139 / 139
新階層より
しおりを挟む
今僕たちは五階層の最奥ーーだと思われていた場所にいる。
というのも、レベル上げを兼ねて五階層の探索に来ていたところ、僕の探知に変な反応が。
擬似神の力で道中の魔物を蹴散らしながら最奥まで来てみるとそこには変に機械質な扉が。
神になった今だからこそわかるが、これは神代…つまり早希がいた時代の扉だということがわかった。
元は自動で開くようになっていたようだが今はその機能を停止していた。
仕方がないので腕力でこじ開けた。
神になった僕には、それこそステータスで測れない強さがある。
無理やりステータスで表すと全ステータス約30万近いだろうか。
普通の(?)人間時代で一番高かったステータスの速度でもほぼ三倍の上昇率。
一番低かった防御など、六倍は上昇しているだろう。
恐ろしい上昇率だ。
ただ、これでも神の中ではまだ弱い。極々下位の神と言えるだろう。
まぁ、それもそうだろう。なんて言ったって神になりたてなのだから。
名ばかりの刀神だったそれに、張りぼての実態がついてきただけのこと。
力は大きくなったが、まだまだ調子に乗れる事ではない。
その点、魔神は上位の神と言えたかもしれないが、封印が解けた直後で僕とほとんど同じ土俵まで力が落ちていた。
技はあったが威力は全盛期のそれに比べれば目も当てられないレベルだろう。
それでも、神としてほぼ完成された魔神は強かった。
それを考えれば、少しは胸を張っていいかもしれない。
だいぶ話が逸れたが、その筋力30万を以ってしてもその扉は開き辛かった。
土魔法で鑑賞すれば一発だったことを思うと、その扉を開けた時に見えた景色に興奮した気分が一発で萎えた。
土魔法は土と言いつつ、その実、石でも金属でも干渉できる。
それはたとえ神代の素材だったとしても変わらない。
試したらできた。
それに錬成と同じとまではいかないが簡単に変形させることもできる。
実はかなりの便利魔法なのだ。
また話が逸れたが、扉の向こうの景色はなかなかに壮観だった。
一歩踏み出そうとした早希が地面がないことに気付かずそのまま落下して行った時は肝が冷えたが。
思わず本気の速度で壁面を下って助けに行くくらいには焦った。
実際のところノータイムで長距離転移ができるので割と焦る必要はなかったりする。
地面までもだいぶ長かった。1キロはあるんじゃないかな。
それだけあれば地面の10メートル手前まで落ちたところからでも本気で走れば助けられる。
速度30万と魔力強化に、スキルの効果は馬鹿にできない。
具体的に言えば一瞬あれば1キロぐらいは走破できるということだ。
かなりの頻度で話が逸れるが、なかなかどうして、神代の景色は現代よりも綺麗に見えた。
白ーーと言うよりは水晶のようなものでできたかなり高い建物に、翡翠でできたような蔦が絡まっている。
あの蔦だけでも相当な値打ちがあると見た。
まぁお金にはさほど困っていないけど。
どこから来ているのかわからない天使の梯子が降りてきているのも綺麗に思わせる一つの要因だろう。
さらに、天使の梯子の光が水晶の中で乱反射して淡い光が建物たちを薄く包んでいる光景は神々しさすら覚える。
そんな光景が目の前に広がっていた。
生憎と僕に写生の技術はない。
ただ、今回は一応執政院からの依頼できている。本当はもう少し後に確認しにくる予定だったんだけれど。
執政院の人たちも最奥のさらに奥があるなんて情報を疑っていたみたいだし、実際僕も信じていなかったからね。
夜中あたりに転移で一人で確認しに来て適当に報告すればいいやと思っていたのだ。
まぁ、一応記録のための水晶は貰っているけど。
記録水晶はその名前の通り、景色などを記録することができる。
これで最奥の景色を記録して執政院に提出すれば依頼は完了だったんだが、いかんせん探知の範囲が広すぎた。
余計なものに気づいてしまった。
まぁ、かなりの報酬が貰えるし、悪い仕事ではない。
それに現代でも見れないような景色が見れたことは悪くはない。
かなりの高所だからか吹き抜ける風はかなり清涼だ。
神々しさすら覚える景色と相まってなかなか心が落ち着く場所だろう。
それを見れたことを思えばこのタイミングで気づいたことも悪くなかった。
とりあえず探索は後回しにして、この景色を記録水晶に収めた。
…いや、少しだけ探索していこうかな。
手始めに一番近い建物に転移する。
ん、んん?
