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【番外編】ひとめぼれではありません(ラファ×ギル)
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「最初からそのつもりだったんですか?」
「あァ?」
「残念です。まさかそんなに姑息で小悪党な方だったとは……」
「はあぁぁああ?!」
溜息混じりに落とされた言葉に、ギルベルトは食い気味に声を上げた。
「どういう意味だ!」
「どういう意味って、どうせ最初から踏み倒すつもりだったってことでしょう」
「俺さまをそこらへんの小物と一緒にすんじゃねぇ!」
眦を吊り上げ、鋭く睨み返してくる眼差しにもラファエルはあえて溜息を重ねる。
「だってあなた……僕とした約束、まもれませんよね?」
わざとらしく失望したという表情をして見せる。片手で口元を覆い、僅かに俯く。一方で、掴んだギルベルトの手を離すことはしない。
「……上等だ……」
ギルベルトはわなわなと身を震わせ、掴まれていた手首を振り解いた。
「なんかあるなら言ってみろ! 俺さまにできねぇことはねぇんだよ!」
ラファエルはさらりと落ちた長い髪の下で小さく笑った。それに気付かないギルベルトはラファエルの胸倉を掴んで顔を寄せる。そしてものすごく良いことを思いついたとばかりに、勝気な笑みを浮かべて言うのだ。
「もしこの俺さまに抱いて欲しいってんなら、いますぐにでも叶えてやる」
勝負では負けても、この場では勝ったとばかりに口角を上げるギルベルトに、ラファエルは思わず目を瞠った。
「なるほど……それもいいですね」
頷いて返すと、ますますギルベルトは得意気に鼻を鳴らす。
そもそも、ラファエルが勝った場合はギルベルトはちゃんと着替え、なんならシャワーを浴びて、とにかく身体を温かくするという話になっていたはずだ。それならある意味消化されたわけだが、その一連の記憶が曖昧で、約束についてはすっかり忘れているギルベルトはそれに気付かない。
なんてばかな人だろう。
もはや呆れるを通り越して感心してしまう。
……と同時に、どういうわけか、ラファエルの中で言いようのない愛しさが込み上げてきた。
「では……」
呟くと、ラファエルは顔にかかっていた髪を掻き上げ、今度はギルベルトの腕を掴む。
「は……?」
不意打ちのそれに瞬くギルベルトを引き寄せ、存外細い腰に手を添えると、次にはシーツの上へと押し倒す。
疑問符を浮かべて見上げる黒銀の瞳にいっそう気分が高揚する。
ラファエルはこの上なく天使然とした微笑みを浮かべて言った。
「抱かせてください」
「あァ?」
「残念です。まさかそんなに姑息で小悪党な方だったとは……」
「はあぁぁああ?!」
溜息混じりに落とされた言葉に、ギルベルトは食い気味に声を上げた。
「どういう意味だ!」
「どういう意味って、どうせ最初から踏み倒すつもりだったってことでしょう」
「俺さまをそこらへんの小物と一緒にすんじゃねぇ!」
眦を吊り上げ、鋭く睨み返してくる眼差しにもラファエルはあえて溜息を重ねる。
「だってあなた……僕とした約束、まもれませんよね?」
わざとらしく失望したという表情をして見せる。片手で口元を覆い、僅かに俯く。一方で、掴んだギルベルトの手を離すことはしない。
「……上等だ……」
ギルベルトはわなわなと身を震わせ、掴まれていた手首を振り解いた。
「なんかあるなら言ってみろ! 俺さまにできねぇことはねぇんだよ!」
ラファエルはさらりと落ちた長い髪の下で小さく笑った。それに気付かないギルベルトはラファエルの胸倉を掴んで顔を寄せる。そしてものすごく良いことを思いついたとばかりに、勝気な笑みを浮かべて言うのだ。
「もしこの俺さまに抱いて欲しいってんなら、いますぐにでも叶えてやる」
勝負では負けても、この場では勝ったとばかりに口角を上げるギルベルトに、ラファエルは思わず目を瞠った。
「なるほど……それもいいですね」
頷いて返すと、ますますギルベルトは得意気に鼻を鳴らす。
そもそも、ラファエルが勝った場合はギルベルトはちゃんと着替え、なんならシャワーを浴びて、とにかく身体を温かくするという話になっていたはずだ。それならある意味消化されたわけだが、その一連の記憶が曖昧で、約束についてはすっかり忘れているギルベルトはそれに気付かない。
なんてばかな人だろう。
もはや呆れるを通り越して感心してしまう。
……と同時に、どういうわけか、ラファエルの中で言いようのない愛しさが込み上げてきた。
「では……」
呟くと、ラファエルは顔にかかっていた髪を掻き上げ、今度はギルベルトの腕を掴む。
「は……?」
不意打ちのそれに瞬くギルベルトを引き寄せ、存外細い腰に手を添えると、次にはシーツの上へと押し倒す。
疑問符を浮かべて見上げる黒銀の瞳にいっそう気分が高揚する。
ラファエルはこの上なく天使然とした微笑みを浮かべて言った。
「抱かせてください」
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