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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その44
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この世界の奴らが、互いに仲が悪いという話が本当なら、結局は誰を殺そうとも、痛くもかゆくもないんだろうな。
ソライン族は、何で大陸浮遊術を使ったんだ?
脅された?
いや、自分達もこの第2大陸にいたから、助かりたいからやっただけで、他の奴らはオマケなんだろう。
この世界のみんな、どうせ自分の事ばかりなんだよ。
正露丸汁に痺れ薬か?最悪のコンプリートBOXプレゼントしやがって。俺の体じゃないみたいに言う事を聞かない。緊急事態にも関わらず、ご主人様の指示を無視して、俺の体はゆっくりと、動いている。
右、左、右、左…!もっと速く。足を出せ!早く逃げなきゃ、殺されるだろ!
振り向いて、コームーオヤジとの距離感を見るなんて余裕なんてない。この俺の驚異的な足の遅さ、奴は早歩きで簡単に追いつけるだろ?
逃げられないなら、戦うか?
ダメだ。今なら、子犬にすら勝てない。
ましてや、召喚獣なんて、万全の状態でも、勝てる見込みなんて0パーセントだろう。
家でやってた家庭用ゲームのホールスファンタシアに出てくる召喚獣が、登場がカッコいいとか思ってた自分がバカバカしく思えるぜ。今となっては、全ての召喚獣、興醒めだよ。
そもそも、何で、俺がオレンジジュースで殺されて、ギルロの体と魂とか、探させられたり、また殺されそうになったり、こんな目に遭わなきゃいけないんだ。
わざわざ、何で俺を選んだ?
この世界から果てしなく遠い地球の、日本の、近潮町の、高校の、1年の、この俺を。
他にも、たくさんいたじゃないか。
地球上にいるたくさんの人間の中からわざわざ俺を選んでくれた理由を、納得できるまで、聞きたいね。
俺の後ろで、コームーオヤジが冷たそうに笑う声が聞こえる。ピッタリくっついて歩いてるんだ。いつでも殺せるから、おもしろがってまだ殺さずにいるんだろう。何てやな奴だ。
無理に体を動かしてるから、腰と膝が痛い…!負担が大きいな。
足がつりそうだ。
はぁはぁ…!
楽しい人生は、これからだったのによ。
高校1年なんて、青春真っ只中だよな…。
正露丸汁を腹一杯飲まされて、そしてコームーオヤジに殺される?
相手の気を緩めさせておいて、騙して殺すなんてのは…
お前、最悪だぜ。
肩越しに奴を見たら、
ほら、すぐ後ろにヘラヘラ馬鹿にした顔をしてコームーオヤジがついて来てるぜ。
どうした?
大きな体の、召喚獣にならないのか?
耳がピンと立って、目が獣の様に鋭い、フサフサワンちゃんの顔にはなってるけど。
耳はピンと立ち過ぎだし、長いな。うさ耳だな、アレ。
あ!目が一瞬で赤くなった。
ウサギだからか!?
ドガァッ!!
ズザザザーッ!
「…ゴホゴホッ!!」
コームーオヤジに背中に蹴りを入れられて、吹っ飛ばされた。
鎧越しとは言え、痛え…な…。
「ゴホゴホッ!!」
背中を強く蹴られたから、肺が潰れたみたいに、呼吸がしづらい。
でも、手加減されて蹴られた感じがする。思いっ切り蹴られたら、まずい。
「ゴホッ…ゴホッ…!」
吹っ飛ばされた時に、大剣を手放しちまった。取りに行かないと。
取りに行っても、役に立つのか?このまま大剣も置いて、逃げた方がいいんじゃないのか。
逃げられる?
逃げられるのか?
この橋から飛び降りて、生きていられるなら、それに賭けるのもありだけど、かなり高いから、確実に助からないだろうな。
「ゴホ…ッ!」
少し呼吸がしやすくなった。今の俺の体での最高高速、よーい、どん!
コームーオヤジは俺の走り方を見てあざ笑ってんな。悪いけど、お前のうさ耳も地球の人間から見たら、大笑いで、1年間はお前をネタに楽しめるぜ。
ハーッ!ハーッ!
ふう…、大剣を拾ったぞ。
どうせ、逃げられないんなら。
やってやるよ。
どうせ一度死んでるし、何ならこの世界でも俺の半身が死んでるらしいからな。また死んでも、関係ないだろ?
…いや、あるか…。
よしっ!
まだ体が痺れて腰に力が入らないけど、人形みたいにくねくね動いて気持ち悪いだろ?
ほら、気持ち悪い人形兵が、うさ耳殺人鬼をやっつけてやるぜ。
「ほら…ほら!うさ耳オヤジ、来いよ!お前なんて、最初から…楽勝なんだよ!」
もう俺の体には、いなくなっちゃったけど。
まだ俺の体にあの感覚が残っている。
お話しライオンを倒した感覚が。
もう一度、奇跡を…
もう一度、奇跡を起こしてやるさ。
それしか、もう助かる方法はない…だろ?
