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抱いてくれなきゃ嫌なんです!

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小色こいろ、もっと声だして…。」

夜の九時。
甘ったるいアロマの香りが立ちこめる2人だけの空間、2つ年上のイケメン唯川ゆいかわうたは吐息混じりに私の名前を呼ぶ。

詩くんの細くて綺麗な指先が濡れた髪を撫でる

「真面目にやる気、あるの?」

怒りを含んだ詩くんの言葉で、私は思わず我に返る。

そう、これは嬉し恥ずかしえちえちムードなどではない。

「小色がバイトの面接練習したいって言うからわざわざ来たのに、お風呂入ってるし。面接マニュアルは声出して読まないし。」

ねちねちお説教を唱えてる隣の家の幼なじみお兄ちゃん、唯川詩くん。

爽やかイケメンなのに彼女はもう長いことない。

その理由は2つある。

「おい、聞いてんの?こんなんだからいつまで経っても処女なんだよ。」

1つはデリカシーがクソだから。

こーんな可愛い女の子前にしてセクハラ発言するなんてヤリチンめ。

「詩くんみたいにヤリチンじゃないんです。」

「へぇ…?」

詩くんの試すような目が少し恥ずかしくて胸の前で腕を組む。

…胸がなくて寂しくなった。

「小色、本当にまだ処女なんだね。」

トンっ、と並んで座っていたソファに押し倒された。

完璧に油断していた私の両腕は頭の上に持っていかれて、詩くんの左手でまとめられてしまった。

まずいぞ。
ちょっと油断しすぎた。

今日は早く帰るって言ってたから何も無いと思い込んでいた。

詩くんの彼女ができない理由、2つ目は…

「うわ、この胸いつになったら大きくなるの?」

躊躇ない罵倒で興奮する、ドS男子だからだ。

部屋着の上から形を確認するように胸を揉まれて、嫌でも体が反応する。

「先月触ったとき、約束しなかったっけ?」

「っ、なにが…ですか?」

空いている両足で精一杯バタついても、詩くんの足が邪魔をして逃げられない。

チロっと耳を舐められる。

やめてくれ、ビクビクするんだ。

「自分で触って、俺に抱いてもらえるように胸大きくしますって」

こんなことを耳元で囁かれて濡れないビッチはいない。

というか単純に考えたら、エロティック・ビッチな宮古小色わたしにとって、爽やかイケメンに押し倒されるなんて最高のシチュエーションだと思うだろう。

残念…不正解だ。

私が求めてるのは脱処女。

えっちなことは大好きだけど、焦らしプレイだの言葉攻めだののこっぱずかしいのは大嫌いなんだ。

なんなら押し倒されるのより押し倒したいビッチなんだ!!

そして、唯川詩ドS男子は最後までシてくれないのが落ち。

「この黒くてえっちなブラも、もういらないよね。」

店員さんに、このブラを見て抱かない男はいないって言われて買ったのに!!

いとも簡単に、ブラのホックが外される音がした。

「こんなんで、俺に抱いてもらえるとでも思ってるの?」

小さな膨らみにちょこんとついた突起をグリグリと容赦なくこねくり回される。

「んっ…」

ジワっと下が疼く。

詩くんは気づいてるのに触ってくれない。

いつものことだ。

「とんでもないビッチのくせにこんなに可愛い胸で大学生にもなって処女とか、本当にかわいそうな小色。」

っ…。

この鬼畜イケメンめ…言い返したいのに口に力が入らない。

憎しみの意を込めてジッと睨みつけても逆効果だ。

詩くんはまたニヤッと笑う。

「ね、足もじもじしてどうしたの?」

「やっ…」

触って欲しくてたまらないソコは、もうどうしようもなくなっている。

胸を弄っていた指先が太ももを撫で始める。

くすぐったくて、焦れったくって、目から変な涙が止まらない。

「ほら、小色。どうシてほしいか、ちゃんと言って?」

こんな言葉攻めに負けちゃ、イケない。

「っ、嫌ですっ…、抱いてくれないくせに触らないでくださっ、ひゃっ…んんっ…」

否定の言葉なんてまるで無かったかのように、詩くんの綺麗な指がソコに触れる。

濡れているのを確かめるようにして、指を上下に擦るその行為に愛なんてない。

優しさなんてものも勿論、ない。

「あははっ、泣いてるの?可愛いね、小色、可愛いよ。もっと泣けるよね?」

詩くんの楽しそうな声と、私の喘ぎ声で耳が爆発しそうだ。

ずらされたパンツはもう何の意味も為さない。

既にびしょびしょのソコはすんなりと2本の指を咥えこんでしまう。

もう体はどうしようもないくらいに感じて、抵抗を忘れる。

バラバラに動く長い指は、どうしようもなく意地悪で気持ちよくて、大嫌いだ。

「中ギューって締め付けてるよ。抱いて欲しくて仕方ないんだね、くそビッチの小色ちゃん。」

優しく動いていた指が奥をギュッと突く。

イキたくないのに、心臓の音が2倍速になる。

また、耐えられない。

っダメ…!

「はいっ、おしまい。」

イク寸前で、絶望の言葉が聞こえる。

静かに抜かれたキラキラと光った指を、無表情で舐める詩くんに頭がボーッとする。

嘘だ。

もっとシて、やめないでよ。

やめないで欲しいのに、ビクビクしたままの体では何もできない。

これじゃあまた先月と同じだ。

抱いてくれない上にイかせてもくれない。

「ビッチな処女はイケないくらいが丁度いいよね?」

さっさと帰り支度を済ませて、最低な台詞を吐いて詩くんは部屋を後にした。

今日も私は処女だ。
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