358 / 438
第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その251裏
しおりを挟む
「チィッ!」
興醒めな奴め。
何のためにここまで来て、その舞台に立ちやがったんだ。
リョウマ族の株まで下げやがって。肝心な時に牙を抜くバカがいるか!?
この誇闘会に出る以上、闘わないという選択肢はない。
下手な事をすればハムカンデに殺されるのが目に見えている。
そうなる前に、俺がお前を殺してやる。
相手は黒眼五人衆、小鈴、太鼓六変人等のハムカンデ直下の宝酷城天守層組ではなく、お前が連れたゼドケフラーのただの幼獣だ。大きな運を手に入れたにも関わらず、逃すなんてな。
この場に集った多くの者達の狂気にでも怖気付いたか。
俺だったら、とっくに幼獣のゼドケフラーを倒し、望みを叶えてもらう。
まさかそのゼドケフラーに感情移入でもしているのか?
ふざけた奴だ。
自分以外はいつ裏切るかもわからない者達ばかり。
蔵馬天門の奴らがいい例だ。
極少数のみ伝承される唯一無二の奥義を会得しようと、裏では裏切り、殺し合いの連続だ。
俺は奴らを警戒しながら過ごし、生き延びながら、鍛錬を続けたが。
俺は禁断の建物である唐津東堂に入り込み、極意の書を盗んだと濡れ衣を着せられた。
俺がやる訳がない。
何度思い出しても、頭に血が上るぜ。
俺は紅羽流刀術で師範に認められ、あの蔵馬天門に入る事ができた。
それなのに奴らは散々俺の修行の邪魔をしてくれた挙句、偽りの情報を流され、俺は追われる身となった。
あの刀剣術は本来、書き起こす事の許されない、口頭での伝承しか許されていないはず。
それを口外されたくないための口封じでもあった。
俺の身を案じて同行した奴が、結局は俺への刺客だったな。
それに気づいた俺は、やられる前にそいつを斬り倒した。
門下生だった時には俺に飯を注いでくれたりした。この時世、珍しく気の緩いカスだった。
結局はこの世は弱肉強食なんだって事だ。
星の崩壊でリョウマ族の故郷ごと消滅したと知った時には、この上ない喜びだったぜ。
蔵馬天門の奴らを皆殺しにする手間が省けた。
リョウマ族は俺1人でいい。
俺がリョウマ族の至高の存在だって証明してやるよ。
おい、名無し野郎。
リョウマ族もどき野郎が!
俺に恥かかせるんじゃねえよ。
早く、そのゼドケフラーを殺しちまえ!
そして、その後で真のリョウマ族である俺が、お前をなぶり殺してやるよ。
興醒めな奴め。
何のためにここまで来て、その舞台に立ちやがったんだ。
リョウマ族の株まで下げやがって。肝心な時に牙を抜くバカがいるか!?
この誇闘会に出る以上、闘わないという選択肢はない。
下手な事をすればハムカンデに殺されるのが目に見えている。
そうなる前に、俺がお前を殺してやる。
相手は黒眼五人衆、小鈴、太鼓六変人等のハムカンデ直下の宝酷城天守層組ではなく、お前が連れたゼドケフラーのただの幼獣だ。大きな運を手に入れたにも関わらず、逃すなんてな。
この場に集った多くの者達の狂気にでも怖気付いたか。
俺だったら、とっくに幼獣のゼドケフラーを倒し、望みを叶えてもらう。
まさかそのゼドケフラーに感情移入でもしているのか?
ふざけた奴だ。
自分以外はいつ裏切るかもわからない者達ばかり。
蔵馬天門の奴らがいい例だ。
極少数のみ伝承される唯一無二の奥義を会得しようと、裏では裏切り、殺し合いの連続だ。
俺は奴らを警戒しながら過ごし、生き延びながら、鍛錬を続けたが。
俺は禁断の建物である唐津東堂に入り込み、極意の書を盗んだと濡れ衣を着せられた。
俺がやる訳がない。
何度思い出しても、頭に血が上るぜ。
俺は紅羽流刀術で師範に認められ、あの蔵馬天門に入る事ができた。
それなのに奴らは散々俺の修行の邪魔をしてくれた挙句、偽りの情報を流され、俺は追われる身となった。
あの刀剣術は本来、書き起こす事の許されない、口頭での伝承しか許されていないはず。
それを口外されたくないための口封じでもあった。
俺の身を案じて同行した奴が、結局は俺への刺客だったな。
それに気づいた俺は、やられる前にそいつを斬り倒した。
門下生だった時には俺に飯を注いでくれたりした。この時世、珍しく気の緩いカスだった。
結局はこの世は弱肉強食なんだって事だ。
星の崩壊でリョウマ族の故郷ごと消滅したと知った時には、この上ない喜びだったぜ。
蔵馬天門の奴らを皆殺しにする手間が省けた。
リョウマ族は俺1人でいい。
俺がリョウマ族の至高の存在だって証明してやるよ。
おい、名無し野郎。
リョウマ族もどき野郎が!
俺に恥かかせるんじゃねえよ。
早く、そのゼドケフラーを殺しちまえ!
そして、その後で真のリョウマ族である俺が、お前をなぶり殺してやるよ。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
婚約破棄はいいですが、あなた学院に届け出てる仕事と違いませんか?
来住野つかさ
恋愛
侯爵令嬢オリヴィア・マルティネスの現在の状況を端的に表すならば、絶体絶命と言える。何故なら今は王立学院卒業式の記念パーティの真っ最中。華々しいこの催しの中で、婚約者のシェルドン第三王子殿下に婚約破棄と断罪を言い渡されているからだ。
パン屋で働く苦学生・平民のミナを隣において、シェルドン殿下と側近候補達に断罪される段になって、オリヴィアは先手を打つ。「ミナさん、あなた学院に提出している『就業許可申請書』に書いた勤務内容に偽りがありますわよね?」――
よくある婚約破棄ものです。R15は保険です。あからさまな表現はないはずです。
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』にも掲載しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす
こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる