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最終章 松田要と佐久間仁
第五話 佐久間仁と不摂生な部下
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仁が会議室で豹変した翌日、目を覚ました要の前に件の男はいなかった。
シーツに残る温もりを撫で鼻を擦り付ける。微かに残る仁の香りを吸い込むと、一緒に美味しい匂いまで鼻腔を擽った。
ギュルルとお腹が鳴り、身体を起こす。いつもの倍、空腹が酷いのは昨夜何も食べていないから。
要が作った晩御飯は胃に収まることなく冷めてしまった。
その分、別の欲は満タンになり、同じく満たされた恋人の元へ向かう。
「おはよう」
仁はキッチンで髪の毛を濡らしたまま味噌汁を作っていた。ちらりと要を見たあと、昨夜のことを思い出してか「おはよう」と小さな声で返し俯いた。
今になって会議室で積極的に盛った羞恥に苛まれ、要を直視できないでいる。
「味見したい」
と仁を後ろから抱きしめる要の味見は毎朝恒例。仁が料理をする時は必ず味見をしにやってくる。
お椀に味噌汁をよそい、要は目を細めながら試食した。
「美味い。もう一杯!」
差し出した手を仁はピシッと叩く。
「もうすぐ朝ご飯だから我慢して。要の昨日の晩御飯、お弁当に入れたから」
「おう。てか、昨日はどうだった?」
味噌汁で熱くなった唇が仁の耳元で囁く。
「何が?」
肩を跳ねさせた仁が、知らない風を装う。
「淫乱上司」
「ンアッ」
単語だけで反応を見せた仁の背中を人差し指で撫であげる。
お玉が味噌汁の鍋にカランと落下し、縁で弧を描いた。
「まだ……盛ってんの?」
「お前だって盛ってんじゃねーか。足りなかったのか?」
「……会社遅刻するよ。お風呂はいってきなよ」
「素直じゃねーな」
素直なら昨日のようなことにはならない。仁は限界まで我慢して一気に爆発する。昨日のように。
爆発した瞬間は可愛く思えるが、それまでの我慢期間が要にとっても、仁にとっても精神衛生上よくなかった。
「合図決めるか?」
「何の?」
「今日はエッチしたいっていう……イエスノー枕的な」
要の古めかしい提案に仁は反論しない。その方が楽だったからだ。
「まだ素直に「要とエッチしたい」なんて言えねーだろ?」
せっかく名案を出したのに、お決まりの一言多い性格のせいで、仁が目尻を釣り上げた。
「うるさい! とにかくお風呂はいってきなよ! お弁当あげないよ!」
「へいへーい」
要は手を翻しキッチンを出ていく。
これからずっと一緒にいるために、提案してくれている要の背中に仁は「またやってしまった」と素直になれなかった謝罪をした。
そして、この背中への謝罪をよくしているがために……要と仕事も私生活も一緒にいるがために……仁はとんでもないことに気がつけていないでいた。
それから数日後。
イエスノー枕の導入もないまま過ぎたある日、化学事業部はいつもより賑やかだった。なぜなら田中がいないからだ。
そんな和気藹々としたオフィスで門田が声を上げる。
「懐かしいな!」
門田が手にしているのは写真だった。他は首を傾げるが要だけが「あーそれか」と写真がなにか知っている風だ。
「俺の痩せている頃ですよ!」
と、門田が自慢げにいうと、営業のデスクだけでなく、他のデスクの社員まで門田の周りに群がった。
「これ門田君?!」「じゃ、隣は松田君か」「本当だ痩せてる」「二人ともイケメンねー」
と社員が写真の感想を言い合う。
そのまま入社式の写真は回され、最後に門田が仁の元に持ってきた。
「主任と会う前ですよ!」
と言われ、仁も興味津々に写真に目を走らせる。
先に見つけたのは……
(要、可愛いなぁ)
緊張で強ばる要の姿だった。
パリッとしたスーツに柄のないネクタイ。髪はいつもより撫で付けられている。
そしてその横には……
「門田君、かっこいいね」
痩せている門田は顔が今より濃く、男前だ。肩幅だけは太っていなくても広いようで、要より逞しい。
「かっこいいですか?!」
門田が目を輝かせる。他の社員も言っているのに、仁に言われると人一倍嬉しそうな表情を咲かせた。
「うん。かっこいいよ」
そう言いながら写真を返す。それを抱きしめ門田は「ダイエットしよっかなぁ」と呟いた。
「不摂生やめたら痩せるかな? なぁ松田はどう思う?」
要の眉がピクリと動く。
「お前はそのままでも、十分イケメンだぞ」
と言えば、周りが口笛を鳴らす。
同期の顔をしているが、仁にはその裏にある嫉妬が見えた。
(要が1番に決まってるのに……)
と心で告白したが、いつも通りそれが口から出ることは無い。
もちろん言わなければ要にも理解してもらうことはできない。
これはまた夜に面倒が起きそうだと仁はため息をついた。
そしてその面倒はすぐに来た。
