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第7話 冒険者ギルドでの定番のイベント
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「さて、どの依頼を請けてみようか?」
冒険者ギルドに到着し、依頼の掲示板を見ている。
「できればモンスター討伐の依頼がいいんだけど、どれが大丈夫かわからないしな……」
いくら武器を手に入れたとはいえ、不安は残る。引き当てた依頼のモンスターが手に負えなければ詰んでしまう。順調な滑り出しにこそ罠が潜んでいるもの。
ここで異世界を舐めて物語序盤で死んでしまうかませになってしまっては意味がない。せめてリスクを減らす方法は……。
「おい、そこの新人」
そんな風に悩んでいると後ろから声を掛けられた。
振り向いてみると、そこに五人の男女が立っている。
「俺たち今から狩りにでるんだが、今日の依頼が決まってないならついてこないか?」
先頭に立つ男が笑みを浮かべ右手を前に出す。
「狩りっていうと?」
「特定の依頼を請けずに、モンスターが多く生息する場所まで向かって見つけたモンスターを討伐し、肉や素材を得るんだ。店を構えている人間に伝手があるなら、大抵のものは買い取ってもらえるからな」
今朝のバザーのように、折り合いさえつけば取引は成立する。それが可能なのは身分証明書を兼ねたカードの存在だろう。
どこでも即取引できて便利なので、現実世界の電子決済みたいだと思った。
とはいえ、モンスターの素材を何でも買い取ってくれるような太いパイプを持つ冒険者は中々いない。
だからこそ、こうしてギルドに足を運び依頼を請けるわけだし……。
「俺もついていっていいんですか?」
あまりにも美味しい話なので続きを聞く。
様々なモンスターと対峙できるので、こちらとしては願ったりかなったりの提案なのだが、新人とわかっていて声を掛ける意味が解らない。
最近流行の、いびるふりをして新人に声を掛け、手厚くサポートしてくれる善人なのかもしれない?
「構わないぜ、ただし、狩った獲物は倒したやつのもの。馬車が一杯になるまで狩るが、手が空いてるやつは解体係をしてもらうって条件だな」
大量に狩るつもりらしく、馬車まで用意しているようだ。それだけに手間をかけてモンスターを狩りに街の外に出向くというのが窺える。
他の冒険者もニヤニヤと笑っている。どうやら、俺に倒させるつもりで声を掛けたわけではなく、倒した後の処理をさせるのが目的か。
「それって、俺が倒したら俺の取り分で、他の人が解体してくれるってことですか?」
だが、逆に言えば俺が倒せるなら美味しい。俺は念のため確認してみることにした。
「ぷっ、見たところ剣一本な上、冒険者ランキングにも名前も載っていなさそうなのに。大きなこと言うわね」
冒険者の女性が口元に手を当てるとそう言った。
「冒険者ランキングとは?」
「街で登録している冒険者の毎月の貢献度に応じて五十位までを貼りだすのよ。うちのリーダーが四十九位なんだから」
「なるほど、ありがとございます」
射幸心を煽り、依頼を積極的に請けさせるためのギルド側の策か。言われたリーダーとやらは胸を反らせてまんざらでもない表情を浮かべている。
「言っとくけど、駆け出しの新人なんて街近郊の雑魚モンスター数匹倒しただけで疲労で戦えなくなるんだからね」
諭すような言葉を他の女性冒険者が言うのだが……。
「俺たちも登録したてのころはこんな感じだったよな」
もう一人の男冒険者が腕を組み首を縦に振るとウンウンと頷いた。
「まあ、今日行くのは俺たちでもそこそこきついモンスターが湧く場所だからな。解体を覚えるだけでも今後に生かせるだろうし、良い経験させてやるよ」
下働きの誘いとしてはやや強引だが、得るものがないわけでもない。断って無難な依頼を請けることもできるが、この世界の冒険者の実力を見るチャンスでもある。
