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第二部
第十三章 さねかずら伸びる 其の四
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「いかがした?」
盃を置いて、秀忠が気安く尋ねる。
「はい。あっ、あの、選んでおりませぬ。」
静は頭を垂れ、上目遣いに申し訳なさそうに言った。
「なに?」
「どの和歌も素晴らしゅうて、選ぶことできませぬ。」
静は今にも深く平伏しそうに、秀忠に謝った。
静の頭の上で、秀忠の「ククククッ」と言う笑い声がする。静が怪訝そうに顔をあげた。
「まこと、そなたらしいのう。」
秀忠は昨夜の「みなよき人でござりまする」という静を思い出していた。
「申し訳ございませぬ。」
静は神妙に今一度、頭を下げた。
「決めかねておりますと、皆様がそれぞれに好きな和歌を教えてくださいまして、そうするとどれもよいと思えてしまいまして……」
恐縮しながら、静はそう報告した。
「ほう、そのようなことがあったか。大姥もか?」
「はい、旦那さまは、これが身に染むと。」
興味深そうな秀忠の視線を感じながら、静は、パラパラと冊子をめくる。静の手は、中ほどの和泉式部のところで止まった。
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
いまひとたびの あふこともがな
「大姥が?これを?」
秀忠は驚いた。私はそんなに長くはない。せめて、あの世への思い出に愛しい人にもう一度会いたいという和歌を大姥局が選んだとは。
「はい。皆様が賑やかにどなたに会いたいのか推し量ってみましても、微笑んでいらっしゃるだけで。」
静は、かしましい侍女たちの様子と、乙女のように微笑む大姥局を思い出してにこにこしていた。
しかし秀忠の眉間には、かすかに皺が寄っていた。先ほど元気な姿を見、まだまだ達者だと思っていただけに不安がよぎる。
「大姥はどこぞ具合でも悪いのか?」
「はっ? あっ、いえ、お健やかにお見受けいたしまする。」
唐突な秀忠の問いに、静は一瞬戸惑ったが、和歌の意味を思い出し、秀忠の心情を思いやった。
「そうか。ならよい。大姥を助けてやってくれ。そなたが来てずいぶん楽になったと申しておった。」
安堵した秀忠は、ゆっくり盃を傾けると静に思わず声をかけた。
「もったいないお言葉。旦那さまにはこれまで以上に十分お仕えいたしてまいりまする。」
静は、和歌を通してまで大姥局を思いやる秀忠の気持ちに胸がつまった。
「うむ。頼むぞ。」
「はい。」
秀忠の念押しに、静は微笑んで顔を引き締めた。
「和歌の話であったの。そなたは『詠んだ人の気持ちが解らぬ』と申しておったな。」
秀忠は自分の冊子をパラパラと繰る。
「はい。お由良さまに詠まれていることをかみ砕いて教えていただくのですが、なかなか……」
静が己の至らなさを恥じるように言い、うつむき加減のまま盃に酒をついだ。
「それでよいのじゃ。」
盃に手を伸ばし、秀忠は素っ気なく言う。
「よい……のでござりまするか?」
静は、瓶子を置くことも忘れ、不思議そうな顔を秀忠に向けた。
「そうじゃ。詠んだ人の気持ちなど、当人にしか解らぬ。」
なげやりな、身も蓋もない秀忠の言葉であった。
「さように…ござりまするか……」
静は楽しみにしていただけに、そのような甲斐もない言葉を秀忠から聞くとは思ってもみなかった。
静の元気のない返事に気づいているかいないのか、秀忠はそのまま話続けた。
「この和歌は覚えておろう、『ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ』」
「はい。一番に覚えた和歌にござります」
静の顔が、一気にほころぶ。
「どういう和歌じゃ?」
「『のどかな春の日なのに、なぜ桜はそうも散り急ぐのか』ということかと。」
秀忠の問いに、静ははきはきと答えた。
「うむ。では、何故、紀友則はこのような和歌を詠んだと思う?」
「何故、詠んだ、か。でございまするか?」
「そうじゃ。」
「桜がとても美しゅう咲いているので、吹雪のように散っていくのは、きれいだけど残念と思っていらっしゃるのではないかと。」