「佐久間主任、ちょっといいですか?」
と秒で要に呼び出される。
カモフラージュの書類を手にし、仁は素直に従った。
案の定、ミーティング室に入った途端、閉まっているブラインドを確認した要が仁をテーブルに押し倒した。
「ここ会社」
「どの口が言ってんだよ、淫乱上司」
「……はぁ。で、何?」
「俺にも言えよ」
「……かっこいいって?」
「分かってんじゃねーか」
仁は覆い被さる要を見上げる。
怒った表情だが、いつもと何かが違う。
「要?」
「なんだよ」
瞬きをした仁が、要に手を伸ばす。それに満足気な笑みを浮かべた要だったが、その緩んだ頬を2本の指で摘まれた。
「太った?」
「えっ?」
要が仁から身体を起こし、摘まれた頬をペチンと叩く。そして慌ててベルトを外し腹の肉を確認しようとする。
その時仁は見てしまった。
「ベルトの穴、綺麗だね」
フックは綺麗な穴に通されている。その穴の横には広がった穴。
移動の向き的にベルトを緩めたという事だ。
そしてその下のお腹の肉を要は摘んだ。
「や、やべぇ」
ずっと一緒にいるせいで気づかなかった。
要は太っていたのだ。
「ちょ、ちょっと待ってろ!」
慌ててミーティング室から出て、門田に入社式の写真をもう一度見せてもらう。
そして門田がそこに写る要と今の要を見比べる。
「あー、やっぱりお前太ったな!」
ガハハと笑う門田に要はムッとした。
「やっぱり?!」
「いや、最近丸くなったなーと思って!」
「分かってたんなら言えよ!」
「仕事のストレスで太ったんなら言い難いだろ? それともあれか、幸せ太りか? 最近手作り弁当食ってんもんなー!」
羨ましいと茶化す門田だったが、要からすれば由々しき事態だ。
しかし仁は「幸せ太り」と言われた時の要の笑顔を見逃さなかった。これでは強く言うことはできない。
焦る要が閃く。
「門田、勝負だ!」
「あ?」
「ダイエットしよう。より多く痩せた方が──」
みな勝者の褒美が何なのか耳を澄ませた。
「佐久間主任にご褒美を貰える! これでどうだっ!!」
周りは「何それ?」と言った顔だが、この仁の部下二人には効果抜群なのだ。
「よっしゃ乗った!」
仁を尊敬して止まない門田は乗り気で、要にも申し分のない提案。
ただ、1人を除いては……
「何それ」
要と二人きりより声は高いにしても、仁は不服そうな声を出す。
しかし、乗り気の2人が「お願いします!」と、懇願すれば、仕事モードの仁は断ることが出来ずに了承してしまった。
こうして、要と門田のダイエット勝負が始まった。
シーツに残る温もりを撫で鼻を擦り付ける。微かに残る仁の香りを吸い込むと、一緒に美味しい匂いまで鼻腔を擽った。
ギュルルとお腹が鳴り、身体を起こす。いつもの倍、空腹が酷いのは昨夜何も食べていないから。
要が作った晩御飯は胃に収まることなく冷めてしまった。
その分、別の欲は満タンになり、同じく満たされた恋人の元へ向かう。
「おはよう」
仁はキッチンで髪の毛を濡らしたまま味噌汁を作っていた。ちらりと要を見たあと、昨夜のことを思い出してか「おはよう」と小さな声で返し俯いた。
今になって会議室で積極的に盛った羞恥に苛まれ、要を直視できないでいる。
「味見したい」
と仁を後ろから抱きしめる要の味見は毎朝恒例。仁が料理をする時は必ず味見をしにやってくる。
お椀に味噌汁をよそい、要は目を細めながら試食した。
「美味い。もう一杯!」
差し出した手を仁はピシッと叩く。
「もうすぐ朝ご飯だから我慢して。要の昨日の晩御飯、お弁当に入れたから」
「おう。てか、昨日はどうだった?」
味噌汁で熱くなった唇が仁の耳元で囁く。
「何が?」
肩を跳ねさせた仁が、知らない風を装う。
「淫乱上司」
「ンアッ」
単語だけで反応を見せた仁の背中を人差し指で撫であげる。
お玉が味噌汁の鍋にカランと落下し、縁で弧を描いた。
「まだ……盛ってんの?」
「お前だって盛ってんじゃねーか。足りなかったのか?」
「……会社遅刻するよ。お風呂はいってきなよ」
「素直じゃねーな」
素直なら昨日のようなことにはならない。仁は限界まで我慢して一気に爆発する。昨日のように。
爆発した瞬間は可愛く思えるが、それまでの我慢期間が要にとっても、仁にとっても精神衛生上よくなかった。
「合図決めるか?」
「何の?」
「今日はエッチしたいっていう……イエスノー枕的な」
要の古めかしい提案に仁は反論しない。その方が楽だったからだ。
「まだ素直に「要とエッチしたい」なんて言えねーだろ?」
せっかく名案を出したのに、お決まりの一言多い性格のせいで、仁が目尻を釣り上げた。
「うるさい! とにかくお風呂はいってきなよ! お弁当あげないよ!」
「へいへーい」
要は手を翻しキッチンを出ていく。
これからずっと一緒にいるために、提案してくれている要の背中に仁は「またやってしまった」と素直になれなかった謝罪をした。
