117 / 203
第4章
異世界の王とお姫様
しおりを挟む「お初お目にかかります勇者様。私はナータリャクラ国 第2王女のテルシャ・ナータリャクラです。
突然召喚された事で困惑していらっしゃると思いますが、話を聞いてもらいたいので私についてきてください」
テルシャという王女は俺達を大きな長テーブルがある広い部屋に案内した。
来客用のためか部屋の内装や置いてある壺、花などが高級感を放っていた。
少し待っていてくださいと言われて待っていると、王冠を被り豪華な衣装を着た男とその斜め後ろに怪しい感じの男がやって来た。
更に後から、兵が何人か入ってきて俺達を見張るように部屋の端へ移動した。
「良くぞ参られた!勇者殿!
どうか、この国を脅威から救ってください!」
王冠を被った男は定番なセリフを吐いたところで、クラスメイトの1人が手を上げてから発言した。
「初めまして、私の名前は白羅 勇神と申します。
質問なのですが、私達は具体的に何をすれば良いのですか?
突然召喚された事で家族や友人に何も告づに来てしまったので、元の世界に帰れるのかも教えて下さい」
白羅 勇神...イケメン・成績優秀・スポーツ万能・家柄も良く、困っている人をすぐ助ける完璧人間だ。
ゲームやアニメ系大好きのクラスメイトに「一番勇者っぽい奴は?」と聞けば、必ず白羅の名前が上がるだろう。
余談だが、うちのクラスでオタクに染まっていない生き残りの1人だ。
「貴様!王の許可なく勝手に喋るな!」
白羅が王様に聞くと周りの兵士達の視線が鋭くなって怒鳴りだした。
王様はすぐに兵士達を静めるとこちらに向き直り話し始めた。
「兵士達がすまない。
勇者殿にして頂きたいことは魔王の討伐と各地にいる主の討伐だ。
勇者殿にはこの世界に慣れていただくのと、強くなっていただくためにレベル上げと修行をしてもらいたい。
この話は後ほど詳しく説明させてもらいます。
元の世界に帰るには、魔王城に帰還の術式があるはずです。それを持ち帰って頂ければ帰ることが出来ます」
王の説明に異世界系の小説、ゲーム、アニメ大好きな連中が苦い顔をしだした。
竹中はそんなクラスメイトが、どうして苦い顔をしたのか気になり隣に座っていた双葉に聞いた。
「....なんで、あいつらは苦い顔をしているんだ?」
「え?....竹中君なら異世界小説読んでるから気づいてると思ったんだけどな..」
「読んでたけど、召喚ものはそんなに読んでなかったんだ」
「あー、なるほどね。
まず王様が『魔王城にあるはずです』と予想の言葉なんだよ。
このパターンは魔王を倒しても無い可能性が高いのと、召喚した国が私達の帰還を考えていなかった可能性が高いから、苦い顔をしてたんだと思うよ」
「なるほどな...教えてくれてありがとう」
「いえいえ」
竹中と双葉が話している間に白羅と王様の会話が終わったらしく、第二王女のテルシャさんが目に涙を浮かべながら話し始めた。
「勇者様、どうか私達を魔族の脅威から...強大な魔物から助けてください!
もう頼れるのは勇者様しかいません!」
テルシャさんは、高校2年生の俺達と同じくらいの見た目で水色の髪に可愛らしい顔立ちをしている。
そんな子が涙で潤んだ瞳を浮かべながらお願いしてきたら、クラスメイト達の何人かは落ちるだろう。
実際、俺も落ちかけたが葵を思い出して、何とか踏ん張った。
「お任せ下さい。王女様...私達は出来る限りお役に立ちましょう」
白羅はスイッチが入ったのか、テルシャ王女に膝をつき頭を下げた。
そんな白羅を見たクラスメイトの反応は様々だった。
「さすが!白羅君素敵!」
「勇者の中の勇者してるよな~」
「あれって害悪勇者様になるんじゃね?」
「早くレベル上げしてー」
「イケメンって何でも許されるよな」
王様からの話を聞き終わったあと、俺達は1人1人個室に案内された。
明日の朝、同じ場所に集まるようにと言われて俺はステータスを1度確認した後、眠りにつくのだった。
======================
どうも!こんにちは
とりあえず
王とお姫様に会いましたね。
次回は戦闘面を書ければなと思ってます!
ナギア達はしばらく登場出来ませんが、所々で2人の動きを出せたらなと考えてます。
4
お気に入りに追加
9,441
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる