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第2章 さて、こうして町に僕は向かい、彼女達と出会う

54、スキルを使ってみる

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 僕の目の前に一面に広がる一面の花畑。
 白やピンク、青、緑、紫、黄色などなど、色とりどりの花が輝いている。
 一面に電飾を引いたような花畑は風が吹くたびに揺れて、ゆらゆらと幻想的な明かりが揺れている。

 しかもそのたびにこの花の花粉なのか光の小さな球状の粒を空気中に放出している。
 ふわふわと揺れる光の粒も綺麗だ。
 さらにこの花の優しい甘い香りは心地よくて眠くなってしまいそうだ。そう僕が思ったのでカレンに、

「凄く良い匂いで眠くなってしまいそうだね」
「あ、そうなんですか。この花の香りは抽出して、寝る前に焚いたりするとよく眠れると評判なのですよね。でも今日の目的はそれではないので、アラタ、お願いします」

 カレンがわくわくした様に目を輝かせながら僕に言う。
 そして僕も興味があったので、

「どれくらいの周囲がいいのかな? とりあえず半径10メートルの円状の範囲で、“鑑定スキル”っと」

 目の前に次々とこの花についての説明表示が現れていく。
 花がそこそこ小さく多いので、その量はとても多く重なって見える。
 僕の魔法は僕の石である程度どうにかなりそうなので、だから僕はカレンに、

「確か球根部分が特殊なものが欲しいんだよね?」
「は、はい」
「となるとこの説明は……ただの花みたいだね」

 説明書きを読んで言った僕は、ただの花のようだったのでそれを意識しながら、

「この花の説明と同じものは全部、消えて欲しい……消えた」

 そこで一つだけ表示を残して後は全部消えてしまう。
 その残った一つに僕は近づいてからカレンに、

「シャベルなんかがあるのかな?」
「そのまま引き抜いて大丈夫ですよ」

 そうカレンに僕は言われたのだった。
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