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四階層攻略:四日目

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「っつぁ…」
落ちるとわかった時僕にできたのは早希を負う体勢から抱え込むような体勢に変えることだけだった。
そして底まで落ちきった時衝撃が体全体に走り、目の前が暗くなり、気を失った。
気を入れ直したばかりなのに情けない。
感覚では朝…かな。何時間気絶してたんだろう。
七、八時間か。早希は近くにいる。
砂に埋まってないのが不思議だけど、下が固いから今まで気づかなかった空洞などかもしれない。
少しあたりを見渡してみると白っぽい物が見えた。
少し動いてみると足が何かを踏み割ったようで軽い音がした。
足元を見ると粉々になった白い粉末がある。
これは放置して、他のものに手を伸ばす。
手に持ったものは意外と硬質で、密度はあまり高くないようだ。
別のものを手に取ってみるとさっきのものよりも硬く、ずっしりと重い。
そこで、ようやく手に持っているものが何かわかった。
動物や人の骨だ。
大きさは様々で、重さや軽さも丈夫さもバラバラだ。
実に数十種類の生物の骨がある。
そこら一帯に敷き詰められている。
なにやら首が痛いのはこんなものを枕にしていたせいかもしれない。
その時、何かの気配を感じた。
背筋に悪寒が走り、首筋を生温い風が撫でる。
障壁を張りながら早希を地面から拾い上げてその場から離脱。
何かが障壁に当たる音を聞きながら骨を踏み砕いて移動する。
後ろは確認しない。
物凄い音と強烈な気配が後ろから迫っているからだ。
早希は腕の中で身動ぎもせずに眠っている。
こっちが必死だっていうのに呑気なもんだ。
後ろに気配が迫る。
それを確認し、加速する。
世界規模で見ても有数の速度を遺憾なく発揮し、地面を駆け抜ける。
残像すら残さない速さに魔物が追いてこれなくなり無事に逃げ切ることができた。
そしていつの間にか暗闇を抜けていたようだ。
ぐるりと辺りを見回すと、今までに数度しか来たことがない地獄が見えた。
ここは第五層。Sランク級の魔物が湧き出る地獄。
踏み入れれば戻ることなど夢物語。夜も眠れぬ戦闘続き。
予期せぬ地獄からの脱出が、今始まった。
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