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第2話 1
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「まずはどこに向かおうか」
下りのエスカレーターに先に乗った和泉が言う。
「オレは夏服が欲しいくらいかな。兄さんは?」
「じゃあ、おれの用事が先でいいかな? そこの書店で注文していた物を受け取りたいんだ」
「全然いいよ」
書店はフードコートのある階の一階下にある。
和泉は真っ直ぐに、書店の文具コーナーの奥にあるカウンターに向かった。
ここはガラスケース内に展示されている文具専用の会計窓口である。何年か前の父の誕生日に、兄とここでお小遣いを出し合ってちょっと良い万年筆を購入したのをよく覚えている。カウンターの向こうにいる初老の男性店員の顔は、拓海も何度か見かけたことがあった。
「注文してるのって本じゃないんだね」
「今回は本じゃないんだ。拓海ももし、見たいものあったら見てきていいよ。受け取りの確認少し時間がかかると思うから」
「分かった。その辺を見てるね」
和泉が注文していたものを知られたくなさそうなのを察した拓海は、素直に兄の言葉に従う。
そういえばと、いつも使っている蛍光ペンの黄色がもう掠れていたと思い出したから文具のコーナーに向かう。普段使っているヤツはコンビニでも買えるのだが、コンビニで買うよりもはるかに安い値段で売っているので、迷わず手に取った。
(この蛍光ペンのシリーズってこんな色もあるのか)
ずらりと並ぶ色とりどりの蛍光ペンをまじまじと眺めて感心する。拓海はノートをとる際にあまり色を使わない質なので筆箱には黒赤青の三色ボールペン、ピンクと黄色の蛍光ペン、付箋と修正テープくらいしか入れていない。
文具を買う時は大抵コンビニやスーパーの文具コーナーで事足りてしまうので、なかなか見ることの無い物に興味がそそられる。
試し書きコーナーの横に各商品を紹介している厚紙のパンフレットがあったので、持っていた商品を近くに置いて手にする。中身は使用例が載っていてなかなか面白い内容だったので、思わず読みふけってしまった。
「お待たせ、拓海。何か面白いの見つけたの?」
後ろから和泉に声をかけられる。いつの間にか、結構な時間が経っていたようだ。
「これなんだけど、凄いね」
見ていたパンフレットを和泉にも見せる。
「ああ、蛍光ペンのパンフレット見てたんだね。保育園の連絡帳をこういうので書いてくれる保護者さんとか結構いるよ」
「へえ。もはや、ひとつの芸術だね」
「それぞれのご家庭の個性が出てて面白いから、毎日の楽しみだね。保育士からのコメントを書く時にちょっと緊張するけど」
「確かにこんな感じのノートに、自分のコメントを書くってなると緊張するかも。フォーマットは揃えるべきなのかなって」
「そうそう……ふふっ」
拓海の率直な感想は和泉の笑いのツボに入ったようで、ケラケラと笑われてしまった。
「それより、注文してたものは無事に受け取れた?」
「勿論。ここにあるよ。拓海はまだ他に買うものある?」
「ううん。コレだけだからお会計してくるね」
和泉が無事に品物を受け取れたようなので、拓海はそばに置いておいた蛍光ペンを持ってレジへ向かう。丁度、前の人がレジから立ち去ったところだったのでスムーズに会計が済む。小さい商品なので袋は貰わずに、肩掛けカバンの中に入れて和泉の所へ戻る。
「お待たせ」
「全然待ってないよ。次は、拓海の夏服だね」
「兄さんは他に買い物ないの?」
「おれも夏服が欲しいくらいかな」
「なら、このまま一階まで下っちゃっていい?」
「いいよ」
書店を出て再び下りエスカレーターに乗る。
すれ違う上りエスカレーターが窮屈そうなのが目の端に写った。
「今日は人が多いなあ。少しのぼせそう」
そう言って和泉は両の手で顔を煽ぐ。元より白い頬は少し赤みを帯ていた。建物内は冷房が聞いており、のぼせるような暑さは無い。
「本当だ、少し顔が赤くなってる。一階に着いたら、冷たい飲み物買ってくるから」
和泉の体調が心配になり、拓海は帰宅することも視野に入れる。
「少し休んだら大丈夫だからね?」
