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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生

その61

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右京と霧蔵は、優しい光に包まれて、俺の目の前から消えていった。



2人共、笑顔だった。



ありがとう、右京。



…霧蔵。














側に前のめりで倒れていたうさ耳オヤジの目は開いたまま、動かない。



口からわずかに血を垂らし、死んでいる。



次元斬で、心臓だけを斬った。



うさ耳オヤジを見てると、動き出してもおかしくはない様にも見えるけど、心臓が1つなら、もう死んでいる。



もう、悪い事はできないだろ?



《冬枯れの牙》の何とかって奴が、この世界の人も、ゲルロブライザー装置のエネルギーになるって、聞かなかったら、お前はどうしてたんだよ…。



他の方法で悪さして、誰か殺し続けてたか?



この世界の奴は、悪い考えの奴がゴロゴロしてるんだろうな。




まだそんなにこの世界にいるわけじゃないけど、そう感じるよ。





うさ耳姿でも、こんな姿、見ていて気分が悪ぃ…。




この大陸が沈まない様に力を合わせていたソライン族を、ゲルロブライザーとかいう装置に投げ込む必要はなかったな。







俺を、楽しそうに殺そうとしたりさ。






非道な奴だよ。







お前、ムカつく奴だったけど。





普通のオヤジの状態で話してた時は、お前、そんなに悪い奴に見えなかった。




もしかして、お前が尊敬してたグレンベールが失踪なんてしてなければ…。









どうなのか、わからない、よな。










残念だ。












お前がいた店に、途中に現れたうさ耳野郎が、何か作業してるな。こっちは、全く気にしてないみたいだ。そんなもんなんだな、お前達って。






石橋の上を歩いてる人達も、澄ました顔をして、ただ歩いているよ。この状況を、気づいていない事はないよな?





これが、ここの日常か?





何か、俺も感覚がマヒしてきた気がするよ。





やられる前に、やるべき…








ここの世界じゃ、








そんな感じ…か。







勝手に、判断しやがって。







お互いが信用できない、騙されて殺されるかも知れないから、だから、その前に、もっと、もっと、前に、殺そうとするのか?










はぁ…。











考えるの止めた。


















…この大剣、やっぱり重いわ。



俺が怪我してるせいか?いや、元々、重いはず。



でも、何か傷口が塞がってたり、もっと傷が深いと思ってたけど…。



右京のおかげ?




それとも、何か、この体の不思議な仕組みというか…、何というか。





しもべに聞きにいく途中だったな。






傷の手当てをしてもらいたいのが本音だけど、ここの奴らは信用できないしな。








何か、このまま歩ける気がしてきた。









よし、行くか。








でも、








あのしもべに、オネェ、神父オヤジ、鬼畜の…しもべに。








会いに…行くのか。










今さら、嫌な予感が。









転生した2才児姿の時の俺に、大剣と鎧渡して、装備して旅立たせようと急かす奴だ。



イボオカシって微生物に化けて、俺を殺した張本人でもある。









俺にとっては、元凶。










ギルロの体と魂を取り戻せたら、地球に戻してやるみたいな事を言ってたけど。








…まぁ、いいや。








俺の体の事を、一番知っていそうな奴でもあるからな。







仕方がない。







行くか。
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