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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その154
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オーロフ族は元々、この大陸の南に住んでいたんだろ?《冬枯れの牙》との争いを嫌って、北の方に拠点を作ったという様な事を誰か言ってたよな?それがこの街だったはず。
実際は、古球磨族が《冬枯れの牙》と敵対関係にあったんだろ?それなら、古球磨族との関係を切れば、南から動かずに済んだ?
いや、オーロフ族が東角猫族を支配できたのも、古球磨族の残忍な性格と力があったからだろうな。オーロフ族が古球磨族をうまく手なずけられたのが大きかった。その古球磨族を手放す事なんてできるはずがない。
だから、どのくらいの人数かわからないけど、オーロフ族を分け、故郷を離れて、古球磨族と一緒にこの場所に来たんだろう。
その古球磨族の黒眼五人衆をどうにかすれば、オーロフ族の勢いはなくなるのか?
魔闘石のおかげで、力は増しているから、昔ほど黒眼五人衆に頼らなくてもいい?
でも、街中で無差別に斬るゲル、宝酷城の天守層にいた包帯ぐるぐる男のナグ、そしてメベヘ。今でも古球磨族に頼っている様に思えるから、魔闘石があっても、まだ圧倒的な力はないのかな。
ハムカンデは別だろうけど。
ゼドケフラーのエズアの魔力を取り込んでいるっていう話だからな。
オーロフ族を束ねているのがハムカンデなら、ハムカンデと黒眼五人衆が仲悪くなれば、この街は崩壊するか?
その隙にパルンガを助け出して、街から抜けるとか。
誰かと誰かを仲違いさせてとか、そんな事はしたくはない。
学校でもそんな陰湿な奴がいた様な気がする。
そんな奴らとは同じにされたくない。
命がかかってるのに、そんな事気にする必要はないのか?
いや、俺が自分を嫌いたくないからな。
もう、これ以上。
「そのリョウマ族、会ってみたいな…」
「そうか?役不足で、今は東角猫族と同等の奴隷の様な立場にまで下がっておる。会っても、己の一つの未来を見ている様でつらくなるのではないかな?」
チッ。本当にムカつく言い方するジジイだな。その獣の垂れ耳加減がたまにかわいさアピールしてるみたいで、異様に吐き気がしてくるし。一度、耳を直撃で殴ってみてもいいかな。
「いや、同じ轍を踏まない様にさ、見ておきたいんだよ」
「クフォフォフォ…。それも良いのかもな。ハムカンデに気に入られれば、城にいる東角猫族の小鈴みたいに格上げされるかも知れないからな」
「昨日、ボルティアに行くと言っていただろう?そこで働いているダメルにでも聞いてみるといい。教えてくれるはずじゃ」
リョウマ族は俺の想像と同じなら、同じ人種に近い性格。
久しぶりに、元の世界に戻った気になれる様な気がする。
早く会ってみたい。
そして、意気投合したら、俺に力を貸してくれないかな。
ただ、この世界の人間には違いないから、用心はしておくべきか。
「お前は変わった奴だ。相手を見る目は様々だが、その瞳の奥に窺い知れる純粋な性質は、この世界には珍しい…」
あー、そうかよ。俺が未熟だって言いたいんだろ?俺もこのままでいいなんて思ってねえよ。この街を出る事ができたら、この体を鍛えて、この世界の奴らに対抗できる様にしてやる。
このままだと、命がいくつあっても足りないからな。
「もし、そのリョウマ族に会ったら、距離は取るべきだ。心が荒み切っておるからな」
それはお前達の心が腐ってるからじゃねえのか?
「ああ。気をつけるよ」
ドタ…。
ん?
何だ?ここから50m先で、人が倒れてる?
「使えない東角猫族が、主人の反感を買ったか。さすがにもう殺しはせんだろうなぁ。東角猫族は要らぬ誇りを捨て切れず反抗した結果、死人が多く出たのだから。奴隷が少ないのも、オーロフ族の生活に支障も出る…」
何だと?
…フラフラしてるけど、起き上がった。黒い家から出てきたのはオーロフ族か?フラフラしている人の髪の毛をつかんで、家に引っ張って行ったぞ。ひどい扱いしてんな。でも、これが奴隷の扱いって事か?
「ワシらとて、必死という事だ。お前にはどう映るのかわからないがなぁ?」
お前らオーロフ族は、東角猫族が取りに行ったエサを口にしてるだけだろ?何もしてねえのに、いい身分だな。
「今は怒りの感情が露わにはできないのは、何処かで知ったかな?怒りの感情は空が持っていってしまうんじゃから。ワシらにとっても難しい街になった。しかしな、まだオーロフ族の支配は変わらんよ」
オーロフ族は胸に魔闘石を胸につけて、東角猫族が魔力を持ち帰るのを待つ。力が蓄えられるまで古球磨族に守ってもらい、オーロフ族の力が十分についたら、その時はどうするんだろうな。東角猫族や古球磨族の出方次第では、倒す気でいるのかも知れない。盗人民族とか言われてたオーロフ族がここまでやる様になるなんて、相当イカれてるぜ。
「その剣は、鞘にでもしまったらどうかな?剥き出しで持つなど、品のない事だよ…」
へっ。お前らオーロフ族に言われたらおしまいだ。
品のないのは、お前らの方だろう。
それに、この大剣を納める鞘なんてないだろう。
あるんなら、持ってきてくれよ。
俺も意外と不便なんだ。疲れてる時なんか、たまに自分の足にカツンと当たる時があるんだからな。
「お前がこの街に貢献できるかどうかで、待遇も多少は変わるかも知れんが。ここのやり方に慣れておけよ…。どうせ、この街からは一生、出られないのだからな」
あの城に行くという事は、ハムカンデの彫魔法の地場止を受けるという事なのか?俺はこの街に入った時から、この街の奴らの術中にはまっていたって事か?
何処かで敷かれたレールから脱線してやらないと、俺の人生が終わる。
パルンガも、体の異変を感じるし、早く成獣にしてやらないと。
…。
この世界の住人で、信頼できるパルンガと離れ離れにされたのは、想像以上にまずいな。
何をすればいいか、わからねえ…。
実際は、古球磨族が《冬枯れの牙》と敵対関係にあったんだろ?それなら、古球磨族との関係を切れば、南から動かずに済んだ?
いや、オーロフ族が東角猫族を支配できたのも、古球磨族の残忍な性格と力があったからだろうな。オーロフ族が古球磨族をうまく手なずけられたのが大きかった。その古球磨族を手放す事なんてできるはずがない。
だから、どのくらいの人数かわからないけど、オーロフ族を分け、故郷を離れて、古球磨族と一緒にこの場所に来たんだろう。
その古球磨族の黒眼五人衆をどうにかすれば、オーロフ族の勢いはなくなるのか?
魔闘石のおかげで、力は増しているから、昔ほど黒眼五人衆に頼らなくてもいい?
でも、街中で無差別に斬るゲル、宝酷城の天守層にいた包帯ぐるぐる男のナグ、そしてメベヘ。今でも古球磨族に頼っている様に思えるから、魔闘石があっても、まだ圧倒的な力はないのかな。
ハムカンデは別だろうけど。
ゼドケフラーのエズアの魔力を取り込んでいるっていう話だからな。
オーロフ族を束ねているのがハムカンデなら、ハムカンデと黒眼五人衆が仲悪くなれば、この街は崩壊するか?
その隙にパルンガを助け出して、街から抜けるとか。
誰かと誰かを仲違いさせてとか、そんな事はしたくはない。
学校でもそんな陰湿な奴がいた様な気がする。
そんな奴らとは同じにされたくない。
命がかかってるのに、そんな事気にする必要はないのか?