「それじゃあ、勉強させてもらうことにしますよ」
俺は彼らに同行させてもらうことにした。
冒険者ギルドに到着し、依頼の掲示板を見ている。
「できればモンスター討伐の依頼がいいんだけど、どれが大丈夫かわからないしな……」
いくら武器を手に入れたとはいえ、不安は残る。引き当てた依頼のモンスターが手に負えなければ詰んでしまう。順調な滑り出しにこそ罠が潜んでいるもの。
ここで異世界を舐めて物語序盤で死んでしまうかませになってしまっては意味がない。せめてリスクを減らす方法は……。
「おい、そこの新人」
そんな風に悩んでいると後ろから声を掛けられた。
振り向いてみると、そこに五人の男女が立っている。
「俺たち今から狩りにでるんだが、今日の依頼が決まってないならついてこないか?」
先頭に立つ男が笑みを浮かべ右手を前に出す。
「狩りっていうと?」
「特定の依頼を請けずに、モンスターが多く生息する場所まで向かって見つけたモンスターを討伐し、肉や素材を得るんだ。店を構えている人間に伝手があるなら、大抵のものは買い取ってもらえるからな」
今朝のバザーのように、折り合いさえつけば取引は成立する。それが可能なのは身分証明書を兼ねたカードの存在だろう。
どこでも即取引できて便利なので、現実世界の電子決済みたいだと思った。
とはいえ、モンスターの素材を何でも買い取ってくれるような太いパイプを持つ冒険者は中々いない。
だからこそ、こうしてギルドに足を運び依頼を請けるわけだし……。
「俺もついていっていいんですか?」
あまりにも美味しい話なので続きを聞く。
様々なモンスターと対峙できるので、こちらとしては願ったりかなったりの提案なのだが、新人とわかっていて声を掛ける意味が解らない。
最近流行の、いびるふりをして新人に声を掛け、手厚くサポートしてくれる善人なのかもしれない?
「構わないぜ、ただし、狩った獲物は倒したやつのもの。馬車が一杯になるまで狩るが、手が空いてるやつは解体係をしてもらうって条件だな」
大量に狩るつもりらしく、馬車まで用意しているようだ。それだけに手間をかけてモンスターを狩りに街の外に出向くというのが窺える。
他の冒険者もニヤニヤと笑っている。どうやら、俺に倒させるつもりで声を掛けたわけではなく、倒した後の処理をさせるのが目的か。
「それって、俺が倒したら俺の取り分で、他の人が解体してくれるってことですか?」
だが、逆に言えば俺が倒せるなら美味しい。俺は念のため確認してみることにした。
「ぷっ、見たところ剣一本な上、冒険者ランキングにも名前も載っていなさそうなのに。大きなこと言うわね」
冒険者の女性が口元に手を当てるとそう言った。
「冒険者ランキングとは?」
「街で登録している冒険者の毎月の貢献度に応じて五十位までを貼りだすのよ。うちのリーダーが四十九位なんだから」
「なるほど、ありがとございます」
射幸心を煽り、依頼を積極的に請けさせるためのギルド側の策か。言われたリーダーとやらは胸を反らせてまんざらでもない表情を浮かべている。
「言っとくけど、駆け出しの新人なんて街近郊の雑魚モンスター数匹倒しただけで疲労で戦えなくなるんだからね」
諭すような言葉を他の女性冒険者が言うのだが……。
「俺たちも登録したてのころはこんな感じだったよな」
もう一人の男冒険者が腕を組み首を縦に振るとウンウンと頷いた。
「まあ、今日行くのは俺たちでもそこそこきついモンスターが湧く場所だからな。解体を覚えるだけでも今後に生かせるだろうし、良い経験させてやるよ」
下働きの誘いとしてはやや強引だが、得るものがないわけでもない。断って無難な依頼を請けることもできるが、この世界の冒険者の実力を見るチャンスでもある。
「それじゃあ、勉強させてもらうことにしますよ」
俺は彼らに同行させてもらうことにした。
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