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第一章 オレン死(ジ)ジュースから転生
その8
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周りを見て思った事。剣を持っているのは、俺だけじゃないかという事。武器なしでも、やっていける様な世界なのか?いや、街の中だからなのか?街中の私生活には、確かに邪魔なのかも知れない。けど、外から来た奴はいないのか?他の人が持っていないで俺だけこんな殺傷能力の高い物を持ち歩いていると、恥ずかしさや負い目を感じる。どうにか、隠せればいいんだけど、隠そうとしても、大剣だ。この大剣は、剣先から握りの底まで、1m70cmくらいあって、中々隠し切れない。
見て見ぬ振りをする人達。拒絶はしていないけれど、何か普通じゃないものを見る目だな。
何か焦りを感じるしている俺に、清潔そうな感じの同い年位の男が、微笑しながら近づいてきた。
「やあ、何処かへ行くのかい?」
余裕そうに話し掛ける男に、俺は何故だか、愛想笑いしてしまった。うーん、習慣だな。
「何か、俺しかこういう剣を装備していないんだけど、恥ずかしいのかね?俺」
そう言ったら、その男は、首を横に振って、別に恥ずかしくないよ、と言ってくれた。おお!
皺になりにくい上質な白い服に、整った金髪の男は、気品を感じるな。金持ちなのかな。こんな人が仲間になってくれると、この先何かと便利…、いや、頼りになる…、いや。うーん、俺の腐った心が垣間見える瞬間…。
「君は、何処の犬小屋に住んでいるんだい?」
と、この男。はぁ??犬小屋限定?俺の住んでいる場所は!板で簡単に貼り合わせた、屈んでも体が入るかどうかわからねぇミニマム小屋で、ご主人様が皿の上に安くて体臭が臭くならないエサを置くのを、俺がひたすら待ち侘びているとでも思ってんのかい?お前もまた、すごく高い所から見下ろすもんだな!?
「犬小屋に、何で住まないといけないんだよ!」
そう言うと、じゃあ常に野宿か?と言葉を返してきた。
犬小屋か、野宿か。こいつは、すごい奴だ。感心する。そのこの上なく差別的な発言を今までずっと使い続けてきたのであれば、今まで生きてこれたのが、奇跡!だけど、それも今日までだ。さぁ、俺の大剣に祈りなさい。そして、この大剣のサビにおなり。
「君は、この街に慣れていないから、わからないんだろう?」
そう言って、人の顔を指差して笑うこの男。
「君は、異世界の人間なんだろう?だから、僕は手加減をしてあげたんだからね。感謝してよ」
は?こいつは、そう言った。
「僕達は、お互いにあまり、仲良くならないんだよ。すぐに裏切られたり、ケンカしたりするからね。なら、何故話しかけたか?剣を持って、周りを威嚇しているから、多分、この世界の住人じゃないんだろうな、と思って試してみたんだよ。やっぱり、違ったね」
そう言うこの男。だから、その辛口だったのか?よくわからないな。ただ、このこの世界の人達は、よくケンカするのか。あまり関わりたくないな。
「ケンカする理由って、何?」
好戦的な民族とか、止めてくれよ。恐いじゃないか。誰も味方を作れない気がする。
「別に。それぞれじゃないかな。だけど、一度、ケンカが始まれば、想像を超えるほど、恐ろしい事になるんだよ」
「へー…。どんな?」
そう言いながら、俺の顔は苦々しい顔に変わっているはずだ。もう、この世界に嫌気がさしている。転生という大変ショックな出来事があったが、俺が死んでから地球の時が止まり、事が済めば戻れる可能性あり。そして時はまた回り出すという。記憶は転生前のもの、名前もだ。顔の形は変わっているかも知れないが、俺の印象としては、転生と言うより、転送。早く、元の地球に戻りたい。
「そのせいで、この世界は、5回は消滅しているんだよ」
…え!?
ケンカ、で?
