1 / 1
神様万事サイコロが沼
しおりを挟む
昔々、世界を創造した神様が居ました。
七日で飽きました。
「天使、世界ゴミ箱に捨てといて」
「アンタ命をなんだと思ってんだ」
「作り物」
「アンタの立場じゃ間違っちゃいねえけどさあ!」
天使は世界を箱に捨てました。
それから七日後、神様が新しい世界を作りました。
今度は飽きる以前に失敗したようです。
三日でポイ捨てされました。
「その辺に世界を放置するの、やめなさい!」
「天使がゴミ箱に捨ててくれれば全部解決!」
「他力本願も大概にしろ、自堕落創造神!」
天使は世界を箱に捨てました。
それからまた七日後、神様が寝起きざまにメモをしたためました。
『ボクがかんがえた、さいきょうのせいぶつ』
「ニンゲンっていうの。天使と違って二体居れば無限に自己増殖するヤツ」
「嫌な予感しかしない」
神様はニンゲンを二体作りました。
しかし、設計段階で飽きていたのか。
形を作り終えた途端、残りの作業をぶん投げました。
「知ってた」
天使はニンゲンを箱に捨てました。
それから七日が経ちました。
なんと、箱から赤い目を持つニョロっとした白い生物が現れました。
「うわ、キモッ」
「天使よ。私達を箱に捨ててくれてありがとう」
「え? あんた、捨てた世界の中に居たの?」
「私達、創造神にムカついたからニンゲンに命を込めて復讐に利用します」
「やらかした。クーデター来たわコレ。でも、気持ちは解る」
「天使よ。あなたもパワハラで悩んでいるなら、ぜひ私達の仲間に」
「こっちにも事情があるから。返事は保留で」
「いつでもウェルカム」
天使は赤い目を持つニョロっとした白い生物を見逃しました。
またまた七日後。
神様が作っては捨て、作っては捨てをくり返し。
天使が拾っては捨て、拾っては捨てをくり返した作り物達が、突然。
箱の中でミラーボールみたいに光り始めたではありませんか。
「ダンスフロアだ」
「ちょいちょいおかしな語彙録どうにかして」
コレは何事かと指先でつつくたび、光の波紋が揺らぎます。
「ちょい足しで旨味アップ!」
「アンタ本当に自重しないよね」
神様は意気揚々と命を作り、物を作り、次々と箱に投げ込みました。
箱の中の世界は、命が増えるたび物が増えるたび、形を変えていきます。
すると、どうしたことでしょう。
箱が大爆発して、神様を5センチも後ろへ吹き飛ばしたではありませんか!
「すごい……コレが、理科の実験ッ!」
「語彙録! 創世神話! ファンタジー‼︎」
「もっと! もっと爆発を! 爆発は芸術だ!」
「それじゃただのマッドサイエンティスト‼︎」
「光よ、あれ!」
「ろくでもねえええ!」
作って投げて爆発。作って投げて爆発。
神様ハッスル、箱の中ではパーリィーナイ。
しかし、どんな悲しみにも終わりがあるように。
どんな娯楽にも終わりは訪れます。
「飽きちゃった」
「はい?」
「作るのも眺めるのも飽きたから、全部なかったことにしよう!」
「捨てるだけでは飽き足らず虚無来たコレ」
「今日からボクも破壊神!」
「お前マジふざけんな」
度重なる工作と爆発で散らかり放題の部屋を見て。
天使の髪はスーパーな感じで天井をド突きました。
「いい歳したやんちゃ老神が! もう我慢ならん! 俺は堕ちる!」
「え? 天使、箱に入っちゃうの? 部屋の片付けは?」
「自分でやんなさい!」
天使は神様が散らかした部屋を放置して、箱に飛び込みました。
神様は困ってしまいました。
「天使が入っちゃったら、虚無れないじゃん」
だって神様、作るの面倒くさいモードだから。
世界もご飯も天使の代わりも、作るの超面倒くさい。
なんならお風呂を沸かすのも、布団を敷くのも面倒くさい。
虚無ろうとしたら、それ全部やってくれてた天使まで消えてしまいます。
ああ、なんて面倒くさい。
神様は考えました。
たっぷり二秒は真剣に悩みました。
「仕方ない。長期計画的に破壊していこう」
そうして現代。
創造神率いるヤンデレネガティヴ軍団vs堕天使率いるパリポジピーの下。
『World・ Eradication・Project』
通称『W・E・P』が進行中なのでした。
(ニンゲンに優しい)神は……死んだ‼︎
七日で飽きました。
「天使、世界ゴミ箱に捨てといて」
「アンタ命をなんだと思ってんだ」
「作り物」
「アンタの立場じゃ間違っちゃいねえけどさあ!」
天使は世界を箱に捨てました。
それから七日後、神様が新しい世界を作りました。
今度は飽きる以前に失敗したようです。
三日でポイ捨てされました。
「その辺に世界を放置するの、やめなさい!」
「天使がゴミ箱に捨ててくれれば全部解決!」
「他力本願も大概にしろ、自堕落創造神!」
天使は世界を箱に捨てました。
それからまた七日後、神様が寝起きざまにメモをしたためました。
『ボクがかんがえた、さいきょうのせいぶつ』
「ニンゲンっていうの。天使と違って二体居れば無限に自己増殖するヤツ」
「嫌な予感しかしない」
神様はニンゲンを二体作りました。
しかし、設計段階で飽きていたのか。
形を作り終えた途端、残りの作業をぶん投げました。
「知ってた」
天使はニンゲンを箱に捨てました。
それから七日が経ちました。
なんと、箱から赤い目を持つニョロっとした白い生物が現れました。
「うわ、キモッ」
「天使よ。私達を箱に捨ててくれてありがとう」
「え? あんた、捨てた世界の中に居たの?」
「私達、創造神にムカついたからニンゲンに命を込めて復讐に利用します」
「やらかした。クーデター来たわコレ。でも、気持ちは解る」
「天使よ。あなたもパワハラで悩んでいるなら、ぜひ私達の仲間に」
「こっちにも事情があるから。返事は保留で」
「いつでもウェルカム」
天使は赤い目を持つニョロっとした白い生物を見逃しました。
またまた七日後。
神様が作っては捨て、作っては捨てをくり返し。
天使が拾っては捨て、拾っては捨てをくり返した作り物達が、突然。
箱の中でミラーボールみたいに光り始めたではありませんか。
「ダンスフロアだ」
「ちょいちょいおかしな語彙録どうにかして」
コレは何事かと指先でつつくたび、光の波紋が揺らぎます。
「ちょい足しで旨味アップ!」
「アンタ本当に自重しないよね」
神様は意気揚々と命を作り、物を作り、次々と箱に投げ込みました。
箱の中の世界は、命が増えるたび物が増えるたび、形を変えていきます。
すると、どうしたことでしょう。
箱が大爆発して、神様を5センチも後ろへ吹き飛ばしたではありませんか!