一度問いの意味を確認した静は、(同じことではないのかしら?)と少し考え込みながら、今度はゆっくり答えていった。
「まぁ、字面通りに取ればそうであろうな。」
秀忠が、少しニヤッとした。
「違うておりまするか?」
静は、恥ずかしそうに尋ねる。
「いや、違うてはおらぬ。ただ、例えばこの前に好きな女子と別れていたり、大事な人を亡くしているのを桜の花に重ね合わせたとしたら、どうじゃ?」
秀忠の脳裏に、桜の下で大坂へ嫁がせる千姫と遊んでいた、哀しげな江が浮かぶ。
「それは、とても…とても悲しい和歌になりまする。」
静は、目を閉じて『ひさかたの……』と心の中で諳じてみた。今まで感じなかった悲しみが襲ってくる。
「そうであろう? したが、『青空に散っていく桜の花が、あまりにも潔くて美しい。そのように生きたいと詠んだのじゃ。』と言うた人もおった。詠んだ人の思いなぞ当人でないと解らぬ。我らは、和歌に心を沿わせるしかできぬ。」
「心を……でございますか」
「うむ。それが和歌のおもしろさじゃろう。頭で解ろうとするより、自分を映して感じればよい。」
秀忠は微笑んだ。言葉は力強かったが、その微笑みはどこか悲しそうでもあった。
静は、秀忠の様子に気づかず、自分に言い聞かせるように秀忠の言葉を繰り返す。
「自分を、映して……」
「そなたとて、今までに好いた男がおろう?」
盃を静に差し出しながら、秀忠がニヤリと訊いた。静は急な問いに気持ちを隠せず、頬を赤く染めながら、うつ向いて酒をついだ。
瓶子を持つえくぼの浮かんだ手が微かに震えている。
「おるのじゃな。」
静は黙ったまま、瓶子を膳の上に置く。
先ほど悲しみを感じたときに、記憶の扉が開き、静の心の奥深くが揺すぶられていた。
「ならば、恋の歌の気持ちは解ろう。」
秀忠は、斜に構えて盃をグイとあおった。
「……片恋でしたゆえ、そう激しい気持ちは……」
静が瓶子を取り、いつものように微笑む。もう手も震えさせずに静は酒をついだ。
(苦しいことも女子はこうやって笑うのだろうか。)
静の凛とした声に、秀忠は江を思う。
「『憂しと見し世ぞ 今は恋しき』か?」
秀忠は、藤原清輔の下の句を引いて問うた。
「あっ、さようでございます。辛かった昔も今は恋しゅう思われまする。」
静が、ハッとしたように嬉しそうなえくぼを作った。
秀忠のいう「心を沿わせ、自分を映して感じる」というのが、ストンと腑に落ちたのである。
「ありがとうござりまする。」
静は、思わず秀忠に向かって心のこもった美しい礼をした。
「和歌に答えはないからの。大坂城に人質でおるとき、知り会うた公家が言うておった。恋の歌などは、皆に知られてよい意のほかに、二人だけで解るような意を持たせたりするのだと。」
ニンマリと秀忠が笑った。
「掛詞でないのでしょうか。」
「まぁ、似ておるところもあるな」
「掛詞は面白うございます。周防内侍の和歌を教えていただいたときは、心ときめきいたしました。」
「『かひなく』の中に『腕』を隠してある和歌じゃな。」
周防内侍は、こう詠んだ。
春の夜の ゆめばかりなる 手枕に
かひなくたたむ 名こそをしけれ
はかない春の夜の夢のような浮わついた腕枕のために、甲斐もなく浮き名が立つのは残念だという和歌である。
腕枕を意味する「手枕」という言葉があるから、つい見過ごしてしまいそうになるが、「かひなく」の中に「腕」を入れることで、腕枕をしている男性の腕の力強さが伝わってくる。
静は、それを由良から習ったときに、(和歌とはなんと奥が深いのだろう)と思った。
「ふむ。確かにそういう掛詞はすばらしい。が、多くの者がそれに気づくであろう?」
「気づかないものがあるのですか?」
静は遠慮することも忘れ、上様に問う。
「そうじゃな。『普通はそうは取らぬが、よう考えれば、そうともとれる』ように書くらしい。修句や漢字に囚われてはならぬと言うておったな。」
秀忠はニヤニヤしながら、ゆっくりと思い出すように言う。
「そのように謎解きのような和歌が百人一首にもあるのでございますか?」
好奇心を押さえきれないように、静は勢い込んで訊いた。
「ある。」
秀忠はただそれだけ言うと、酒を飲みながらニンマリと口許を緩めた。
静といえば、とうに目の前の人が上様である意識など霞んでいる。
「お教えくださいませ。」
静は秀忠に真摯に頭を下げた。
「ふ~む。」
