迷宮攻略してたらいつの間にか世界救ってた

2階層:ボス討伐

「あぁっ、あっちいなクソが！」
戦士が悪態をつきながら二階層ボスの炎の魔人に大剣を叩きつける。
体を覆うマグマが弾けとび、一時的に中身が見える。
「そこっ！」
最近銃の腕が著しく上昇してきた早希が僕の作った銃で一瞬見えた皮膚を狙い撃つ。
「ガァァァァッ！！！」
魔人が叫び、口内から炎ブレスが乱射される。
雷ブレスの後は炎ブレスか。
若干呆れながらもパーティに迫るブレスを魔力武器作成で創り出した武器で斬りとばす。
全てを斬り落とした後に、お返しとばかりに苦手とする水魔法を放つ。
威力は落ちるけどそんなものは魔力にものを言わせてカバーする。
上から降る津波のような大量の水は魔人を飲み込み、地獄の業火とも言える炎を消火する。
すかさず両手に銃を創り出し、全方向から跳弾で攻める。
魔人はマグマを操り弾丸を焼き尽くす。
壁を解いた魔人はまた炎を体に纏っていた。
一撃でバシッと殺っちゃうのもいいけど実戦経験は積んでもらいたい。
後に優秀な冒険者が出来ることを願って。
籠手を纏い、魔人を殴りつける。その際魔衝波も併用して発動し、さらにさらに魔力攻撃も乗せる。
もちろんこの程度じゃ死なない。
そして僕も本気じゃない。
「ナイスだ雑用っ！」
リーダーが飛び出し少し浮いた魔人の腹にもう一撃叩き込む。
「ぶっ飛べ！」
その言葉どおりなかなかの威力がある拳が魔人を吹き飛ばした。
魔人はそのままマグマに突っ込み、飛沫を撒き散らした。
「横です。」
僕は一言忠告し全く見当違いの方向を向いている人達を置き去りにしてその場を動く。
マグマを潜って移動してきた魔人に「わかっているぞ？」と警告するように魔力を向ける。
どうせ止まらないだろうけど。
浮上予想地点に天駆で移動して、足を上げる。
そして、出てきた魔人に踵落としを決める。
物凄い勢いで沈んでいった魔人は地面に跳ね返って出てきた。
「っしゃあ！ここで終わらせたらぁ！！」
戦士が地面を踏みしめて飛び、大剣を下から切り上げる。
その剣は魔人の腹に突き刺さり
「死に晒せやこのドカスがっ！！」
戦士を踏み台にしたリーダーが蹴りで押し込み
「来世はマシな人生を送れるといいね？」
天駆で移動した僕がアッパーでさらに押し込んで
「んっ！」
早希の放った僕お手製炸裂弾で決まった。
「ふぅ…」
「やったな！」
「さて早希、また記憶が戻るといいね？」
「ん。」
その先の樹海磁軸で冒険者とは別れ、僕たちはやっぱり増えていた座標に向かった。