「君みたいな異世界の人間を見ると、ここの住人は、普段の溜まりに溜まったストレスをぶつけるのさ。でも、僕は違うよ。ただ、君をからかって、どう反応するのか見たかっただけだよ」
そう言い、両手の人差し指を立て、自分の頭の横にやり、角に見立てて、俺をさらに苛立たせる。
「まあ、いいや。じゃあね」
頭おかしい奴とは、関わりたくはないな。この場を去ろう。ケンカで、世界が消滅…とか、大丈夫か、こいつ。
「何だ、虫ケラ君。もう、話は終わりにするのかい。残念だなぁ、僕は君の住んでいそうな世界に、いったことがあるのになぁ」
「む、虫ケラ…君?こ、の…」
「君とは、ケンカをしても、この世界は消滅しないのさ。力の差は、歴然だからね。全てにおいて、君を凌駕している」
この、クソ傲慢男は、そう言ってくる。
何なんだ、この傲慢の暴走列車は!?留まる事を知らねぇな。面白いじゃないか。ケンカはあまりする方じゃないが、そんなに負けた記憶もないぞ。やるのか、ヒヨコ君!
「えへへ。その目!やる気なんだ。凄いなぁ、君。別にいいけれど、ただ、この場でやるのは禁じられているんだよ。ここから遥か遠い宇宙空間でやる決まりなのさ。だけど、君には、無理だね」
「ここで、やってもいいぞ」
いざとなったら、この大剣ちゃんが、助けてくれる。宇宙空間でないとケンカできないとか、笑っちゃうね。やる気なんか、ないんだろう?まぁ、本当は俺もだけどね。イラついているけど、まだケンカをやるまではいかない。
「僕らは、2つの姿を持っている。1つは、この君と大差ない姿だ。いや、ごめん、僕の方が遥かに美男子だった。ごめん、差があったみたい。辛うじて人の形を成している君と、僕じゃ比較にはならないからね。ごめんね」
あああ、ムカつく。この男の言葉!謝るという事はどういうものかという事を、1からやり直させたい!ストレスMAX!!
「もう1つの姿…。僕は先程、言ったよね?君の住んでいそうな世界に行った事があるって。正確に言うと、呼ばれたんだよ…」
「え!?呼ばれた?」
時間軸が違うというのに、呼ばれた?俺と同じ、転生とか。だったら、少し親近感湧くなぁ。
この男の目が、獣の目に見えた。あ、心臓バクバクしてきた。ヤバい奴だな。何かに取り憑かれているんじゃないか、と思ったけど。でも、この後の言葉は、なぜか信じてしまったんだ。こんな、リアルに恐い目を向けてきたせいだ。
「神による召喚で、僕は地球を氷結地獄と化し、地球上の生物を壊滅状況に追い込んだ。君達の世界では、氷河期とか呼ばれているんだろう?僕らは、その頃より、召喚獣と言われていた。それが、僕らのもう1つの姿なんだよ」
見て見ぬ振りをする人達。拒絶はしていないけれど、何か普通じゃないものを見る目だな。
何か焦りを感じるしている俺に、清潔そうな感じの同い年位の男が、微笑しながら近づいてきた。
「やあ、何処かへ行くのかい?」
余裕そうに話し掛ける男に、俺は何故だか、愛想笑いしてしまった。うーん、習慣だな。
「何か、俺しかこういう剣を装備していないんだけど、恥ずかしいのかね?俺」
そう言ったら、その男は、首を横に振って、別に恥ずかしくないよ、と言ってくれた。おお!
皺になりにくい上質な白い服に、整った金髪の男は、気品を感じるな。金持ちなのかな。こんな人が仲間になってくれると、この先何かと便利…、いや、頼りになる…、いや。うーん、俺の腐った心が垣間見える瞬間…。
「君は、何処の犬小屋に住んでいるんだい?」
と、この男。はぁ??犬小屋限定?俺の住んでいる場所は!板で簡単に貼り合わせた、屈んでも体が入るかどうかわからねぇミニマム小屋で、ご主人様が皿の上に安くて体臭が臭くならないエサを置くのを、俺がひたすら待ち侘びているとでも思ってんのかい?お前もまた、すごく高い所から見下ろすもんだな!?
