。」
「ど、どうしたの?」
ユーリは私の手首を握り締めたまま、無言で俯いていた。
本当にどうしたのか。私はまた、無意識にユーリを傷付けたのだろうか。ユーリが黙ってる分、私の不安は募る一方だ。
「・・・僕はもう、用済みって事?」
「え、」
ユーリが言った言葉は予想だにしていなかった事だった。
「あんなにずっと側に居させておいて、自分が必要なくなったらすぐに捨てるんだ。」
「ちがっ!」
「・・・何が違うんだよ。結局アンタは使えるものなら何だって良いんだろ?」
「わ、私はユーリの為を思って!」
「・・・僕の?僕の幸せってなに?」
「そ、れは・・・。」
すぐに答えられなかった。普通に言えば良かったのに。両親が優しい普通の家で過ごして、友達や好きな人と毎日楽しい日々を生きる事って。それが誰にとっても幸せな事でしょ?勿論、ユーリにとっても・・・・・。
ちらりとユーリを見るとベットの上で悲しそうにこちらを見上げていた。
久々に真っ直ぐ見てくれたかもしれない。だけど、どうせ見てくれるなら笑顔が良かったな。
・・・嗚呼、私はまた未来を変えられなかったんだとユーリの顔が物語っていた。前世の記憶を思い出してもまた、誰かを傷付ける事しか出来ない。
それが、悪役令嬢の宿命なんだ。
何も答えない私に痺れを切らしたのか、ユーリは自傷気味に笑った後、部屋を出て行ってしまった。
「お嬢様、ユーリ様がお外にっ、」
どうやらユーリは本当にこの家を出て行ってしまったようだ。
これで、良かったんだよね?
・・・良かった筈なのにどうしてもやもやするんだろう。
結局ユーリはこの日、最後まで家に戻って来ることはなかった。
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