上 下
1 / 3

1. 私の邪魔をする女

しおりを挟む
.


珈琲の美味しい喫茶店。
その店は9時開店だ。
私は9時きっかりにお店に入る。だからいつも一番乗りだ。

まだ誰もいない店内が気持ちいい。

私はいつもの席に着き、読書を始める。

これが私の毎日のモーニングルーティーンだ。

良い一日は、良い習慣から始まる。by どこかの誰か


なのに━━━━━


お客さんが徐々に入り、店内の椅子がポチポチ埋まる頃。

今、私の前にはべらべらと旦那の不満をぶちまけてる女がいる。

相席の断りも入れずにいきなり座って、あたかも私と待ち合わせていたかのように話を始める。

高1、高2と隣のクラスだった(らしい)。

私の顔を覚えていて、懐かしくて声をかけたと言っていたが、なんで覚えてるんだよ。こっちは大迷惑なんだよ。

私がここに毎日同じ時間にいるのを知って、この女も来るようになってしまったのだ。
マジ超迷惑。

お前なんかキライだよ。
わかんないのかね。

相づちすら打たない私に、彼女は一方的に話す。ほぼ100%旦那の悪口。次から次とよくまあそんだけ悪口あるなと感心するくらい出てくる出てくる。
チビだの小太りだのブサイクだの、並んで歩くと恥ずかしいだの早く死んで生命保険金手にしたいだの、他にもまあ言いたい放題。
ずいぶん稼いでくれている旦那のようなのに、よくもそんなに悪く言えるもんだ。
要約すると『金目当ての結婚』
そして始まる身につけてる物のハイ・ブランド自慢。お前に所有されてるハイ・ブランド気の毒。

無視を貫く私になんの疑問も持たずに話すこの女の神経は果たしてどんだけ図太いのか。
ふむ、この場合は『図太い』は適当だろうか?
『図太い』以外に当てはまる言葉はなんだろう?

・・・・。

クソッ!悩み事ができたじゃないか!

あとで調べよう。
いまはこの三島由紀夫を読了するのが私の使命なのだから。


「ねぇねぇ、学校、ほんと、あれからどうなった?あたし、ほら、引っ越ししちゃったしさ、わかんないのよね。友達とも連絡とれなくなっちゃったしね。この前は時間なくて聞けなかったけど」

そういや、この前去り際に笑いながら話してたな。胸くそ悪い。
私は無視を貫いた。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

とある少女の死後日記

由宇ノ木
ファンタジー
【完結・全五話】17歳で私は死んだ。そしてさまようこととなった。珈琲の美味しい喫茶店の『ご主人』と『私』の出会いのお話。 関連作 珈琲の美味しい喫茶店 成仏できない!

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...