「犬小屋に、何で住まないといけないんだよ!」
そう言うと、じゃあ常に野宿か?と言葉を返してきた。
犬小屋か、野宿か。こいつは、すごい奴だ。感心する。そのこの上なく差別的な発言を今までずっと使い続けてきたのであれば、今まで生きてこれたのが、奇跡!だけど、それも今日までだ。さぁ、俺の大剣に祈りなさい。そして、この大剣のサビにおなり。
「君は、この街に慣れていないから、わからないんだろう?」
そう言って、人の顔を指差して笑うこの男。
「君は、異世界の人間なんだろう?だから、僕は手加減をしてあげたんだからね。感謝してよ」
は?こいつは、そう言った。
「僕達は、お互いにあまり、仲良くならないんだよ。すぐに裏切られたり、ケンカしたりするからね。なら、何故話しかけたか?剣を持って、周りを威嚇しているから、多分、この世界の住人じゃないんだろうな、と思って試してみたんだよ。やっぱり、違ったね」
そう言うこの男。だから、その辛口だったのか?よくわからないな。ただ、このこの世界の人達は、よくケンカするのか。あまり関わりたくないな。
「ケンカする理由って、何?」
好戦的な民族とか、止めてくれよ。恐いじゃないか。誰も味方を作れない気がする。
「別に。それぞれじゃないかな。だけど、一度、ケンカが始まれば、想像を超えるほど、恐ろしい事になるんだよ」
「へー…。どんな?」
そう言いながら、俺の顔は苦々しい顔に変わっているはずだ。もう、この世界に嫌気がさしている。転生という大変ショックな出来事があったが、俺が死んでから地球の時が止まり、事が済めば戻れる可能性あり。そして時はまた回り出すという。記憶は転生前のもの、名前もだ。顔の形は変わっているかも知れないが、俺の印象としては、転生と言うより、転送。早く、元の地球に戻りたい。
「そのせいで、この世界は、5回は消滅しているんだよ」
…え!?
ケンカ、で?
「君みたいな異世界の人間を見ると、ここの住人は、普段の溜まりに溜まったストレスをぶつけるのさ。でも、僕は違うよ。ただ、君をからかって、どう反応するのか見たかっただけだよ」
そう言い、両手の人差し指を立て、自分の頭の横にやり、角に見立てて、俺をさらに苛立たせる。
「まあ、いいや。じゃあね」
頭おかしい奴とは、関わりたくはないな。この場を去ろう。ケンカで、世界が消滅…とか、大丈夫か、こいつ。
「何だ、虫ケラ君。もう、話は終わりにするのかい。残念だなぁ、僕は君の住んでいそうな世界に、いったことがあるのになぁ」
「む、虫ケラ…君?こ、の…」
「君とは、ケンカをしても、この世界は消滅しないのさ。力の差は、歴然だからね。全てにおいて、君を凌駕している」
この、クソ傲慢男は、そう言ってくる。
何なんだ、この傲慢の暴走列車は!?留まる事を知らねぇな。面白いじゃないか。ケンカはあまりする方じゃないが、そんなに負けた記憶もないぞ。やるのか、ヒヨコ君!
「えへへ。その目!やる気なんだ。凄いなぁ、君。別にいいけれど、ただ、この場でやるのは禁じられているんだよ。ここから遥か遠い宇宙空間でやる決まりなのさ。だけど、君には、無理だね」
「ここで、やってもいいぞ」
いざとなったら、この大剣ちゃんが、助けてくれる。宇宙空間でないとケンカできないとか、笑っちゃうね。やる気なんか、ないんだろう?まぁ、本当は俺もだけどね。イラついているけど、まだケンカをやるまではいかない。
「僕らは、2つの姿を持っている。1つは、この君と大差ない姿だ。いや、ごめん、僕の方が遥かに美男子だった。ごめん、差があったみたい。辛うじて人の形を成している君と、僕じゃ比較にはならないからね。ごめんね」
あああ、ムカつく。この男の言葉!謝るという事はどういうものかという事を、1からやり直させたい!ストレスMAX!!
「もう1つの姿…。僕は先程、言ったよね?君の住んでいそうな世界に行った事があるって。正確に言うと、呼ばれたんだよ…」
「え!?呼ばれた?」
時間軸が違うというのに、呼ばれた?俺と同じ、転生とか。だったら、少し親近感湧くなぁ。
この男の目が、獣の目に見えた。あ、心臓バクバクしてきた。ヤバい奴だな。何かに取り憑かれているんじゃないか、と思ったけど。でも、この後の言葉は、なぜか信じてしまったんだ。こんな、リアルに恐い目を向けてきたせいだ。
「神による召喚で、僕は地球を氷結地獄と化し、地球上の生物を壊滅状況に追い込んだ。君達の世界では、氷河期とか呼ばれているんだろう?僕らは、その頃より、召喚獣と言われていた。それが、僕らのもう1つの姿なんだよ」
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