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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生

その46

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右手が…熱いッ!!



あああー!!!



熱いッ!!!



痛ぇ!!



右手が真っ赤に燃える…!そして、燃えている右手の甲に青白い炎が一点、現れ、何かを描く…!



前回とまた同じなんだけど…。



あああ、熱いッ!!



痛い!痛い!痛い!



「…ひでぇ痛がってるみたいだけどよ。確認だけど、お前が作り出した炎じゃないよな」



「いや、俺だよ、俺。俺が…
ぁあ熱ぃ…!!俺だよ、俺、俺!」



「…こりゃ、絶対に違うだろうな。お前、まさか魔力…いや、関係ねぇ。少しでも足しになれば、それでいいぜ」



少し足しにじゃねーよ、バカ。あれぇ?こんなに熱かったか??とても青白い炎が手の甲の上でお絵描きし終わるのを待ってられないんだけど。





え?






じょ…冗談だろう?







赤い炎に包まれた俺の右手の甲の上に青白い炎がお絵描き。それが終わると、赤い炎と青い炎が混ざり、紫色の炎となり、腕に上っていく。




ここまでは順調に進んでくれた。でも、それと同時に、この炎は俺にとってとても受け入れ難いものだってわかったんだ。




待て!





その紫色の炎は、俺の腕の中に入らせないぜ!?







その力は、いらないんだ。








気のせいか、正露丸汁の中に入っていた痺れ薬の効果が急激になくなっていく。








「目に、力が戻ったな…?」






うさ耳オヤジはそう言って、気に入らないと言わんばかりに唾を吐いた。そして、腰を低くして両手の爪を5cmほど伸ばし、咆哮する。






痺れは大分取れたけど、このままかかって来られたら、やられるのは、変わらな…、いや、違う。







霧蔵が俺に教えてくれた技を、やってやる。







身体能力は霧蔵が体の中にいた時より、ずっと、ずっと、落ちているのは、わかっているんだ。





あの研ぎ澄まされた感覚がないのに、霧蔵の次元斬をやるなんて、遥かに難しいのなんて、わかってんだよ。






でも、このまま死ぬのなんて、冗談じゃない!








俺は腰を低くして、大剣を構えた。くそっ、やっぱり大剣が重てーな…。






あのうさ耳オヤジの赤い目が、どうも恐いな。怒っている?それとも、あれが普通?あまりじっと目を合わせない様にしないと。少し恐がると、体が金縛りに合ったみたいに硬直する。





うさ耳オヤジは、準備体操のつもりか、軽快に足踏みをした後、目つきが獲物を捉える目に変わり、左右に跳ねながら俺に近づいてきた。





俺は迫るうさ耳オヤジの動きを見て、タイミングを合わせて、その瞬間がきたと感じた時、腰を軸にして、大剣を振った。







そのつもりだった。








俺の攻撃範囲に入る一歩手前で、うさ耳オヤジの動きが急加速して、そして、見えなくなった。






何処に行った?






冗談じゃねぇ…。






お、お話しライオンより速い…じゃないか。







「お前の背後に回った事すら気づかないなんて…」






冷や汗が背中に一気に滝の様に流れた気がした。信じられないほどの速さ。



嘘だろ…?



目で追えないほどの奴相手に、どうやってこんな重い大剣を当てるんだよ…?






俺の中で、苛立ちとか、恐怖とか、焦りとか、色々なものが混ざってよくわからない。混乱して、冷静になんて、なれなかった。力一杯、手に持っている大剣を振り回した。そうすれば、何とかならないかなんて、甘い期待を寄せて。






「遅いな。その武器の扱い方もまるでなっていないじゃねぇか。どうやって、この俺を捉えるつもりなんだ?ぁあ?そんな、動きでよ!?遅過ぎるんだよ、お前!!」





ぴょんぴょん跳ね回るうさ耳オヤジは、俺が振り回す大剣の上にも、一度飛び乗り、離れていった。バカにしやがって!






まだ俺の右腕に紫色の炎が俺の受け入れを待って、燃えている。紫色の炎は、大して熱くはない。








お前が誰なのか、わかったんだよ。










俺は、お前を受け入れたくはない。









俺は、お前が嫌いだ。









自分が選ばれたかったからって。











私利私欲のため、お前は大切な仲間を、殺したんだからな。









何故、殺した。











何故、霧蔵を殺したんだ…?







互いに励まして、助け合って修業してたじゃないか。







お前が濁流に飲まれた時も、霧蔵が命を懸けて助け出してくれたじゃないか。








何で、その霧蔵を殺した!?












右京!?
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