拓海は和泉のその言葉を真に受けることは無い。兄は二次性徴が終わってからというもの、こういった症状を稀に引き起こすようになった。
オメガのこういった症状は別に珍しい話では無い。不特定多数の人間がいる場所ということは、アルファも一定数いるということだ。複数のアルファのフェロモンが混ざりオメガを刺激してしまうというのが、和泉の不調の原因であることを拓海は知っていた。
対処方法も消して難しいことは無い。その場から離れればいい。時として、そのまま突発性発情期を起こす場合もあるので、無理は禁物だ。
「無理はダメだよ。機会なら何時でもあるから、今日は少し休んで落ち着いたら帰ろう」
「大丈夫だよ。すぐに落ち着くから。ね?」
子供に言い聞かせるように自分の無理を隠そうとする和泉に対して、拓海は心を鬼にする。
「今日は帰ろう」
「でもっ……分かった」
和泉は言葉を続けようとして飲み込んだ。拓海が真剣にお願いしているが伝わったのだろう。目に見えて肩を落とす兄に心が痛くなる。
しかし、万が一にでも和泉がこの場で発情期を引き起こしでもしたら、拓海は彼を守りきる自信がなかった。拓海は和泉のフェロモンと相性が良くない。何かあった方が後悔するのだと、拓海は自分に言い聞かせた。
エスカレーターで最下階まで降りると、拓海は和泉を近くのレストスペースの椅子に座らせた。拓海が想像していたよりも和泉は無理をしていたらしく、椅子に座ると目の前のテーブルに伏せってしまった。
そんな状態の和泉から僅かな間でも目を離すのが怖かった拓海は近くの自販機で急いで水を購入する。
幸い、その間に和泉に近寄る人物はいなかった。が、和泉の体調はますます悪くなっているように思えた。
「水、買ってきたけど飲めそう?」
拓海の問に、テーブルに伏せった和泉の頭が微かに左右に揺れる。それに合わせて、ほんの少し甘い香りが拓海の鼻腔に届いた。和泉のフェロモンだ。
突発性の発情期を起こすのは時間の問題であると察知した拓海は、大河にショートメッセージを送り、買ってきたペットボトルを和泉の首筋に当てた。
「きもちい……」
テーブルと頭の間から和泉のくぐもった声が聞こえてきた。
「大河さんには連絡しておいたよ。今日、ちゃんと抑制剤は持ってるよね? 飲めそう?」
「カバンの外側の小さいポケットにピルケースが入ってる」
言われた通りにカバンの外ポケットからアルミ製のケースを取り出す。中には錠剤とペン型の二種類の薬が入っていた。
「錠剤の方がいつもの薬だよね?」
「そう。ペン型注入器は緊急用」
拓海から薬を受け取った和泉は薬を口に運び、そのままゴリっと噛み砕いた。本来はこの様な飲み方は推奨されてはいない。しかし、早めに効果が出て欲しい時はそうやって飲むようにと医師から指示があったと以前聞いた覚えがあった。
和泉の不調が少しでも和らぐようにと、拓海は背中をさする。薬を飲んだにも関わらず、和泉のフェロモンの匂いが強くなっているように思えた。
胸騒ぎがした拓海は、発情期のフェロモンが少しでも誤魔化せればいいと、着ていた薄手のカーディガンを和泉の肩にかけた。
「その人から離れて貰えませんか?」
その直後のことであった。
アルファ独特の威圧を不用意に浴びせられる。振り返り、声の主を確認した拓海は驚きのあまり言葉を失った。
「もう一度言います。その人から手を離してください」
拓海を鋭い眼光で睨みつけた男は、更に声を低くし威嚇するように言葉を放つ。
他のアルファから威圧を向けられた経験などない拓海は、あまりの恐ろしさに自分の意思とは関係なくその場から動けなくなってしまった。
けれど、理由はそれだけでは無かった。拓海は、殺意にも似た威圧を向けてくるアルファの事を知っていたのである。
「――杉本先生」
拓海の呟きが相手に届いていなかったのか、それとも彼の瞳には目の前のオメガしか映っていなかったのかは分からない。しかし、杉本が拓海に気づいていない。
密かに想いを寄せていた相手に威圧を向けられる。あまりに救いのない現実を突きつけられた拓海の胸は今にも張り裂けそうであった。
何故なら、この現状が示すのは――。
「その人は俺の『運命の番』だ」