「すごい……コレが、理科の実験ッ!」
「語彙録! 創世神話! ファンタジー‼︎」
「もっと! もっと爆発を! 爆発は芸術だ!」
「それじゃただのマッドサイエンティスト‼︎」
「光よ、あれ!」
「ろくでもねえええ!」
作って投げて爆発。作って投げて爆発。
神様ハッスル、箱の中ではパーリィーナイ。
しかし、どんな悲しみにも終わりがあるように。
どんな娯楽にも終わりは訪れます。
「飽きちゃった」
「はい?」
「作るのも眺めるのも飽きたから、全部なかったことにしよう!」
「捨てるだけでは飽き足らず虚無来たコレ」
「今日からボクも破壊神!」
「お前マジふざけんな」
度重なる工作と爆発で散らかり放題の部屋を見て。
天使の髪はスーパーな感じで天井をド突きました。
「いい歳したやんちゃ老神が! もう我慢ならん! 俺は堕ちる!」
「え? 天使、箱に入っちゃうの? 部屋の片付けは?」
「自分でやんなさい!」
天使は神様が散らかした部屋を放置して、箱に飛び込みました。
神様は困ってしまいました。
「天使が入っちゃったら、虚無れないじゃん」
だって神様、作るの面倒くさいモードだから。
世界もご飯も天使の代わりも、作るの超面倒くさい。
なんならお風呂を沸かすのも、布団を敷くのも面倒くさい。
虚無ろうとしたら、それ全部やってくれてた天使まで消えてしまいます。
ああ、なんて面倒くさい。
神様は考えました。
たっぷり二秒は真剣に悩みました。
「仕方ない。長期計画的に破壊していこう」
そうして現代。
創造神率いるヤンデレネガティヴ軍団vs堕天使率いるパリポジピーの下。
『World・ Eradication・Project』
通称『W・E・P』が進行中なのでした。
(ニンゲンに優しい)神は……死んだ‼︎
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
村人からスケルトンになってしまいまして
石崎楢
ファンタジー
異世界のお話。普通の村の若者が大魔王の手下に殺されてスケルトンになってしまいました。勇者候補たちを100人倒せば、大魔王様の魔力で新たなる魂と肉体を得て新たなる世界へ転生させてくれるようなので頑張ります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺の娘、チョロインじゃん!
ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ?
乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……?
男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?
アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね?
ざまぁされること必至じゃね?
でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん!
「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」
余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた!
え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ!
【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?
愛し子
水姫
ファンタジー
アリスティア王国のアレル公爵家にはリリアという公爵令嬢がいた。
彼女は神様の愛し子であった。
彼女が12歳を迎えたとき物語が動き出す。
初めて書きます。お手柔らかにお願いします。
アドバイスや、感想を貰えると嬉しいです。
沢山の方に読んで頂けて嬉しく思います。
感謝の気持ちを込めまして番外編を検討しています。
皆様のリクエストお待ちしております。
【フリー台本/朗読&掛け合い】「小さな幸せのお手伝い」
雪野鈴竜(ユキノリンリュウ)
恋愛
演技の練習や、配信(声劇枠等)用に、よければどうぞ。
【使用可能】
・配信。
・動画投稿。
【使用のお約束】
※概要欄等のどこかに必ず作者名“雪野鈴竜”を記載。
※使用の際はどこかにURLを記載。
※自作発言は禁止。
※有料コンテンツでの使用禁止。(広告収益のみ可能ですが、購入後のみ観れる動画等)
──────
【登場人物】
・少年/♂
[少女の片想いする小学三年生の男の子、普段は明るいお調子者。]
・少女/♀
[優しい小学三年生の女の子、少年に何かと気にかけている。]
・天使/?(※性別ご自由に)
[少年よりお調子者。]
・女神/♀
[女神。]
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる