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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い

その152裏

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「ここらから去れ…」



「何処にいるのか?その声はエズア…?」



「全ての行いは、わざわいとなり、我が身に降り掛かった…」



「とても恐い声をしているど!何処にいるんだ、エズア!」



「道の分岐に選択を誤ったか…」



「エズア!?」



「…」



オデは、また昔のように、みんなを助けるゼドケフラーを、エズアを見たいんだど。

みんないなくなった。

母獣マグはもういない…。

もっと、もっと小さい頃、オデ達は、母獣からひとり立ちするから、あまり覚えていない。

でも、心も、体も温かくて、うれしくて。

そんな記憶。

父獣ファルマは見た事がない。元々、そういう存在だと聞いたけど、一度は見てみたかったど。

きっと。

エズアみたいに恐いもの知らずで、強くて、たまに優しい…。

誰からも頼られていて。

オデも…。

なれるかな?

エズアみたいな、成獣に。



「お前の歩む道に…」



「エズア!オデは…、オデはエズアみたいな成獣になりたいんだど!」



「きっと…」



「そうだど!オデは…」



「なれない…」



「え…?」



「お前は遅過ぎたんだ…。もう、どうしようもない」



「オデは…」



「もう、細胞の壊死が末端から始まっている…」



「…エズア」



「パルンガよ…。お前はどうする?」



「…」



「私の最後は…愚かなものだった」



「…お前は、この場所では死ぬな」



「オデは、必ず…」



オデは…成獣に。

大丈夫、オデには名前を持ってないって言ってた、少し変わった住人だけど、あのリョウマ族がついてるんだど。

オデを助けてくれたんだど。



「オデは、成獣になるまであきらめないんだど!!」



まだ動ける。

オデは、ベルダイザーを倒して、必ず成獣になるんだど。

負けないんだど!
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