秀忠は、口を引き締め、なぜか躊躇する。
「お教えくださいませ。」
静は居ずまいを正し、今一度願い出た。
盃を置いて、秀忠が気安く尋ねる。
「はい。あっ、あの、選んでおりませぬ。」
静は頭を垂れ、上目遣いに申し訳なさそうに言った。
「なに?」
「どの和歌も素晴らしゅうて、選ぶことできませぬ。」
静は今にも深く平伏しそうに、秀忠に謝った。
静の頭の上で、秀忠の「ククククッ」と言う笑い声がする。静が怪訝そうに顔をあげた。
「まこと、そなたらしいのう。」
秀忠は昨夜の「みなよき人でござりまする」という静を思い出していた。
「申し訳ございませぬ。」
静は神妙に今一度、頭を下げた。
「決めかねておりますと、皆様がそれぞれに好きな和歌を教えてくださいまして、そうするとどれもよいと思えてしまいまして……」
恐縮しながら、静はそう報告した。
「ほう、そのようなことがあったか。大姥もか?」
「はい、旦那さまは、これが身に染むと。」
興味深そうな秀忠の視線を感じながら、静は、パラパラと冊子をめくる。静の手は、中ほどの和泉式部のところで止まった。
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
いまひとたびの あふこともがな
「大姥が?これを?」
秀忠は驚いた。私はそんなに長くはない。せめて、あの世への思い出に愛しい人にもう一度会いたいという和歌を大姥局が選んだとは。
「はい。皆様が賑やかにどなたに会いたいのか推し量ってみましても、微笑んでいらっしゃるだけで。」
静は、かしましい侍女たちの様子と、乙女のように微笑む大姥局を思い出してにこにこしていた。
しかし秀忠の眉間には、かすかに皺が寄っていた。先ほど元気な姿を見、まだまだ達者だと思っていただけに不安がよぎる。
「大姥はどこぞ具合でも悪いのか?」
「はっ? あっ、いえ、お健やかにお見受けいたしまする。」
唐突な秀忠の問いに、静は一瞬戸惑ったが、和歌の意味を思い出し、秀忠の心情を思いやった。
「そうか。ならよい。大姥を助けてやってくれ。そなたが来てずいぶん楽になったと申しておった。」
安堵した秀忠は、ゆっくり盃を傾けると静に思わず声をかけた。
「もったいないお言葉。旦那さまにはこれまで以上に十分お仕えいたしてまいりまする。」
静は、和歌を通してまで大姥局を思いやる秀忠の気持ちに胸がつまった。
「うむ。頼むぞ。」
「はい。」
秀忠の念押しに、静は微笑んで顔を引き締めた。
「和歌の話であったの。そなたは『詠んだ人の気持ちが解らぬ』と申しておったな。」
秀忠は自分の冊子をパラパラと繰る。
「はい。お由良さまに詠まれていることをかみ砕いて教えていただくのですが、なかなか……」
静が己の至らなさを恥じるように言い、うつむき加減のまま盃に酒をついだ。
「それでよいのじゃ。」
盃に手を伸ばし、秀忠は素っ気なく言う。
「よい……のでござりまするか?」
静は、瓶子を置くことも忘れ、不思議そうな顔を秀忠に向けた。
「そうじゃ。詠んだ人の気持ちなど、当人にしか解らぬ。」
なげやりな、身も蓋もない秀忠の言葉であった。
「さように…ござりまするか……」
静は楽しみにしていただけに、そのような甲斐もない言葉を秀忠から聞くとは思ってもみなかった。
静の元気のない返事に気づいているかいないのか、秀忠はそのまま話続けた。
「この和歌は覚えておろう、『ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ』」
「はい。一番に覚えた和歌にござります」
静の顔が、一気にほころぶ。
「どういう和歌じゃ?」
「『のどかな春の日なのに、なぜ桜はそうも散り急ぐのか』ということかと。」
秀忠の問いに、静ははきはきと答えた。
「うむ。では、何故、紀友則はこのような和歌を詠んだと思う?」
「何故、詠んだ、か。でございまするか?」
「そうじゃ。」
「桜がとても美しゅう咲いているので、吹雪のように散っていくのは、きれいだけど残念と思っていらっしゃるのではないかと。」
一度問いの意味を確認した静は、(同じことではないのかしら?)と少し考え込みながら、今度はゆっくり答えていった。
「まぁ、字面通りに取ればそうであろうな。」
秀忠が、少しニヤッとした。
「違うておりまするか?」
静は、恥ずかしそうに尋ねる。
