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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その15
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金色の鎧姿の強化戦士か。
微動だにしないけど、もしかしてカカシじゃないよな。
「ここから石を投げてみようか?」
投げた結果、こっちに向かってくるだろうけど、俺が倒せと言いたいんだよな?もし仮に俺が倒せたとして、それを知ったボーグン族が快く迎えてくれるとでも思ってんのか。街を守ってた強化戦士、倒しておいたからさ、ちなみに、エルヴァ・ガインシュタットいる?話聞きたいんだけど?って言うのか?120%危険人物としてしか見なされないぞ。
「ボーグン族の警戒心煽るだけだろ?止めとこうぜ。倒さずに、何とかうまく街に入れる方法探そう」
「ボーグン族は、相手を認めないと、まともに話をしてくれないと言う住人もいるくらい、誇り高いのさ。自慢の強化戦士を倒すくらいやらないと、僕達を認めてはくれないよ」
本当か?その情報…。考えるのが面倒臭いだけじゃないのか??
「強化戦士が僕達に反応するかはわからないさ。街の入り口には、門番が別にいる。合言葉を言えば、無事に通り抜けられる可能性もあるけれど、君には、あの強化戦士と戦ってもらいたいんだ。この第2大陸で行動する上で、君にはボーグン族に認められる必要があるのさ」
「何か、協力を得られるかも、か?」
「可能性はあるだろうね」
「お前も、認められないといけないな」
「フフフ。僕は、君が思っている以上に、美形なのさ」
はあ?力か、美形かで決めるのか?何だその意味不明な査定基準は。力を見せてみろ、でも、美形なら良し♡とか言うのか?それが本当なら、100回は死なないとダメな種族じゃないか。
「君は、急に強くなったりするからね。またその力を僕に見せて欲しいな」
こいつ、俺の力の秘密を知りたいだけなんじゃないのか?何か企んでるのか。シュティール、油断ならない奴だな。
「バニラアイス食わせたら、笑顔で通してくれたりしてな」
「彼らボーグン族の働きには、大陸の命運がかかっているのに、その守護兵がバニラアイスで買収される訳ないよね」
「ま、そうだな」
「クレープアイスだったら、わからないけどね」
当然、断られるに決まってる。ボーグン族の命が、クレープアイスよりランクが低い訳ないだろう。
「強化戦士は、危険と感じた相手に対して攻撃する機械兵なんだけど、特別に知能を持っている訳じゃないから、変に情をかけたりなど不要だからね。つまり、手加減は無用さ」
「そうか…。じゃあ、思いっきりやるだけか?」
「アバルマの沼にいたオルドキメラを倒した時の様な力を出さないと、君は勝てないよ。そのつもりでいてね」
霧蔵の力を得た時の様な?…じゃあ、無理じゃないのか?俺の意思で、霧蔵を呼んだりなんて、できないんだから。俺の今の力じゃ、霧蔵の力の足元にも及ばない。
「お前、強化戦士の事とか、この街の事について詳しそうだよな。今回は、お前が倒してくれよ」
「僕は挑発専用の住人で、戦闘専用の住人には、なりたくはないんだ」
何だ?その、なりたくはないんだ、って。このキチガイな世界の住人のくせに。わがままは許しませんよ。
「じゃあ、今回は挑発専用になって…」
ガキン!
「じゃあ、後は頼んだよ!」
このバカシュティールが、強化戦士に何かをぶち当てて、強化戦士が起動、こっちに凄い勢いで走って向かってきやがった。余計な事しやがって!
「…テメェ!どうすん…」
あれ?シュティールがいない。
強化戦士の、兜の奥に光る赤い目が恐い!シュティール!
機械じゃ、心臓なんて、ないんだろ?どう戦う?旅館で襲われた時の泥人形、あいつも機械みたいだったけど、明らかに強化戦士の方が動きが速い!どうする?どうするんだ!?
…。
俺は日本人だけど、この体は、この世界のものだ。危険な戦いを繰り返して、体が学習している。次元斬崩れだけど、霧蔵の力が体に入ってなくても、少しはできる様にもなった。大剣も、最初の頃よりすげぇ重いなんて思わなくなってきたんだ。
誰の力も借りない、今の俺が、何処までできる?この体は、大して筋肉痛もなく、戦いの経験を吸収している。戦い慣れてきている。すげぇよ。そんな今の俺が、何処まで戦えるか、知りたい。
強化戦士の動きは、見えている。
ようし!
大剣の握りを、強く握っても、手が震えない。俺自身、少し戦いに自信を持ってきたか。
霧蔵と、右京のおかげだ。
手加減なしでいくぞ!
