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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い

その175裏

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ガチャ、ガチャ!



「俺が入ったら鍵を閉めて、少し扉から離れた方が良いよー」



「はい、ナグ」



ギィ…。



バンッ!



ガチャッ!



「ガルルルルルルッ!!」



お前らみたいな意味分からない種族が、一番嫌いなんだよねぇ?

この場所を奪い取るために一緒に戦ったくせしてさ、ハムカンデから約束の物を貰えないとわかったら、その場いる者達を巻き込んで無茶苦茶しやがってさぁ…。

俺の刀技をまともに食らったのに、すぐ様凶悪な攻撃を返してきた。



「そう。今のお前みたいに、大きな体してたかなぁ…?いや、お前は浮腫んでるだけかも知れないなー」



エズアめ…。

できれば俺がこの手で殺してやりたかった。

でも、俺はお前の爪が喉と胸に入って、瀕死の状態だったからさぁ。

ハムカンデが、魔法をかけた。俺の体を死に際から5分程度遡らせ、そこから次第に時間が進み、致命傷になり、そしてまた時を遡り、時間が死に際まで進む、その繰り返し。5分程度の時間を行き来して、死なない様にした。だけど、それはもう、古球磨ごくま族の誇りなんてない、ハムカンデの操り人形に成り下がった瞬間でもあった。

ハムカンデは、このゼドケフラーを使って何かをしようとしているんだ…。

だから、結晶化していたエズアの狂気と化した血を、このゼドケフラーの体に注入して、凶暴化させようとしているんだよ。



カキャンッ。



バキッ!



「もうこれ以上のエズアの血はいらないよねえ?十分、凶暴になった…」



「ガルルルルルルッ!!」



俺達の頭目からお前の抹殺指令が出たからねえ。



「エズアへの復讐の機会がようやく訪れたよ。今度は、手加減など不要。覚悟しろよなぁ…」



「ガルルルルルルァッ!!!」



黒眼こくがん五人衆のこのナグが、今度こそ、お前を…殺す!」



その目の光。殺意に満ちているのは、さすがだエズア。そのゼドケフラーに注入されたお前の血で、よく俺を見ろよ。

お前が無惨に殺される最後の相手だ。



「ガルルルルァアア!!」



ダダダダッ!



「そうだ、来い!さぁ、殺し合いの始まりだ…!」



シャキンッ!



「薄暗がりの中でも、俺の目はしっかりとお前を捉えてんだよッ!?」



「ガルルルルルルアッ!!」



ビュンッ!!



正面から襲ってきて、その安直な攻撃じゃ、攻撃が鋭くても、お前に勝機はない!



「どうした!?エズアッ!!また、俺を殺してみなよぉぉおっ!」



「グワァァオオゥッ!!」



ビュンッ!!



「そんな大振りな爪攻撃が、俺に当たると本当に思ってるなんてねえ!?」



バカめ!力に頼った戦い方でこの俺を倒せるとでも思ったのか!



「慢心!それが、命取りなんだよッ!!」



ダッ!



見切ったぞ!!



「グワァァッ!?」



横を取った!呆気ない、これでお前も終わりだな?ゼドケフラー絶滅だ!!



「今度こそ、くたばれえぇッ!!」



傷口がズタズタに切り刻まれ、治癒の間もなく、その身から流れ落ちる夥しい血の池に、その身を沈めよ!!



シュバッ!!



「食らえッ!エズアッ!!!」



「腐乱天元斬り!!!」


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