そして、この背中への謝罪をよくしているがために……要と仕事も私生活も一緒にいるがために……仁はとんでもないことに気がつけていないでいた。
それから数日後。
イエスノー枕の導入もないまま過ぎたある日、化学事業部はいつもより賑やかだった。なぜなら田中がいないからだ。
そんな和気藹々としたオフィスで門田が声を上げる。
「懐かしいな!」
門田が手にしているのは写真だった。他は首を傾げるが要だけが「あーそれか」と写真がなにか知っている風だ。
「俺の痩せている頃ですよ!」
と、門田が自慢げにいうと、営業のデスクだけでなく、他のデスクの社員まで門田の周りに群がった。
「これ門田君?!」「じゃ、隣は松田君か」「本当だ痩せてる」「二人ともイケメンねー」
と社員が写真の感想を言い合う。
そのまま入社式の写真は回され、最後に門田が仁の元に持ってきた。
「主任と会う前ですよ!」
と言われ、仁も興味津々に写真に目を走らせる。
先に見つけたのは……
(要、可愛いなぁ)
緊張で強ばる要の姿だった。
パリッとしたスーツに柄のないネクタイ。髪はいつもより撫で付けられている。
そしてその横には……
「門田君、かっこいいね」
痩せている門田は顔が今より濃く、男前だ。肩幅だけは太っていなくても広いようで、要より逞しい。
「かっこいいですか?!」
門田が目を輝かせる。他の社員も言っているのに、仁に言われると人一倍嬉しそうな表情を咲かせた。
「うん。かっこいいよ」
そう言いながら写真を返す。それを抱きしめ門田は「ダイエットしよっかなぁ」と呟いた。
「不摂生やめたら痩せるかな? なぁ松田はどう思う?」
要の眉がピクリと動く。
「お前はそのままでも、十分イケメンだぞ」
と言えば、周りが口笛を鳴らす。
同期の顔をしているが、仁にはその裏にある嫉妬が見えた。
(要が1番に決まってるのに……)
と心で告白したが、いつも通りそれが口から出ることは無い。
もちろん言わなければ要にも理解してもらうことはできない。
これはまた夜に面倒が起きそうだと仁はため息をついた。
そしてその面倒はすぐに来た。
「佐久間主任、ちょっといいですか?」
と秒で要に呼び出される。
カモフラージュの書類を手にし、仁は素直に従った。
案の定、ミーティング室に入った途端、閉まっているブラインドを確認した要が仁をテーブルに押し倒した。
「ここ会社」
「どの口が言ってんだよ、淫乱上司」
「……はぁ。で、何?」
「俺にも言えよ」
「……かっこいいって?」
「分かってんじゃねーか」
仁は覆い被さる要を見上げる。
怒った表情だが、いつもと何かが違う。
「要?」
「なんだよ」
瞬きをした仁が、要に手を伸ばす。それに満足気な笑みを浮かべた要だったが、その緩んだ頬を2本の指で摘まれた。
「太った?」
「えっ?」
要が仁から身体を起こし、摘まれた頬をペチンと叩く。そして慌ててベルトを外し腹の肉を確認しようとする。
その時仁は見てしまった。
「ベルトの穴、綺麗だね」
フックは綺麗な穴に通されている。その穴の横には広がった穴。
移動の向き的にベルトを緩めたという事だ。
そしてその下のお腹の肉を要は摘んだ。
「や、やべぇ」
ずっと一緒にいるせいで気づかなかった。
要は太っていたのだ。
「ちょ、ちょっと待ってろ!」
慌ててミーティング室から出て、門田に入社式の写真をもう一度見せてもらう。
そして門田がそこに写る要と今の要を見比べる。
「あー、やっぱりお前太ったな!」
ガハハと笑う門田に要はムッとした。
「やっぱり?!」
「いや、最近丸くなったなーと思って!」
「分かってたんなら言えよ!」
「仕事のストレスで太ったんなら言い難いだろ? それともあれか、幸せ太りか? 最近手作り弁当食ってんもんなー!」
羨ましいと茶化す門田だったが、要からすれば由々しき事態だ。
しかし仁は「幸せ太り」と言われた時の要の笑顔を見逃さなかった。これでは強く言うことはできない。
焦る要が閃く。
「門田、勝負だ!」
「あ?」
「ダイエットしよう。より多く痩せた方が──」
みな勝者の褒美が何なのか耳を澄ませた。
「佐久間主任にご褒美を貰える! これでどうだっ!!」
周りは「何それ?」と言った顔だが、この仁の部下二人には効果抜群なのだ。
「よっしゃ乗った!」
仁を尊敬して止まない門田は乗り気で、要にも申し分のない提案。
ただ、1人を除いては……
「何それ」
要と二人きりより声は高いにしても、仁は不服そうな声を出す。
しかし、乗り気の2人が「お願いします!」と、懇願すれば、仕事モードの仁は断ることが出来ずに了承してしまった。
こうして、要と門田のダイエット勝負が始まった。
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