大剣を水平に構えて、と。
ようし…。
俺は冷静だ。
俺は。
冷静だ。
微動だにしないけど、もしかしてカカシじゃないよな。
「ここから石を投げてみようか?」
投げた結果、こっちに向かってくるだろうけど、俺が倒せと言いたいんだよな?もし仮に俺が倒せたとして、それを知ったボーグン族が快く迎えてくれるとでも思ってんのか。街を守ってた強化戦士、倒しておいたからさ、ちなみに、エルヴァ・ガインシュタットいる?話聞きたいんだけど?って言うのか?120%危険人物としてしか見なされないぞ。
「ボーグン族の警戒心煽るだけだろ?止めとこうぜ。倒さずに、何とかうまく街に入れる方法探そう」
「ボーグン族は、相手を認めないと、まともに話をしてくれないと言う住人もいるくらい、誇り高いのさ。自慢の強化戦士を倒すくらいやらないと、僕達を認めてはくれないよ」
本当か?その情報…。考えるのが面倒臭いだけじゃないのか??
「強化戦士が僕達に反応するかはわからないさ。街の入り口には、門番が別にいる。合言葉を言えば、無事に通り抜けられる可能性もあるけれど、君には、あの強化戦士と戦ってもらいたいんだ。この第2大陸で行動する上で、君にはボーグン族に認められる必要があるのさ」
「何か、協力を得られるかも、か?」
「可能性はあるだろうね」
「お前も、認められないといけないな」
「フフフ。僕は、君が思っている以上に、美形なのさ」
はあ?力か、美形かで決めるのか?何だその意味不明な査定基準は。力を見せてみろ、でも、美形なら良し♡とか言うのか?それが本当なら、100回は死なないとダメな種族じゃないか。
「君は、急に強くなったりするからね。またその力を僕に見せて欲しいな」
こいつ、俺の力の秘密を知りたいだけなんじゃないのか?何か企んでるのか。シュティール、油断ならない奴だな。
「バニラアイス食わせたら、笑顔で通してくれたりしてな」
「彼らボーグン族の働きには、大陸の命運がかかっているのに、その守護兵がバニラアイスで買収される訳ないよね」
「ま、そうだな」
「クレープアイスだったら、わからないけどね」
当然、断られるに決まってる。ボーグン族の命が、クレープアイスよりランクが低い訳ないだろう。
「強化戦士は、危険と感じた相手に対して攻撃する機械兵なんだけど、特別に知能を持っている訳じゃないから、変に情をかけたりなど不要だからね。つまり、手加減は無用さ」
「そうか…。じゃあ、思いっきりやるだけか?」
「アバルマの沼にいたオルドキメラを倒した時の様な力を出さないと、君は勝てないよ。そのつもりでいてね」
霧蔵の力を得た時の様な?…じゃあ、無理じゃないのか?俺の意思で、霧蔵を呼んだりなんて、できないんだから。俺の今の力じゃ、霧蔵の力の足元にも及ばない。
「お前、強化戦士の事とか、この街の事について詳しそうだよな。今回は、お前が倒してくれよ」
「僕は挑発専用の住人で、戦闘専用の住人には、なりたくはないんだ」
何だ?その、なりたくはないんだ、って。このキチガイな世界の住人のくせに。わがままは許しませんよ。
「じゃあ、今回は挑発専用になって…」
ガキン!
「じゃあ、後は頼んだよ!」
このバカシュティールが、強化戦士に何かをぶち当てて、強化戦士が起動、こっちに凄い勢いで走って向かってきやがった。余計な事しやがって!
「…テメェ!どうすん…」
あれ?シュティールがいない。
強化戦士の、兜の奥に光る赤い目が恐い!シュティール!
機械じゃ、心臓なんて、ないんだろ?どう戦う?旅館で襲われた時の泥人形、あいつも機械みたいだったけど、明らかに強化戦士の方が動きが速い!どうする?どうするんだ!?
…。
俺は日本人だけど、この体は、この世界のものだ。危険な戦いを繰り返して、体が学習している。次元斬崩れだけど、霧蔵の力が体に入ってなくても、少しはできる様にもなった。大剣も、最初の頃よりすげぇ重いなんて思わなくなってきたんだ。
誰の力も借りない、今の俺が、何処までできる?この体は、大して筋肉痛もなく、戦いの経験を吸収している。戦い慣れてきている。すげぇよ。そんな今の俺が、何処まで戦えるか、知りたい。
強化戦士の動きは、見えている。
ようし!
大剣の握りを、強く握っても、手が震えない。俺自身、少し戦いに自信を持ってきたか。
霧蔵と、右京のおかげだ。
手加減なしでいくぞ!
大剣を水平に構えて、と。
ようし…。
俺は冷静だ。
俺は。
冷静だ。
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