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第4章

ナギアの恐ろしさ...

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白羅 side

「さぁ、始めようか。
色々修行してきてと思うから戦うのが楽しみだな~」

ナギアさんは屈伸など準備運動をしながら、いつも通りの笑顔で言ってきた。
...本当にナギアさんのレベルが100になった状態でやるのだろか?
いくらナギアさんが強くても、自分よりレベルの高い相手50人以上を相手にするのは無理があるだろう。

「白羅君、大丈夫だよ。
ナギア君はレベルが低くなっても強いからね。油断してるとすぐにやられちゃうよ?」

「いくら技術力があっても、レベルに大きな差があれば運動能力面で押されてしまいますよ...」

「そう思うのだったら、自分の目で確かめて見ると良いよ。
私はこの試合の審判することになってるから準備は早めにね」

リルリアさんはそう言いながら、ナギアさんと僕達の間に向かった。


「これより、ナギア・ハールトーク 対 勇者達による試合を始めます。
どちらかが全滅するまでか、ルール違反があった場合のみで決着がつきます。
ルールは事前に説明したものと、この結界から出ると反則負けとします。
それでは、始めて下さい!」

リルリアさんの合図で僕達は事前に練習していたことをするため、すぐに走り出した。

「うぉ!?
このくらいのレベルから見るとめっちゃ速いね」

後方から放たれる魔法や弓をナギアさんは素手で捌きながら、僕達のスピードに驚いているようだった。
エンチャントに能力上昇系のバフ、能力を底上げする装備を身に着けている状態なのにも関わらず、ナギアさんはこちらの動きを目で捉えているようだ...スキルとかを使っているのだろうか?...油断はいけないな。

「今だ!」

僕の合図でナギアさんの周りに竜巻を発生させ逃げ場を塞いだ後、砂や岩、火などを竜巻に混ぜていき、SSランクの魔物なら粉々にできるほどの竜巻が出来あが...

「うーん、ちょっと辛いな」

瞬間、ナギアさんの声が聞こえると同時に強力な竜巻は一瞬で四散した。

「レベル下がるとここまでダメージが食らうんだね...
まぁ、あとは身体能力がどこまで動くか確認を...ん?」

「僕達の策は終わってませんよっ!」

ナギアさんがレベル下がったことで、何が変わったのかを確認している隙に僕はナギアさんの後ろに移動し、背中から剣で貫いた。

「...竜巻が四散したタイミングに合わせて[時間停止]能力持つ人と[共有操作]能力を持つ人を使って移動したのかな?
一本取られたね~」

剣で貫いているにも関わらず、元気そうなナギアさんから嫌な予感がしてすぐにその場を離れると、さっきまで僕がいた地面が一瞬で抉られた。

「...ナギアさんの解説は合ってますが、何で効いてないのですか?」

「簡単なことだよ。白羅君が刺したのは空間の隙間であって僕の体じゃない。
やっぱり、3,4歳の時の記憶の方がうまく動けるみたいだから、うまく力を変換しないとね。
...とりあえず、始めに攻めてきた数人には退場してもらおうか」

ナギアさんの手が動いた瞬間を見計らって、後方に合図を送ると僕を含めた前衛の人達の体の周りに光が集まった。
...竹中による[守護神]の能力だ。ナギアさんが攻撃してくるタイミングで絶対的な守護の力を使えば、軽い攻撃なら耐えられるだろうと事前に打ち合わせをしていたのだ。
さらに、秘策としてもう一つ用意してある。

「残念。狙いは違うんだよね...え?何段構えてるの?」

「師匠相手なら、先の先の先を考えないと駄目ですからね...」

[透明化]能力を[複写]でコピーした[共有操作]の下位能力を使って透明化していたドーイさんが、ナギアさんの手を切り落としたが、ナギアさんの魔法が発動していまい、後衛にいたほとんどの人が吹き飛んだ。

ナギアさんは腕を切り落とされた瞬間、ドーイさんの持つ剣を片方の手で握り砕き、そのままドーイさんを地面に叩き付け、地面ごと踏み砕いた。

「痛覚無効がなかったら、大きな隙が出来てたかもね。
ドーイさんも油断してるから反撃を受けるんだよ...ちゃんと警戒してれば避けることができたのにね。
また、修行コース行き決定ね」

動かなくなってしまったドーイさんに、笑顔で地獄のような一言を言うナギアさんの姿は本当に恐ろしかった。

「皆が強くなって余裕持って戦うことが出来ないから、加減が難しいや~
半分くらい減ったけど次は何を見せてくれるのかな?」

ナギアさんは切り落とされた腕を拾い上げ、元の位置に戻し回復魔法で腕をくっつけた。

後衛にいた勇者達はほとんどやられてしまい、残ったのは前衛にいる勇者と後衛にいる勇者の数人、ナギアさんの元クラスメイトとドーイさんの仲間しか残っていなかった。

...リルリアさんの言った通り、ナギアさんはレベルが低くても強かった。
警戒してなかった訳ではないが、後衛の守りに入っていた勇者達を吹き飛ばす程だとは思わなかった。
審判のリルリアさんが何も言わないという事は、あれは威力のない魔法だったという事なのだろう。

僕は皆に合図を送りながら次の行動に移るのだった...





======================
どうも!こんにちは


うーん、勇者達の能力をある程度覚えていないと今日の内容がわかりづらいと思うので簡単に補足します。

共有操作→魔力やスキルの能力、バフ系等の効果をほとんど共有することが出来る能力。
ナギアの持つ共有系スキルの事も出来ますね。

時間停止→時間を少しの間止めることができる。
使用者は時間を止めている最中に行動可能

複写→能力やスキルをコピー出来るが、その能力の劣化しか使えない。

透明化→自身の体や触れているものを透明化可能。気配も消すことが出来る。

でしたね。
(私も少し忘れてましたね...)


気づいている人がいるか分かりませんが、ドーイさんが持っている剣は、ナギアが小さい頃に作って渡した剣...
ということは、ナギア君は自分の作った滅茶苦茶な剣でも壊してしまうという事ですね(^^;


試験や検定、企画書の提出などが今週なので、水木金の3日間の間、更新が出来ないかもしれません。
いつもなら小説優先してましたが、今回は苦手な部分ばかりなので勉強の方を優先します。
(寝なくても大丈夫な体が欲しいですね...
それか、時間が有り余るほど欲しいですw)

よろしくお願い致します。
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