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第1章

村に報告

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ナギアはアルティメットオーガを回収し終えるとセルベル達にかけていた結界を解いた。

「お父さん終わったよ~そちらの方は?」

「まさか本当に倒しちまうとわな……あっコイツはグライドって言って俺とたまに冒険者でパーティー組んでるんだ!」

「……セルベルの切り替えの速さには驚いたわ……俺はグライドって言うんだ!よろしくな!ナギア..一応俺はクエストでギルドに今回の事を報告しなきゃ行けねぇんだが、後で一緒にギルドに来てくれねぇか?」

「やっぱりこんな規模の魔物の群れは珍しいですもんね…わかりました!あと、聞きたいのですがグライドさんの受けたクエストの内容は何ですか?」

ナギア今回の魔物の大群の事はグライドの受けたクエスト内容を聞けば分かる気がしたのだ。

「ああ、今回ギルドが緊急クエストとしてアルティメットオーガの出現で進行方向にあるスクリード村に避難勧告する事だったんだが……倒しちまったからな..」

「討伐依頼じゃなかったんですね」

「ナギア、お前は知らないだろうが過去にアルティメットオーガが出現した時、国とSSランクの冒険者10人で討伐しに行ったんだ..SSランクの冒険者は7人死に村や町がいくつも潰されたんだ。ちなみに俺がよく行く冒険者ギルドにはSSランクはいない。だから避難勧告なんだ。」

「そうなんですか…」

「まぁ、ナギアお前は良くやってくれた!スクリード村の英雄だ!本当に自慢の息子だ!」

そう言ってお父さんは僕を抱きしめてきた。

「セルベル、急いで村に帰って知らせた方が良くないか?」

「あっ!急がないとな!ナギア急いで村戻るぞ!」

「わかった!じゃあこの道を使って!」

ナギアはそう言うと空間を割り真っ暗で歪んだ入口が出現した。

「……これ、本当に大丈夫なのか?」

グライドが不安を口にするがナギアに大丈夫と強く言われた。2人はゆっくり入口に入るとスクリード村の森の入口辺りに立っていた。

「大丈夫だったでしょ?」

悪戯っ子っぽい笑みを浮かべたナギアが後から声を掛けてきた。

「本当に着いたのか……これは何だったんだ?」

「《空間魔法》でさっきの森の場所と今いる位置を繋げました。行ったことある場所なら出来ますが知らないところには行けません。」

ナギアはグライドの質問に丁寧に答えた。

セルベル達は村の広場に向かった。広場に着くと村の人々は大荷物を抱えたり馬車を用意したりと慌てていた。それを見たセルベル達は広場の中心に立った。

「みんなー!!!聞いてくれ!!!」

セルベルが大声で村の人たちに声をかけるとセルベルに気づき顔を向ける…

「「「「「「ナギア!!!」」」」」」

親と一緒に荷造りを手伝っていた子供達が集まってきた。それはナギアとよく遊ぶメンツだった。

「アルティメットオーガは討伐された!!だから安心してくれ!」

「じゃあ避難しなくて大丈夫なのかい?」

「あぁ!そうだ!ナギア、すまんがアルティメットオーガの死体をみんなに見せてやってくれないか?」

子供達と再会を喜んでいるナギアに言う。

「わかった!はい!」

そう言うと何も無い空間からアルティメットオーガ現れた。ナギアは腐敗を防ぐ為に結界を張る。

「マジかよ……」
「本当に危機は去ったのね..」
「いったい誰が倒したんだ?」
「セルベルと隣の男の人じゃねーの?」

村の人たちが喜び騒いでいる中1部の人は誰が倒したのか気になっていた。

「驚くかもしれないが!魔物の大群を倒したのは俺の子供のナギアだ!」

セルベルの声で一斉にナギアに注目が集まる。
うわぁ、何お父さん暴露しちゃってるの?と思いお父さんを見るとサムズアップしながら任せろ!と返ってきた。

「セルベル、そんな子供が魔物なんて倒せるわけ無いだろ!」
「お前らが討伐したんじゃないのかよ!」
「親バカ過ぎない?」

そりゃ~そうだろ、こんな3歳児が魔物を討伐なんて出来るはずがないと思うのは普通だ。お父さんはどうするんだ?

「グライド!頼んだ!」

おい!!!仲間に丸投げかよ!!!

「はぁ..ったく!分かってたよ!……俺は今回ギルドの依頼で村に知らせに来た者だ!村に着いてからユリアに伝えてから森に向かった!そして森の入口付近で子供達が『ナギアを助けて』と言われた!話を聞くとナギアが1人で魔物の群れと戦っていると聞いて急いで向かったところ、この子供ナギアが本当に戦っていた!規模は最低5000はいただろう!俺とセルベルは見てることしか出来なかったが、全ての魔物をナギアは1人で倒してしまった!!以上、俺が今言える事実だ!」

グライドの言葉で村の人達が動揺していたが野次を飛ばす人はいなくなった。

「ナギア…お前が修行していたのは知っていたけど強すぎだろ!俺達に隠していたのか?」

マイルが呆れたように聞いてきた。

「隠してはいないけど、僕だって魔物との戦闘は初めてだったんだよ。」

「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」

ナギアの言葉を聞いた人や子供達は驚いていた。

「……ナギア君」

リルリアが抱きついてきた……え?

「私ね鑑定スキルとか使えるから他のみんなのステータス知ってたの……でも、ナギア君のだけ見てもちゃんと見れないから強いと思ってたの。みんなが森に行こうって言った時不安だった……ナギア君も行くってなって安心したの。一緒に行ってくれてありがとう!助けてくれてありがとう!……」

そう言いながらリルリアはナギアに抱きつきながら泣き始めた……ナギアは泣いてるリルリアの頭を撫でて上げた。
お父さんがこちらを見てすごいニヤニヤしていたのでリルリアに気付かれないように威圧を意識した魔力をお父さんだけに放った。お父さんは汗をダラダラ垂らしながら顔を逸らした。

「あなた達…森に入ったんだって?」

1人の女性が子供達に声を掛けてきた…マイルのお母さんのスーシャさんだった。スーシャさんの後ろには子供達の両親が青筋を浮べながら笑っていた……恐い..

「通りであなた達の元気が無いと思ったらそう言うことだったのね~」

子供達の表情が青くなっていく。周りの関係ない大人達は「俺も小さい頃森に勝手に入って怒られたなぁー」と笑っていた。

「あなた達はあとで説教だからね~あと、ナギア君!子供達を救ってくれてありがとね!」

顔が青ざめている子供達が連れ去られるを見ながらナギアは苦笑していると…

「ナギア?関係ないと思ってるようだけどあなたも説教だからね!親にこんなに心配させて!」

いつの間にか後ろにいたユリアにナギアは説教されるのだった。その光景が面白かったのか村の人達はナギアを化物扱いしなかった。

30分程説教が続いたところでグライドが止めた。

「ギルドに報告するからナギア貸してもらうな!」

「そうよね、ナギア!まだ言いたい事あるから帰って来たら続きね!」

「…はい、わかりましたお母様…….」

「ユリア、俺も着いて行くから家の事と赤ん坊は任せた!」

セルベル、グライド、ナギアは馬でギルドに向かった。ナギアは馬に乗り方を知らないのでセルベルの前に座っていた。

「これから行く国はデアトリーナという国だ!結構平和な国だぞ!」

お父さんに行き先の事を教えてもらいナギアはゆっくりステータスやアイテムでも見ようとステータスを開いた……



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