なんだか転移がしにくい。
『魔法、および魔術を中和する魔法が使われているようだ。私達以外では魔法および魔術を使うことはできないと思っていい。』
頭の中に少女の声が響く。
魔神との戦いの際に僕の刀に同化…というかその身を犠牲にして僕に神の力を与えた少女。
名前は一応あるらしいが、モリビトの名前は恐ろしいほどに長い。
僕は人の名前を覚えるのは得意な方だが、それでも覚えきれていない。
かの有名な画家にも長すぎて自分の名前を覚えていないという人がいたはずだ。
彼女は覚えているようだけれど。
『へぇ。神代には面白い魔法があるものだね。それはキミと僕で一緒に術式を組まないと魔法を使えないくらいかい?』
『ユウイチロウ。何度も言うが、私のことはキミではなく…シルフィと…呼んでほしい…のだが…。』
照れたようにそう言ってくる彼女は、口調こそほとんど変わらないが生前の高慢さはない。これがクーデ…げふんげふん。
というか半分同化しているので『言う』というよりかは『伝わってくる』が正しいか。
『はいはい。シルフィと僕で術式を組まないと中和魔法は破れないぐらいかい?』
『いいや、そこまで強力なものではないようだ。ユウイチロウ一人でも神の力を使えば破れなくはないはず。』
『神の力を使わされるのは望ましくないね。魔法は極力使いたくないけど…』
それだと美奈代と優里が割と真面目に何もできない。
いや、優里は多少なりとも短剣で援護ができる。…が、美奈代は本当に何もできない。
もちろん杖術を教えていないわけではないが今美奈代が使っている杖は龍鱗を組み込んであるとはいえただの硬い杖だ。
ダメージは期待しない方がいいだろう。
まぁ、味方に向かってきた攻撃をいなすくらいはできるかな。
即席の盾役として頑張ってもらおう。
早速向かってきた魔物の一匹を斬り捨てる。
なんの抵抗もなく通り過ぎた刃が魔物を真っ二つに切り裂く。
顔が豚で体がゴリラで背中には触手が付いている。
見た目がかなりキツイ魔物だが、警戒はしなくてよさそうだ。
いや、僕の見解は参考にしない方がいいか。
なんせ神だしね。僕の刀に抵抗できるような魔物がいたらそれこそ警戒しなければいけない。
まぁそんな魔物がいても神の力を防ぐようなら防御一辺倒で間違いないだろう。
そんなチートみたいな魔物がいたらここら辺の魔物は狩り尽くされているだろうし。
神代だしそういう魔物もいるかもしれないけれど。
絶対にないと言い切れないのが新階層を攻略するときの怖さだね。
まぁなんにしろ新階層の景色は収めたことだし一度帰ってもう一度来ようかと思う。
----
執政院に帰って新階層の報告をしたあと酒場で新階層のことを肴にして酒を飲んでそのまま酔い潰れて寝た。
少し羽目を外しすぎたようだ。
というのも、レベル上げを兼ねて五階層の探索に来ていたところ、僕の探知に変な反応が。
擬似神の力で道中の魔物を蹴散らしながら最奥まで来てみるとそこには変に機械質な扉が。
神になった今だからこそわかるが、これは神代…つまり早希がいた時代の扉だということがわかった。
元は自動で開くようになっていたようだが今はその機能を停止していた。
仕方がないので腕力でこじ開けた。
神になった僕には、それこそステータスで測れない強さがある。
無理やりステータスで表すと全ステータス約30万近いだろうか。
普通の(?)人間時代で一番高かったステータスの速度でもほぼ三倍の上昇率。
一番低かった防御など、六倍は上昇しているだろう。
恐ろしい上昇率だ。
ただ、これでも神の中ではまだ弱い。極々下位の神と言えるだろう。
まぁ、それもそうだろう。なんて言ったって神になりたてなのだから。
名ばかりの刀神だったそれに、張りぼての実態がついてきただけのこと。
力は大きくなったが、まだまだ調子に乗れる事ではない。
その点、魔神は上位の神と言えたかもしれないが、封印が解けた直後で僕とほとんど同じ土俵まで力が落ちていた。
技はあったが威力は全盛期のそれに比べれば目も当てられないレベルだろう。
それでも、神としてほぼ完成された魔神は強かった。
それを考えれば、少しは胸を張っていいかもしれない。
だいぶ話が逸れたが、その筋力30万を以ってしてもその扉は開き辛かった。
土魔法で鑑賞すれば一発だったことを思うと、その扉を開けた時に見えた景色に興奮した気分が一発で萎えた。
土魔法は土と言いつつ、その実、石でも金属でも干渉できる。
それはたとえ神代の素材だったとしても変わらない。
試したらできた。
それに錬成と同じとまではいかないが簡単に変形させることもできる。
実はかなりの便利魔法なのだ。
また話が逸れたが、扉の向こうの景色はなかなかに壮観だった。
一歩踏み出そうとした早希が地面がないことに気付かずそのまま落下して行った時は肝が冷えたが。
思わず本気の速度で壁面を下って助けに行くくらいには焦った。
実際のところノータイムで長距離転移ができるので割と焦る必要はなかったりする。
地面までもだいぶ長かった。1キロはあるんじゃないかな。
それだけあれば地面の10メートル手前まで落ちたところからでも本気で走れば助けられる。
速度30万と魔力強化に、スキルの効果は馬鹿にできない。