嫌な予想ほど当たるというものだ。杉本の口から、拓海が一番聞きたくなかった言葉が発される。
下りのエスカレーターに先に乗った和泉が言う。
「オレは夏服が欲しいくらいかな。兄さんは?」
「じゃあ、おれの用事が先でいいかな? そこの書店で注文していた物を受け取りたいんだ」
「全然いいよ」
書店はフードコートのある階の一階下にある。
和泉は真っ直ぐに、書店の文具コーナーの奥にあるカウンターに向かった。
ここはガラスケース内に展示されている文具専用の会計窓口である。何年か前の父の誕生日に、兄とここでお小遣いを出し合ってちょっと良い万年筆を購入したのをよく覚えている。カウンターの向こうにいる初老の男性店員の顔は、拓海も何度か見かけたことがあった。
「注文してるのって本じゃないんだね」
「今回は本じゃないんだ。拓海ももし、見たいものあったら見てきていいよ。受け取りの確認少し時間がかかると思うから」
「分かった。その辺を見てるね」
和泉が注文していたものを知られたくなさそうなのを察した拓海は、素直に兄の言葉に従う。
そういえばと、いつも使っている蛍光ペンの黄色がもう掠れていたと思い出したから文具のコーナーに向かう。普段使っているヤツはコンビニでも買えるのだが、コンビニで買うよりもはるかに安い値段で売っているので、迷わず手に取った。
(この蛍光ペンのシリーズってこんな色もあるのか)
ずらりと並ぶ色とりどりの蛍光ペンをまじまじと眺めて感心する。拓海はノートをとる際にあまり色を使わない質なので筆箱には黒赤青の三色ボールペン、ピンクと黄色の蛍光ペン、付箋と修正テープくらいしか入れていない。
文具を買う時は大抵コンビニやスーパーの文具コーナーで事足りてしまうので、なかなか見ることの無い物に興味がそそられる。
試し書きコーナーの横に各商品を紹介している厚紙のパンフレットがあったので、持っていた商品を近くに置いて手にする。中身は使用例が載っていてなかなか面白い内容だったので、思わず読みふけってしまった。
「お待たせ、拓海。何か面白いの見つけたの?」
後ろから和泉に声をかけられる。いつの間にか、結構な時間が経っていたようだ。
「これなんだけど、凄いね」
見ていたパンフレットを和泉にも見せる。
「ああ、蛍光ペンのパンフレット見てたんだね。保育園の連絡帳をこういうので書いてくれる保護者さんとか結構いるよ」
「へえ。もはや、ひとつの芸術だね」
「それぞれのご家庭の個性が出てて面白いから、毎日の楽しみだね。保育士からのコメントを書く時にちょっと緊張するけど」
「確かにこんな感じのノートに、自分のコメントを書くってなると緊張するかも。フォーマットは揃えるべきなのかなって」
「そうそう……ふふっ」
拓海の率直な感想は和泉の笑いのツボに入ったようで、ケラケラと笑われてしまった。
「それより、注文してたものは無事に受け取れた?」
「勿論。ここにあるよ。拓海はまだ他に買うものある?」
「ううん。コレだけだからお会計してくるね」
和泉が無事に品物を受け取れたようなので、拓海はそばに置いておいた蛍光ペンを持ってレジへ向かう。丁度、前の人がレジから立ち去ったところだったのでスムーズに会計が済む。小さい商品なので袋は貰わずに、肩掛けカバンの中に入れて和泉の所へ戻る。
「お待たせ」
「全然待ってないよ。次は、拓海の夏服だね」
「兄さんは他に買い物ないの?」
「おれも夏服が欲しいくらいかな」
「なら、このまま一階まで下っちゃっていい?」
「いいよ」
書店を出て再び下りエスカレーターに乗る。
すれ違う上りエスカレーターが窮屈そうなのが目の端に写った。
「今日は人が多いなあ。少しのぼせそう」
そう言って和泉は両の手で顔を煽ぐ。元より白い頬は少し赤みを帯ていた。建物内は冷房が聞いており、のぼせるような暑さは無い。
「本当だ、少し顔が赤くなってる。一階に着いたら、冷たい飲み物買ってくるから」
和泉の体調が心配になり、拓海は帰宅することも視野に入れる。
「少し休んだら大丈夫だからね?」
拓海は和泉のその言葉を真に受けることは無い。兄は二次性徴が終わってからというもの、こういった症状を稀に引き起こすようになった。