「いや、違うてはおらぬ。ただ、例えばこの前に好きな女子と別れていたり、大事な人を亡くしているのを桜の花に重ね合わせたとしたら、どうじゃ?」
秀忠の脳裏に、桜の下で大坂へ嫁がせる千姫と遊んでいた、哀しげな江が浮かぶ。
「それは、とても…とても悲しい和歌になりまする。」
静は、目を閉じて『ひさかたの……』と心の中で諳じてみた。今まで感じなかった悲しみが襲ってくる。
「そうであろう? したが、『青空に散っていく桜の花が、あまりにも潔くて美しい。そのように生きたいと詠んだのじゃ。』と言うた人もおった。詠んだ人の思いなぞ当人でないと解らぬ。我らは、和歌に心を沿わせるしかできぬ。」
「心を……でございますか」
「うむ。それが和歌のおもしろさじゃろう。頭で解ろうとするより、自分を映して感じればよい。」
秀忠は微笑んだ。言葉は力強かったが、その微笑みはどこか悲しそうでもあった。
静は、秀忠の様子に気づかず、自分に言い聞かせるように秀忠の言葉を繰り返す。
「自分を、映して……」
「そなたとて、今までに好いた男がおろう?」
盃を静に差し出しながら、秀忠がニヤリと訊いた。静は急な問いに気持ちを隠せず、頬を赤く染めながら、うつ向いて酒をついだ。
瓶子を持つえくぼの浮かんだ手が微かに震えている。
「おるのじゃな。」
静は黙ったまま、瓶子を膳の上に置く。
先ほど悲しみを感じたときに、記憶の扉が開き、静の心の奥深くが揺すぶられていた。
「ならば、恋の歌の気持ちは解ろう。」
秀忠は、斜に構えて盃をグイとあおった。
「……片恋でしたゆえ、そう激しい気持ちは……」
静が瓶子を取り、いつものように微笑む。もう手も震えさせずに静は酒をついだ。
(苦しいことも女子はこうやって笑うのだろうか。)
静の凛とした声に、秀忠は江を思う。
「『憂しと見し世ぞ 今は恋しき』か?」
秀忠は、藤原清輔の下の句を引いて問うた。
「あっ、さようでございます。辛かった昔も今は恋しゅう思われまする。」
静が、ハッとしたように嬉しそうなえくぼを作った。
秀忠のいう「心を沿わせ、自分を映して感じる」というのが、ストンと腑に落ちたのである。
「ありがとうござりまする。」
静は、思わず秀忠に向かって心のこもった美しい礼をした。
「和歌に答えはないからの。大坂城に人質でおるとき、知り会うた公家が言うておった。恋の歌などは、皆に知られてよい意のほかに、二人だけで解るような意を持たせたりするのだと。」
ニンマリと秀忠が笑った。
「掛詞でないのでしょうか。」
「まぁ、似ておるところもあるな」
「掛詞は面白うございます。周防内侍の和歌を教えていただいたときは、心ときめきいたしました。」
「『かひなく』の中に『腕』を隠してある和歌じゃな。」
周防内侍は、こう詠んだ。
春の夜の ゆめばかりなる 手枕に
かひなくたたむ 名こそをしけれ
はかない春の夜の夢のような浮わついた腕枕のために、甲斐もなく浮き名が立つのは残念だという和歌である。
腕枕を意味する「手枕」という言葉があるから、つい見過ごしてしまいそうになるが、「かひなく」の中に「腕」を入れることで、腕枕をしている男性の腕の力強さが伝わってくる。
静は、それを由良から習ったときに、(和歌とはなんと奥が深いのだろう)と思った。
「ふむ。確かにそういう掛詞はすばらしい。が、多くの者がそれに気づくであろう?」
「気づかないものがあるのですか?」
静は遠慮することも忘れ、上様に問う。
「そうじゃな。『普通はそうは取らぬが、よう考えれば、そうともとれる』ように書くらしい。修句や漢字に囚われてはならぬと言うておったな。」
秀忠はニヤニヤしながら、ゆっくりと思い出すように言う。
「そのように謎解きのような和歌が百人一首にもあるのでございますか?」
好奇心を押さえきれないように、静は勢い込んで訊いた。
「ある。」
秀忠はただそれだけ言うと、酒を飲みながらニンマリと口許を緩めた。
静といえば、とうに目の前の人が上様である意識など霞んでいる。
「お教えくださいませ。」
静は秀忠に真摯に頭を下げた。
「ふ~む。」
秀忠は、口を引き締め、なぜか躊躇する。
「お教えくださいませ。」
静は居ずまいを正し、今一度願い出た。
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