いや、俺が自分を嫌いたくないからな。
もう、これ以上。
「そのリョウマ族、会ってみたいな…」
「そうか?役不足で、今は東角猫族と同等の奴隷の様な立場にまで下がっておる。会っても、己の一つの未来を見ている様でつらくなるのではないかな?」
チッ。本当にムカつく言い方するジジイだな。その獣の垂れ耳加減がたまにかわいさアピールしてるみたいで、異様に吐き気がしてくるし。一度、耳を直撃で殴ってみてもいいかな。
「いや、同じ轍を踏まない様にさ、見ておきたいんだよ」
「クフォフォフォ…。それも良いのかもな。ハムカンデに気に入られれば、城にいる東角猫族の小鈴みたいに格上げされるかも知れないからな」
「昨日、ボルティアに行くと言っていただろう?そこで働いているダメルにでも聞いてみるといい。教えてくれるはずじゃ」
リョウマ族は俺の想像と同じなら、同じ人種に近い性格。
久しぶりに、元の世界に戻った気になれる様な気がする。
早く会ってみたい。
そして、意気投合したら、俺に力を貸してくれないかな。
ただ、この世界の人間には違いないから、用心はしておくべきか。
「お前は変わった奴だ。相手を見る目は様々だが、その瞳の奥に窺い知れる純粋な性質は、この世界には珍しい…」
あー、そうかよ。俺が未熟だって言いたいんだろ?俺もこのままでいいなんて思ってねえよ。この街を出る事ができたら、この体を鍛えて、この世界の奴らに対抗できる様にしてやる。
このままだと、命がいくつあっても足りないからな。
「もし、そのリョウマ族に会ったら、距離は取るべきだ。心が荒み切っておるからな」
それはお前達の心が腐ってるからじゃねえのか?
「ああ。気をつけるよ」
ドタ…。
ん?
何だ?ここから50m先で、人が倒れてる?
「使えない東角猫族が、主人の反感を買ったか。さすがにもう殺しはせんだろうなぁ。東角猫族は要らぬ誇りを捨て切れず反抗した結果、死人が多く出たのだから。奴隷が少ないのも、オーロフ族の生活に支障も出る…」
何だと?
…フラフラしてるけど、起き上がった。黒い家から出てきたのはオーロフ族か?フラフラしている人の髪の毛をつかんで、家に引っ張って行ったぞ。ひどい扱いしてんな。でも、これが奴隷の扱いって事か?
「ワシらとて、必死という事だ。お前にはどう映るのかわからないがなぁ?」
お前らオーロフ族は、東角猫族が取りに行ったエサを口にしてるだけだろ?何もしてねえのに、いい身分だな。
「今は怒りの感情が露わにはできないのは、何処かで知ったかな?怒りの感情は空が持っていってしまうんじゃから。ワシらにとっても難しい街になった。しかしな、まだオーロフ族の支配は変わらんよ」
オーロフ族は胸に魔闘石を胸につけて、東角猫族が魔力を持ち帰るのを待つ。力が蓄えられるまで古球磨族に守ってもらい、オーロフ族の力が十分についたら、その時はどうするんだろうな。東角猫族や古球磨族の出方次第では、倒す気でいるのかも知れない。盗人民族とか言われてたオーロフ族がここまでやる様になるなんて、相当イカれてるぜ。
「その剣は、鞘にでもしまったらどうかな?剥き出しで持つなど、品のない事だよ…」
へっ。お前らオーロフ族に言われたらおしまいだ。
品のないのは、お前らの方だろう。
それに、この大剣を納める鞘なんてないだろう。
あるんなら、持ってきてくれよ。
俺も意外と不便なんだ。疲れてる時なんか、たまに自分の足にカツンと当たる時があるんだからな。
「お前がこの街に貢献できるかどうかで、待遇も多少は変わるかも知れんが。ここのやり方に慣れておけよ…。どうせ、この街からは一生、出られないのだからな」
あの城に行くという事は、ハムカンデの彫魔法の地場止を受けるという事なのか?俺はこの街に入った時から、この街の奴らの術中にはまっていたって事か?
何処かで敷かれたレールから脱線してやらないと、俺の人生が終わる。
パルンガも、体の異変を感じるし、早く成獣にしてやらないと。
…。
この世界の住人で、信頼できるパルンガと離れ離れにされたのは、想像以上にまずいな。
何をすればいいか、わからねえ…。
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