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05.昨日の記憶
♥(3)
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ジークが背筋を弓なりに反らせながら、甘やかな悲鳴を上げる。
思ったよりも物理的な抵抗を感じないのは、ジークの体質――正しくは血の作用――のせいだろうか。あるいは、止めどなく伝い落ちているジーク自身の体液や、アンリの用意した薄桃色の液体もそれなりの助けとなっているのか――。
窮屈なほどしっかりと食い締めてくる内壁は、けれども、適度に解れてもいて、やがてアンリがゆっくり抽挿を開始するころには、それに合わせて淫猥な水音を立てるまでになっていた。
「は、ぁ、あぁっ、ん……っ」
奔放な嬌声に合わせて、薄っすらと粘液を纏ったままのジークの胸が、てらてらと光りながら忙しなく上下している。アンリは戯れに手を伸ばし、その表層にそっと触れた。
焦らすように指先を滑らせると、寒いみたいに肌が粟立ち、掠めてもいない突起までもがたちまち固く勃ち上がる。色濃くしこって震えるそれを、アンリは試すように爪で引っ掻いた。
「あ! あっ……!」
ひときわ高い声が上がる。ジークの背筋がびくりと跳ねる。
アンリは弾いたそれを摘み上げると、捻るようにしながら軽く引っ張った。粘液で滑って指から離れれば、今度はそれを肌へと埋めるように押し潰し、そしてまた痛いくらいに引っ張り上げる。
「ぃあぁっ、ぁ、それっ、んぁ……っ」
片手は胸に残したまま、もったい付けるように腰を引けば、いっそう露骨な吐息が漏れる。追い縋るように浮き上がるジークの身体を押さえ付け、再び奥へと戻しながら、その途中、アンリは敏感に反応する場所を不意打ちのように擦り上げた。
「ひぁっ! あぁ……っあ、もうっ……いっ――!」
ジークはたちまちあられもない声を上げ、何度めか分からない吐精で腹部を濡らした。それを待っていたかのように最深部まで一息に貫けば、押し出されるみたいに残滓がこぼれて糸を引く。達したばかりで過敏になっている身体が、引き攣ったようにびくびくと震えた。
――けれども、それでもまるで足りないとばかりに、ジークの身体からは熱が引かない。どころか、より火照るみたいに赤みを帯びて、屹立もゆるりと天を向く。
ジークの腕が、しがみつくみたいにアンリの首に回される。艶かしく揺れる腰が、いっそう強請るようにあわいを擦り付けてくる。
かと思うと、蠢く粘膜が引き絞るみたいにアンリのそれへと絡みつき――。
「あっ……ぁ、や……まだっ……」
「っ……私に指図をするな」
「ぁあっ、ぁ、いぃっ……ん……!」
アンリは小さく息を詰め、ひときわ強く接合部を密着させた。そのまま身体ごと揺さぶるように腰を押しつけ、何度も最奥を突き上げる。
刹那、ジークの体内で大きく脈打ったそれが、どくんと更に嵩を増して、
「あぁっ、い……っぁ、ひぁあっ――!!」
「――っ」
次には身の内を焦がすかのような熱が叩きつけられた。
「は……ぁ……」
何を言うでもなく、喘ぐように開閉だけを繰り返す唇の隙間から、嚥下しきれない唾液が伝い落ちる。
目元は多量の涙に縁取られ、額に張り付く髪の毛も、雨にでも降られたかのようにびしょ濡れになっていた。
「……」
いつのまにか、ジークは眠るように目を閉じていた。
力なくひっかけられていた腕を解くと、アンリは密やかに息を吐く。
――と言う一部始終を、ジークは一切覚えていなかった。
そしてそれこそが、サシャが託した治療の一環だということも――もちろん知る由もない。
思ったよりも物理的な抵抗を感じないのは、ジークの体質――正しくは血の作用――のせいだろうか。あるいは、止めどなく伝い落ちているジーク自身の体液や、アンリの用意した薄桃色の液体もそれなりの助けとなっているのか――。
窮屈なほどしっかりと食い締めてくる内壁は、けれども、適度に解れてもいて、やがてアンリがゆっくり抽挿を開始するころには、それに合わせて淫猥な水音を立てるまでになっていた。
「は、ぁ、あぁっ、ん……っ」
奔放な嬌声に合わせて、薄っすらと粘液を纏ったままのジークの胸が、てらてらと光りながら忙しなく上下している。アンリは戯れに手を伸ばし、その表層にそっと触れた。
焦らすように指先を滑らせると、寒いみたいに肌が粟立ち、掠めてもいない突起までもがたちまち固く勃ち上がる。色濃くしこって震えるそれを、アンリは試すように爪で引っ掻いた。
「あ! あっ……!」
ひときわ高い声が上がる。ジークの背筋がびくりと跳ねる。
アンリは弾いたそれを摘み上げると、捻るようにしながら軽く引っ張った。粘液で滑って指から離れれば、今度はそれを肌へと埋めるように押し潰し、そしてまた痛いくらいに引っ張り上げる。
「ぃあぁっ、ぁ、それっ、んぁ……っ」
片手は胸に残したまま、もったい付けるように腰を引けば、いっそう露骨な吐息が漏れる。追い縋るように浮き上がるジークの身体を押さえ付け、再び奥へと戻しながら、その途中、アンリは敏感に反応する場所を不意打ちのように擦り上げた。
「ひぁっ! あぁ……っあ、もうっ……いっ――!」
ジークはたちまちあられもない声を上げ、何度めか分からない吐精で腹部を濡らした。それを待っていたかのように最深部まで一息に貫けば、押し出されるみたいに残滓がこぼれて糸を引く。達したばかりで過敏になっている身体が、引き攣ったようにびくびくと震えた。
――けれども、それでもまるで足りないとばかりに、ジークの身体からは熱が引かない。どころか、より火照るみたいに赤みを帯びて、屹立もゆるりと天を向く。
ジークの腕が、しがみつくみたいにアンリの首に回される。艶かしく揺れる腰が、いっそう強請るようにあわいを擦り付けてくる。
かと思うと、蠢く粘膜が引き絞るみたいにアンリのそれへと絡みつき――。
「あっ……ぁ、や……まだっ……」
「っ……私に指図をするな」
「ぁあっ、ぁ、いぃっ……ん……!」
アンリは小さく息を詰め、ひときわ強く接合部を密着させた。そのまま身体ごと揺さぶるように腰を押しつけ、何度も最奥を突き上げる。
刹那、ジークの体内で大きく脈打ったそれが、どくんと更に嵩を増して、
「あぁっ、い……っぁ、ひぁあっ――!!」
「――っ」
次には身の内を焦がすかのような熱が叩きつけられた。
「は……ぁ……」
何を言うでもなく、喘ぐように開閉だけを繰り返す唇の隙間から、嚥下しきれない唾液が伝い落ちる。
目元は多量の涙に縁取られ、額に張り付く髪の毛も、雨にでも降られたかのようにびしょ濡れになっていた。
「……」
いつのまにか、ジークは眠るように目を閉じていた。
力なくひっかけられていた腕を解くと、アンリは密やかに息を吐く。
――と言う一部始終を、ジークは一切覚えていなかった。
そしてそれこそが、サシャが託した治療の一環だということも――もちろん知る由もない。
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