オメガのこういった症状は別に珍しい話では無い。不特定多数の人間がいる場所ということは、アルファも一定数いるということだ。複数のアルファのフェロモンが混ざりオメガを刺激してしまうというのが、和泉の不調の原因であることを拓海は知っていた。
対処方法も消して難しいことは無い。その場から離れればいい。時として、そのまま突発性発情期を起こす場合もあるので、無理は禁物だ。
「無理はダメだよ。機会なら何時でもあるから、今日は少し休んで落ち着いたら帰ろう」
「大丈夫だよ。すぐに落ち着くから。ね?」
子供に言い聞かせるように自分の無理を隠そうとする和泉に対して、拓海は心を鬼にする。
「今日は帰ろう」
「でもっ……分かった」
和泉は言葉を続けようとして飲み込んだ。拓海が真剣にお願いしているが伝わったのだろう。目に見えて肩を落とす兄に心が痛くなる。
しかし、万が一にでも和泉がこの場で発情期を引き起こしでもしたら、拓海は彼を守りきる自信がなかった。拓海は和泉のフェロモンと相性が良くない。何かあった方が後悔するのだと、拓海は自分に言い聞かせた。
エスカレーターで最下階まで降りると、拓海は和泉を近くのレストスペースの椅子に座らせた。拓海が想像していたよりも和泉は無理をしていたらしく、椅子に座ると目の前のテーブルに伏せってしまった。
そんな状態の和泉から僅かな間でも目を離すのが怖かった拓海は近くの自販機で急いで水を購入する。
幸い、その間に和泉に近寄る人物はいなかった。が、和泉の体調はますます悪くなっているように思えた。
「水、買ってきたけど飲めそう?」
拓海の問に、テーブルに伏せった和泉の頭が微かに左右に揺れる。それに合わせて、ほんの少し甘い香りが拓海の鼻腔に届いた。和泉のフェロモンだ。
突発性の発情期を起こすのは時間の問題であると察知した拓海は、大河にショートメッセージを送り、買ってきたペットボトルを和泉の首筋に当てた。
「きもちい……」
テーブルと頭の間から和泉のくぐもった声が聞こえてきた。
「大河さんには連絡しておいたよ。今日、ちゃんと抑制剤は持ってるよね? 飲めそう?」
「カバンの外側の小さいポケットにピルケースが入ってる」
言われた通りにカバンの外ポケットからアルミ製のケースを取り出す。中には錠剤とペン型の二種類の薬が入っていた。
「錠剤の方がいつもの薬だよね?」
「そう。ペン型注入器は緊急用」
拓海から薬を受け取った和泉は薬を口に運び、そのままゴリっと噛み砕いた。本来はこの様な飲み方は推奨されてはいない。しかし、早めに効果が出て欲しい時はそうやって飲むようにと医師から指示があったと以前聞いた覚えがあった。
和泉の不調が少しでも和らぐようにと、拓海は背中をさする。薬を飲んだにも関わらず、和泉のフェロモンの匂いが強くなっているように思えた。
胸騒ぎがした拓海は、発情期のフェロモンが少しでも誤魔化せればいいと、着ていた薄手のカーディガンを和泉の肩にかけた。
「その人から離れて貰えませんか?」
その直後のことであった。
アルファ独特の威圧を不用意に浴びせられる。振り返り、声の主を確認した拓海は驚きのあまり言葉を失った。
「もう一度言います。その人から手を離してください」
拓海を鋭い眼光で睨みつけた男は、更に声を低くし威嚇するように言葉を放つ。
他のアルファから威圧を向けられた経験などない拓海は、あまりの恐ろしさに自分の意思とは関係なくその場から動けなくなってしまった。
けれど、理由はそれだけでは無かった。拓海は、殺意にも似た威圧を向けてくるアルファの事を知っていたのである。
「――杉本先生」
拓海の呟きが相手に届いていなかったのか、それとも彼の瞳には目の前のオメガしか映っていなかったのかは分からない。しかし、杉本が拓海に気づいていない。
密かに想いを寄せていた相手に威圧を向けられる。あまりに救いのない現実を突きつけられた拓海の胸は今にも張り裂けそうであった。
何故なら、この現状が示すのは――。
「その人は俺の『運命の番』だ」
嫌な予想ほど当たるというものだ。杉本の口から、拓海が一番聞きたくなかった言葉が発される。
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