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第2章
試験官になりました
しおりを挟むSランク昇格試験の試験官をお願いされたナギアは試験官とは何をすればいいか受付嬢に聞くことにした。
「はい、基本的に試合を行って貰います。そして、勝ったり試験官が実力を認めれば合格です」
そこまで厳しいルールはないんだね
「わかりました。Aランク冒険者の方が納得するかわかりませんがね……」
「そうですね..念の為ギルマスも呼びますので大丈夫ですよ」
そういえば、ここのギルマスにはまだ会ってなかったね~どんな人なのだろう?
「あの、私も昇格試験受けたいです!」
「え?..あっそういえばリルリアちゃんもAランクでしたね。参加資格はあるので他の方と一緒に受けてください」
「ありがとうございます!」
おぉ~リアならSランクなんて余裕だね!ここで変な戦い方をするようなら修行が足りないか他のやり方をしなくてはいけないしね。
受付嬢に先に訓練場に行くように指示されリアと一緒に訓練場に向かった。イソーギス国のギルドも地下にあり、学校の生徒も使える様に出来ているのかデアトリーナ国のギルドより倍近く広かった。
しばらく訓練場で待っていると、受付嬢と冒険者の人達、白髪の老人が来た。
あのお年寄りの方がギルマスなのかな?冒険者の人達は全部で15人か~
さぁ、何人が反対するかな?
「今回、試験官を代わりにして下さるのはSSSランク冒険者のナギア君です」
「試験官をする事は初めてですが、よろしくお願いします。」
気合いを入れて試験に臨もうとしていた冒険者達はナギアを見た瞬間、何かの冗談かと思ったが受付嬢のふざけていない空気に本当の事だと理解した。
「あのな、俺達はこんな子供の相手をする為に来たんじゃない!」
「そうでござる。拙者の剣は子供を斬るためのものでは無い……守るためのものである」
「つか、何でここにガキ2人いるんだ?」
あー、やっぱり反対の声が上がるよね....SSSランクと紹介されても信じてないね..ってか、1人めっちゃカッコイイ事いってるよ!
冒険者達が騒ぐ中、白髪の老人が喋り出した。
「ほぉほぉほぉ、まぁ落ち着きたまえ。じゃあ、こうしようじゃないか..この男の子ナギア君を倒したものはSSSランクに昇格してやろう。他はわしが試合を見て判断しよう。出来るかい?ナギア君」
この老人思ってたより酷いな..実力を見たくてわざとやったよな..
「マジかよ!ギルマス!この試験もらったな!」
「拙者は多くの人を救う。しかし、救うには金もかかる..そこの子供よ..切らせて頂く」
「でも、誰からやるんだ?先にやる人の方が有利じゃねぇか」
「言い忘れていたのぉ、Sランク以上に上がりたいもの全員vsナギア君じゃよ。ルールは戦闘不能もしくは負けを認めれば終わりじゃ」
ギルマスはナギアをニヤリとしながら見た..
へぇー、やってやりますよ!やればいいんでしょ!
「ギルマス、相手の実力をちゃんと出すように戦えばいいんですか?それとも一瞬ですか?」
「いや、実力が分かるように戦ってもらえると助かるかのぉ」
「わかりました」
ギルマスとナギアの会話を聞いた冒険者達は舐められてると感じ、怒りをあらわにしていた。
訓練場の真ん中に移動し冒険者達から20m離れた場所で試合の合図を待つ。昇格試験という事でギャラリーもいつまのまにか沢山の人がいた。
「あれ?まさか、あの男の子が試験官なのか?」
「いや、そんな訳ねぇだろ」
「でも、試験受ける奴の反対側にいるのは男の子だけだぞ?」
「……確かにそうだが..ギルマスの事だから強いんじゃねぇーの?わからん」
「あれ?女の子の方も試験受ける奴らの所にいるよ?」
「本当だ!でも、男の子は何者何だろう?」
ギャラリーがナギアとリルリアの話をしていると受付嬢の人がナギアと冒険者達の間に立った。
「それでは!これからAランク冒険者達による昇格試験を行います!今回はギルマスの案で特別ルールとさせてもらいます!」
ギルマスの案で特別ルールと聞きギャラリーは驚いていた。何故なら今までそんな事はなく試験官と受験者の1体1でやっていたからだ。
面白い事が起こると予想したギャラリーの冒険者の一部は一旦席を外し他の冒険者達を呼びに行ったりした。
「特別ルールは今回試験を受ける冒険者VSナギア君による試合です。受験者が勝つことが出来ればSSSランク冒険者に上がり、負けた場合はギルマスの試合を見た判断で昇格できます。」
受付嬢の言葉でギャラリーはますます盛り上がりを見せた。
「俺も受けられるなら受けてぇな」
「確かになー、あんなのサービス過ぎるだろ」
「ばか!ギルマスが簡単に上がれるようにすると思うか?」
「お前そんな事言ったらあのナギアだっけ?強いのかよ?」
「分かんねけど強いんじゃね?」
受付嬢の説明が終わり観客席のギャラリーを見ると酒場にいた冒険者達も来たらしく増えていた。
「では!試合開始!」
受付嬢の開始の合図でリルリア以外の冒険者達はナギアに向かって走り出すのだった……
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