ソライン族は、何で大陸浮遊術を使ったんだ?
脅された?
いや、自分達もこの第2大陸にいたから、助かりたいからやっただけで、他の奴らはオマケなんだろう。
この世界のみんな、どうせ自分の事ばかりなんだよ。
正露丸汁に痺れ薬か?最悪のコンプリートBOXプレゼントしやがって。俺の体じゃないみたいに言う事を聞かない。緊急事態にも関わらず、ご主人様の指示を無視して、俺の体はゆっくりと、動いている。
右、左、右、左…!もっと速く。足を出せ!早く逃げなきゃ、殺されるだろ!
振り向いて、コームーオヤジとの距離感を見るなんて余裕なんてない。この俺の驚異的な足の遅さ、奴は早歩きで簡単に追いつけるだろ?
逃げられないなら、戦うか?
ダメだ。今なら、子犬にすら勝てない。
ましてや、召喚獣なんて、万全の状態でも、勝てる見込みなんて0パーセントだろう。
家でやってた家庭用ゲームのホールスファンタシアに出てくる召喚獣が、登場がカッコいいとか思ってた自分がバカバカしく思えるぜ。今となっては、全ての召喚獣、興醒めだよ。
そもそも、何で、俺がオレンジジュースで殺されて、ギルロの体と魂とか、探させられたり、また殺されそうになったり、こんな目に遭わなきゃいけないんだ。
わざわざ、何で俺を選んだ?
この世界から果てしなく遠い地球の、日本の、近潮町の、高校の、1年の、この俺を。
他にも、たくさんいたじゃないか。
地球上にいるたくさんの人間の中からわざわざ俺を選んでくれた理由を、納得できるまで、聞きたいね。
俺の後ろで、コームーオヤジが冷たそうに笑う声が聞こえる。ピッタリくっついて歩いてるんだ。いつでも殺せるから、おもしろがってまだ殺さずにいるんだろう。何てやな奴だ。
無理に体を動かしてるから、腰と膝が痛い…!負担が大きいな。
足がつりそうだ。
はぁはぁ…!
楽しい人生は、これからだったのによ。
高校1年なんて、青春真っ只中だよな…。
正露丸汁を腹一杯飲まされて、そしてコームーオヤジに殺される?
相手の気を緩めさせておいて、騙して殺すなんてのは…
お前、最悪だぜ。
肩越しに奴を見たら、
ほら、すぐ後ろにヘラヘラ馬鹿にした顔をしてコームーオヤジがついて来てるぜ。
どうした?
大きな体の、召喚獣にならないのか?
耳がピンと立って、目が獣の様に鋭い、フサフサワンちゃんの顔にはなってるけど。
耳はピンと立ち過ぎだし、長いな。うさ耳だな、アレ。
あ!目が一瞬で赤くなった。
ウサギだからか!?
ドガァッ!!
ズザザザーッ!
「…ゴホゴホッ!!」
コームーオヤジに背中に蹴りを入れられて、吹っ飛ばされた。
鎧越しとは言え、痛え…な…。
「ゴホゴホッ!!」
背中を強く蹴られたから、肺が潰れたみたいに、呼吸がしづらい。
でも、手加減されて蹴られた感じがする。思いっ切り蹴られたら、まずい。
「ゴホッ…ゴホッ…!」
吹っ飛ばされた時に、大剣を手放しちまった。取りに行かないと。
取りに行っても、役に立つのか?このまま大剣も置いて、逃げた方がいいんじゃないのか。
逃げられる?
逃げられるのか?
この橋から飛び降りて、生きていられるなら、それに賭けるのもありだけど、かなり高いから、確実に助からないだろうな。
「ゴホ…ッ!」
少し呼吸がしやすくなった。今の俺の体での最高高速、よーい、どん!
コームーオヤジは俺の走り方を見てあざ笑ってんな。悪いけど、お前のうさ耳も地球の人間から見たら、大笑いで、1年間はお前をネタに楽しめるぜ。
ハーッ!ハーッ!
ふう…、大剣を拾ったぞ。
どうせ、逃げられないんなら。
やってやるよ。
どうせ一度死んでるし、何ならこの世界でも俺の半身が死んでるらしいからな。また死んでも、関係ないだろ?
…いや、あるか…。
よしっ!
まだ体が痺れて腰に力が入らないけど、人形みたいにくねくね動いて気持ち悪いだろ?
ほら、気持ち悪い人形兵が、うさ耳殺人鬼をやっつけてやるぜ。
「ほら…ほら!うさ耳オヤジ、来いよ!お前なんて、最初から…楽勝なんだよ!」
もう俺の体には、いなくなっちゃったけど。
まだ俺の体にあの感覚が残っている。
お話しライオンを倒した感覚が。
もう一度、奇跡を…
もう一度、奇跡を起こしてやるさ。
それしか、もう助かる方法はない…だろ?
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