具体的に言えば一瞬あれば1キロぐらいは走破できるということだ。
かなりの頻度で話が逸れるが、なかなかどうして、神代の景色は現代よりも綺麗に見えた。
白ーーと言うよりは水晶のようなものでできたかなり高い建物に、翡翠でできたような蔦が絡まっている。
あの蔦だけでも相当な値打ちがあると見た。
まぁお金にはさほど困っていないけど。
どこから来ているのかわからない天使の梯子が降りてきているのも綺麗に思わせる一つの要因だろう。
さらに、天使の梯子の光が水晶の中で乱反射して淡い光が建物たちを薄く包んでいる光景は神々しさすら覚える。
そんな光景が目の前に広がっていた。
生憎と僕に写生の技術はない。
ただ、今回は一応執政院からの依頼できている。本当はもう少し後に確認しにくる予定だったんだけれど。
執政院の人たちも最奥のさらに奥があるなんて情報を疑っていたみたいだし、実際僕も信じていなかったからね。
夜中あたりに転移で一人で確認しに来て適当に報告すればいいやと思っていたのだ。
まぁ、一応記録のための水晶は貰っているけど。
記録水晶はその名前の通り、景色などを記録することができる。
これで最奥の景色を記録して執政院に提出すれば依頼は完了だったんだが、いかんせん探知の範囲が広すぎた。
余計なものに気づいてしまった。
まぁ、かなりの報酬が貰えるし、悪い仕事ではない。
それに現代でも見れないような景色が見れたことは悪くはない。
かなりの高所だからか吹き抜ける風はかなり清涼だ。
神々しさすら覚える景色と相まってなかなか心が落ち着く場所だろう。
それを見れたことを思えばこのタイミングで気づいたことも悪くなかった。
とりあえず探索は後回しにして、この景色を記録水晶に収めた。
…いや、少しだけ探索していこうかな。
手始めに一番近い建物に転移する。
ん、んん?
なんだか転移がしにくい。
『魔法、および魔術を中和する魔法が使われているようだ。私達以外では魔法および魔術を使うことはできないと思っていい。』
頭の中に少女の声が響く。
魔神との戦いの際に僕の刀に同化…というかその身を犠牲にして僕に神の力を与えた少女。
名前は一応あるらしいが、モリビトの名前は恐ろしいほどに長い。
僕は人の名前を覚えるのは得意な方だが、それでも覚えきれていない。
かの有名な画家にも長すぎて自分の名前を覚えていないという人がいたはずだ。
彼女は覚えているようだけれど。
『へぇ。神代には面白い魔法があるものだね。それはキミと僕で一緒に術式を組まないと魔法を使えないくらいかい?』
『ユウイチロウ。何度も言うが、私のことはキミではなく…シルフィと…呼んでほしい…のだが…。』
照れたようにそう言ってくる彼女は、口調こそほとんど変わらないが生前の高慢さはない。これがクーデ…げふんげふん。
というか半分同化しているので『言う』というよりかは『伝わってくる』が正しいか。
『はいはい。シルフィと僕で術式を組まないと中和魔法は破れないぐらいかい?』
『いいや、そこまで強力なものではないようだ。ユウイチロウ一人でも神の力を使えば破れなくはないはず。』
『神の力を使わされるのは望ましくないね。魔法は極力使いたくないけど…』
それだと美奈代と優里が割と真面目に何もできない。
いや、優里は多少なりとも短剣で援護ができる。…が、美奈代は本当に何もできない。
もちろん杖術を教えていないわけではないが今美奈代が使っている杖は龍鱗を組み込んであるとはいえただの硬い杖だ。
ダメージは期待しない方がいいだろう。
まぁ、味方に向かってきた攻撃をいなすくらいはできるかな。
即席の盾役として頑張ってもらおう。
早速向かってきた魔物の一匹を斬り捨てる。
なんの抵抗もなく通り過ぎた刃が魔物を真っ二つに切り裂く。
顔が豚で体がゴリラで背中には触手が付いている。
見た目がかなりキツイ魔物だが、警戒はしなくてよさそうだ。
いや、僕の見解は参考にしない方がいいか。
なんせ神だしね。僕の刀に抵抗できるような魔物がいたらそれこそ警戒しなければいけない。
まぁそんな魔物がいても神の力を防ぐようなら防御一辺倒で間違いないだろう。
そんなチートみたいな魔物がいたらここら辺の魔物は狩り尽くされているだろうし。
神代だしそういう魔物もいるかもしれないけれど。
絶対にないと言い切れないのが新階層を攻略するときの怖さだね。
まぁなんにしろ新階層の景色は収めたことだし一度帰ってもう一度来ようかと思う。
----
執政院に帰って新階層の報告をしたあと酒場で新階層のことを肴にして酒を飲んでそのまま酔い潰れて寝た。
少し羽目を外しすぎたようだ。
0
お気に入りに追加
122
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
嫦娥よ、見てるか!?
退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます!残念ながら完結となってしまいましたが、私はまだ番外編で行き足掻くつもりです。
つまらない作品ですが、睡眠のお供にでもどうぞ。
すごいですね
私もがんばってみます
いえいえ、そんな…
ありがとうございます。
私も、もう少し頑張ります。
ななみさんも、一緒に頑張りましょう。